Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

ウクライナ国立歌劇場管弦楽団の第九・・・

  今年もあと2日。今日は午前中のうちに家事を済ませて、昼から外出。
  数日前に、イープラス(チケット販売サイト)で見かけて購入した、ウクライナ国立
 歌劇場管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲第9番、通称「第九(だいく)」です。
 年の瀬に第九を聴くというのはちょっと「いかにも」と言う感じで気恥ずかしいですが、
 なんといってもウクライナのオケですからね、ちょっと応援しようと思いまして・・・

                 

  ベートーヴェンの交響曲の最後の曲で、終楽章に4人の独唱者と合唱がある独特の
 曲です。歌詞はドイツの文学者フリードリッヒ・フォン・シラーの詩「歓喜に寄す」
 を使っており、感動的な名曲となっています。そのテーマ部分は、誰でも聴いたこと
 があるでしょう。クラシック音楽に関心のない方にも親しみやすい、人気曲ですね。


  しかしまたオッサンはドジを踏むところでした。コンサートの会場は池袋の東京芸術
 劇場だと思っていましたが、チケットをよく見ると東京オペラシティではないですか! 
 危うく会場を間違えるところでした。(ホンマ毎回のように勘違いしてないか? by妻)
 こういうこともあろうかと、コンサートに行く時はオッサンはいつもかなり時間の余裕
 をもって出かけているのです。あ、妻の位牌も忘れずに連れていきますよ。
  ということで、無事に初台にある東京オペラシティに到着しました。新宿駅から京王
 新線というオッサンが滅多に乗らない路線に乗るので、またしても少々迷いましたが、
 開演時間の40分前にはホールに到着しました。やれやれ・・・

    

  ちょっと現代的でおしゃれなホールですが、オフィスビルと一体化しているので少し
 味気ない感じがします。欧米の歴史あるオペラハウスやコンサートホールのように外観
 が立派な建造物の方が「コンサート会場に来た」という高揚感があっていいのですが。
 (贅沢を言うな。by妻) 
 ・・・ちなみに首都キーウにあるウクライナ国立歌劇場はこんな感じ ↓ です。


  開演までちょっと時間があったので、バーで一杯ひっかけて・・・(こるぁ!by妻)
 600円で赤ワインを。ボルドータイプの若くて少々渋スッパ系でした。

     


  開演は14時。ちょっとクラシック音楽のコンサートにしては早すぎますが、でも
 暗くなる前に帰宅できそうだから、まぁいいか。ホールはちょっと変わった構造です。

     

  オッサンの席は、1階の最後列。座高の高い人が前に座りませんように!(アホ)

  14時ピッタリに指揮者が登場し、予定通りにコンサートが始まりました。まずお目当
 ての「第九」の前に、同じベートーヴェンの「エグモント序曲」がありました。
  腕慣らし?にちょうどいい曲かな。久しぶりに聴きましたが、なかなか面白い曲だ。


  さて、いよいよ「第九」です。荘厳な第一楽章がスタートします。歌劇場のオケです
 ので、普段はオペラやバレエの伴奏をしているのですが、たまにはこうしてコンサート
 で主役になりたいでしょうね。かなり皆さん張り切っているようでした。あ、それ以上
 に今、祖国ウクライナが置かれている厳しい状況の中で、人々を力づけたいという思い
 が込められているのかもしれません。年末年始に、戦争中の祖国を遠く離れてはるばる

 日本で演奏会を開いているわけです。我々としても心から応援したい気分になります。 


  会場では当然撮影禁止ですが、ネットで公開されている画像がありましたのでご参考
 までに・・・指揮者もソリストも、すべてウクライナ人のようです。


  そして何かに追い立てられるような焦燥感の第二楽章、緩やかでゆったりとした情感
 あふれる第三楽章と続き、いよいよフィナーレの合唱付き、第四楽章です。
  シラーの詩「歓喜に寄す」では、「世界中のすべての人々は、兄弟になる(アッレ・
 メンシェン・ヴェルデン・ブリューダー)」と言っておりますが、戦争の真っただ中に
 あるウクライナの人にとっては、複雑な心境でしょう。卑劣な強盗民族ロシア人と兄弟
 だなんて、真っ平ごめん・・・と言いたいところだろうと思いますが、一刻も早く蛮族
 がクリミア半島を含むウクライナの地から撤退し、それ相応の罰を受けたうえで、再び
 世界に平和が訪れることを願ってやみません。


  肝腎の演奏ですが、ソリスト、特にテノールはちょっと力不足のように感じましたが、
 さすがに合唱の迫力は凄い。オペラ劇場付の合唱団ですから、そりゃプロ中のプロです
 ね。感動のフィナーレに向け、だんだんボルテージが上がってきます。ベートーヴェン
 ってやっぱり天才だよなぁ・・・聴覚を失っても頭の中でこのようなハーモニーと劇的
 な音楽を構成してしまうのですからね・・・
  熱気を帯びた合唱とオーケストラによるフィナーレの後は、会場全体が拍手に包まれ、
 多くの人が立ち上がってスタンディング・オベージョンです。ウクライナの黄色と空色
 の国旗を広げている方もいました・・・ちょっと感動しますね。
  そういえば今日は、演奏中に咳をする人がほとんどいませんでした。みんな緊張して
 我慢していたのか、それともコロナ対策の効果で普通の風邪をひく人が少なくなったの
 か? しかし、そのかわりスマホの電源をOFFにしないで、演奏中に着信音を鳴らした
 不届き者のオッサンがいました。そういう輩は退場じゃ!(まぁまぁ。by妻)
  「第九」の後はさすがにアンコールはなし。演奏会の余韻を感じつつ、帰宅しました。
 
  今日の夕食は、今月2回目の「すき焼き」です。明日から静岡に墓参りに出掛けます
 ので、今年最後の自宅での晩餐です。まぁ最後くらいはいいかなと。ちょっといいお肉
 が入手できました。オッサンはいつも120gですが、今回は奮発して150gも。少し量が
 多いので、ご飯はなし。そのかわり、うどんと豆腐を入れました。

     

  すき焼きに合わせるワインは当然ブルゴーニュ、ニュイ・サン=ジョルジュ地区の赤、
 1級畑のクロ・デ・フォレ・サン=ジョルジュの2005年、ドメーヌ・ド・ラルロです。
 この生産者はフランスの大手生命保険会社アクサの所有するアクサ・ミレジム傘下です。
 十分な設備投資がなされ、若くて優秀な醸造家をスカウトして高品質なワインを造らせ
 ていることで有名です。クロ・デ・フォレは1級畑の中ではお買い得で、高品質な割に
 価格は控えめなので、貧乏なブルゴーニュ・フェチには有難い存在。(しかし、最新の
 2020年ものは、ついに2万円を越えてしまい、オッサンの手の届かない存在に・・・)


  2005年は強いヴィンテージで、タンニンが多くて熟成に時間がかかるとの評判ですが、
 17年経過した今は、飲み頃にさしかかっています。今回も抜栓した瞬間に勝利?を確信
 しました。😝 出ましたよ、この少し妖艶な香り。口に含むとジンワリとした旨味が。
 辛口なのに、少し甘く感じるほど(錯覚ですが)。舌の表面から、すうっと自然に吸収
 されていくような感覚です。そしてまた余韻が長いのです。これも絶品だなぁ・・・
 ちなみにアルコール度は13.5%ですが、全くアルコールっぽさは感じません。バランス
 が取れていて、まろやかな味わい。今でも素晴らしいですが、恐らくあと10年は保つと
 思います。アクサ・ミレジムさん、いい仕事をしていますね!


  抜栓後5時間経過した今、チーズと一緒にちびちびやっています。(飲み過ぎ~)

    

  時間が経つと、さらに良くなりました。豊満でグラマラスな感じが出てきました。
 くせのあるチーズにピッタリです。熟成したカマンベールと、ウォッシュタイプの強烈
 なエポワッスの組み合わせです。包みを開けた瞬間に、強烈な沢庵臭がしました。でも
 この臭いがすると、必ずトロトロに熟成したチーズの味になっています。オッサンは、
 皮を除いてトロトロのところだけを頂きます。ねっとり、ムンムンって感じです。
  こんなことをしているうちに日付が変わった。もう大晦日ですね・・・


  明日は墓参り。今年一年を反芻しながらお参りです。(反芻やのうて、反省したほう
 がえぇと思うで・・・by妻)