思い出の旅2007シチリア ⑮タオルミーナの夜
深夜から多くの人がテレビの前に釘付けになっていたかもしれませんが、オッサンも
その一人。サッカー・ワールドカップの決勝トーナメント一回戦、日本代表は善戦しま
したが、惜しくもPK戦の末敗退となりました。オッサンは延長戦までは見ていましたが
PK戦は見ていられなくて(もう午前2時30分を過ぎていたし)寝てしまいましたので、
結果は今朝知りました。決勝トーナメントの壁は厚く、日本の快進撃はまたしてもここ
でストップとなってしまいました。戦った選手・チームの皆さんの悔しさは計り知れな
いと思いますが、本当によく頑張ったと思います。顔を上げて、胸を張って帰ってきて
ほしいですね。まぁ勝ち残ったのはオランダ、アルゼンチン、フランス、イングランド、
クロアチア、ブラジルですからね。いつかは日本もここに割って入る日が来るでしょう。
オッサンが生きているうちに実現してね!(アホ)
さて、しばらく中断していた昔の旅行記事を再開します。2007年8月の、妻と行った
イタリア・シチリア島の旅です。そういえばサッカー強国の一つイタリアは、今回欧州
予選敗退で、ワールドカップの本大会に出場すらできなかったんですよね・・・
シチリア島東海岸のリゾート地タオルミーナのホテルに到着後、早速夕食に出掛けま
した。この日はオッサンの誕生日でしたので(写真の日付は日本時間なので、一日後に
なっていますけど・・・)奮発してちょっといいレストランを予約していました。
シチリア島で当時唯一のミシュランの星(★一つ)を有する、リストランテ・カーザ・
グルーニョさんです。
日本からネットで予約していたのですが、前日に電話でリコンファーム(予約再確認)
が必要とのことで、少々あせりました。前日にパレルモのホテルからオッサンが電話を
して、イタリア語で悪戦苦闘しながらもなんとか予約確認に成功。それを見ていた妻は
いつになく「オッサン、すごいやん」と言っておりました。ふふ、少しは見直したか。
と言っても、目的がはっきりしているのでマニュアル通りにしゃべるだけですからね。
まぁ、これで安心して晩御飯が食べられます。予約時間は夜7時から。イタリアの夕食
は遅い時間からなので、一番早い予約時間なのです。(今ではオッサン、夕方6時には
晩御飯を食べているやんな。by妻)
このレストランは、中世の町並みが残る旧市街地のメインストリートであるコルソ・
ウンベルト通りから少し入ったところの、1500年代の建物の中にあります。 この建物
は、もともとは15世紀にタオルミーナに住んでいたカタロニアの家族 "Grugno"さんが
所有する宮殿だったといわれています。あ、それでグルーニョというのか・・・
夏の夜でしたので、室内ではなくオープンエアのテラス席に案内されました。客層は
やはりちょっと高級そうな装いの方々で、庶民のオッサンたちは少々緊張しました。
あ、なんともう一組日本人のカップルがいました。オッサンたちと同世代くらいかな。
昼間は暑いシチリアですが、日が落ちてからは乾燥しているので屋外で過ごすのは爽や
かで快適です。妻もなかなかこの雰囲気が気に入ったようです。
写真を撮り忘れたので、ネットの写真を参考までに掲載します。こんな感じ ↓ です。
食事の写真も撮り忘れた(というか高級レストランでは料理の写真を撮るのはご法度)
ので、これまたそれらしい写真をネットから借用します。
オッサンがオーダーしたマグロのソテーに近いイメージ。妻はカジキマグロのソテー
で、付け合わせは野菜の天ぷらのようなものだったと日記に書いていました。パスタは
妻が気に入っていたシチリア風のトマトと茄子のスパゲッティ・アッラ・ノルマ。一方
オッサンはパスタは仔牛肉のラビオリの入ったスープみたいなもの・・・ワインは何を
飲んだのかちょっと覚えていない。妻の日記にも残念ながら書いていませんでした。
イタリアの白ワインを開けたような気がしますが・・・
イタリア料理にしては、ちょっと手の込んだフランス料理っぽい感じでした。まぁ、
ミシュランで星を獲得しているからフランス人好みの味なんでしょう。日本人には少々
くどい気がしました。もちろんとても美味しかったので文句はありませんが。
建物の内部の方の席は、元宮殿?らしく豪華なようでした。
こういうところで食事をするときにはたっぷり2時間くらいをかけたいものですが、
この時のオッサンたちは、食べ終わるや否や早々にお勘定です。といいますのも、この
後に予定があったからです。(もう、忙しすぎやわぁ。by妻)
その予定とは、これ ↓ です。夏の間タオルミーナの有名な古代ギリシア劇場で開催さ
れる野外音楽祭タオルミーナ・アルテ(タオルミーナの芸術)の鑑賞に行くためです。
この日の演目は、イタリアを代表するオペラの殿堂ミラノ・スカラ座のオーケストラ
による、小編成の室内楽コンサートでした。野外劇場なのに室内楽かい!、という突っ
込みは無しでお願い申し上げます。(アホ)
開始時間は夜9:30からと、これもイタリア時間?で遅いのですが、食事が長引いたの
でオッサンたちは少々遅刻してしまいました。しかし夏の野外音楽祭は開放的な雰囲気
で、ましてやリゾート客の多いここタオルミーナでは少々遅れてきても問題ありません
でした。観客たちは着飾ってはいますが、とてもリラックスしていて緩い空気でした。
ということで、最初の曲モーツァルトの有名なセレナーデ「アイネ・クライネ・ナハ
ト・ムジーク」は奥の後ろの方にある自由席で聴いていました。屋内ホールと違って、
観客が少しおしゃべりしたりしていて、ちょっと音楽に集中できない感じでした。
面白いなと思ったのは、古代ギリシア劇場はご存知の通り半円形の客席が舞台を取り
囲むようになっていて、後方に行くほど座席が高くなるので、後ろの方の席でもとても
見やすかったことです。さすが演劇好きのギリシア人が考案しただけのことはあります
ね。今でも古代ギリシアや古代ローマの半円形野外劇場や円形闘技場の遺跡で、夏には
オペラやコンサート、演劇などがヨーロッパ各地で行われていますから・・・
あ、タオルミーナアルテを紹介するパンフレットがありましたので、ご参考までに。
このような古代ギリシア劇場が会場になっています。
ようやく休憩時間になって本来の指定席の方に向かいます。その前に、仮設のバー・
コーナーでちょっと一杯。(やっぱりね。) オッサンたちの席は舞台に近い指定席で
当時の値段で38ユーロ(約5千円)。日本からしたら安いです。妻の日記によると、
この辺りの席にはゴージャスな装いのマダムがたくさんいて、ちょっと妻は気おくれを
していたようです。見た限り、東洋系の人はだれもいません。ヨーロッパの夏の社交場
みたいな感じがしました。つまり、オッサンたちはちょっと「浮いて」いました。バー
にはイヴニングドレスのご婦人方とタキシードでバシッと決めた紳士の皆様が談笑して
いました。とはいえここの音楽祭は世界的に有名なものではないので、観客はイタリア
人と、夏のタオルミーナに大勢訪れるというドイツ人が多いみたいでした。
後半はこれまた誰もが知っているヴィヴァルディの協奏曲「四季」です。このプログ
ラムを見ても、音楽好きのマニアではなくリゾート地に避暑に来ている観光客向けだと
わかります。肝腎の演奏は妻が「練習不足」と一刀両断していましたが、天下のスカラ
座オーケストラの奏者たちも、ひょっとしたらリゾート気分で演奏していたのかもしれ
ません。(さすがはイタリア人や。by妻)
それでもアンコールで、ヴァイオリンのソロによるパガニーニのカプリース第一番を
やってくれました。さすがにコンマス?(コンサートマスター)らしく、これは上手で
した。終演後、観客の皆さんが写真を撮影していたので、オッサンもつられて・・・
(ほんとはダメなんちゃうか?by妻)
まぁ野外コンサートというのは、コンサートホールでかしこまって聴く演奏会とは違
って、あまり気取らずに楽しむ感じのようです。これもいい経験になりました。
演奏が終わると時刻はもう真夜中の0時近く。町はずれのギリシア劇場から町の中心
を貫くウンベルト通りを抜けて、ホテルに着く頃には日付が変わっていました。
一日シチリア島を駆け巡って観光をした後、タオルミーナでの食事と演奏会鑑賞でした
ので、さすがにオッサンたちも疲れてこの日は爆睡でした。(妻の日記より・・・)
翌日はようやく妻が楽しみにしていたリゾート地タオルミーナでの一日滞在です。
続きは次回です・・・
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