2024年GW:スペイン・フランスの旅 ㊵ バスク鉄道で国境を越えてフレンチ・バスクへ・・・
久しぶりに再開します。
旅行5日目の朝、この旅行で唯一雨の日となりました。サン=セバスチャン観光を
前日にしておいて良かったです。さて、この日はスペイン北東部バスク地方のサン=
セバスチャンのホテルを8時前にチェックアウトし、いよいよ国境を越えてフランス
へと向かいます。このホテルは旧市街の便利な場所にあり、狭いですがバルコニーも
あり、なかなか快適でした。カフェがないので朝食はなく、これといったサービスも
ないのですが、その分価格もリーズナブルでした。寝泊まりするだけならこれでOK。.
狭いながらもバルコニーには椅子もあり、道行く人を眺めて寛ぐこともできます。
室内は本当に狭くて、トランクを全開にすると足の踏み場もないのですが・・・😆
テレビも壁掛けの薄型なので、ベッドに寝転がって視聴していました。
オッサンにしてはゆっくり午前8時前の出発。向かうのは国鉄(レンフェ)の駅では
なく、少し離れた下町っぽいところにある地方私鉄バスク鉄道の駅なので、タクシーを
呼んでもらいました。ヨーロッパではタクシーは比較的割安ですが、朝の出発の場合は
前日に頼んでおかないとダメです。当日では、すぐには来てくれません。
さて、いよいよサン=セバスチャンともお別れです。あっという間でした。(そら、
前日午後4時に来て、翌朝8時に出発する「せっかち」はそうそうおらんで。by妻)
タクシーで7~8分走ると、整然としていた旧市街中心部とはちょっと雰囲気が違う
下町エリアにあるバスク鉄道のターミナル駅、ドノスティア・アマラ駅に到着です。
といっても危険な感じは一切なく、安全です。小さいながらも小奇麗な駅でした。
駅名を表示する看板には、左にバスク語で右にスペイン語の表示がされています。
この日はちょうどメーデーでしたので、駅を利用する人はいつもより少ないと思われ
ますが、バスク鉄道のは通常の休日ダイヤできっちり30分おきに列車が運行されていま
した。これは非常に助かりました。ヨーロッパではメーデーの日はクリスマスに次いで
人々が働かない日ですので、会社やお店が閉まっているのはもちろん、交通機関も大幅
に減便されることが多いのですが、バスクの方々は働き者のようです。
有難いことに駅構内のバルも開店していましたので、ここで朝食をとりました。朝は
やはりピンチョスよりもバゲットにいろいろな具を挟んだものが多かったです。サイズ
が大きいので、これとカフェ・コン・レチェ(カフェオレ)で、結構満足できました。
カウンターで食べる分には比較的割安です。でも円安なので、800円くらいしたかな?
前にも書いたと思いますが、バスク地方はスペインとフランスに跨っており、国境を
越えたフランス側はフレンチ・バスクと呼ばれています。ただしスペイン領内のエリア
に比べると面積も小さく人口も少なくて、フランス国内での自治権もなくフランスの県
の一つという扱いにすぎません。フランスのバスク人は、フランス人に同化している
感じなのかな?
スペインとフランスの両バスク地方の間には高速道路や鉄道が通じていますが、
スペイン国鉄とフランス国鉄は相互直通運転はほぼなく、スペインの列車は国境の町
イルンまで、そしてフランスの列車も国境のアンダイエまでとなっており、国鉄の列車
でフランスまで行くのは無理です。そのかわり私鉄のバスク鉄道がサン=セバスチャン
から国鉄とほぼ並走してイルンから先のフランス領アンダイエまで頻繁に列車を走らせ
ているのです。この路線は有名な英国のトーマス・クックのヨーロッパ時刻表にも掲載
されているので、オッサンは昔から知っていましたが、今はバスク鉄道のホームページ
で時刻表も料金も検索できるので安心して乗車できました。
メーデーの日でも30分間隔でアンダイエ行きの列車が出ています。少し早めにホテル
を出たお陰で、予定より一本早い電車に乗車できました。線路幅の狭い、いわゆる狭軌
の鉄道ですが、モダンな車両を使っていて快適でした。
ドノスティア(サン=セバスチャン)・アマラ駅は行き止まり式のターミナル駅で、
オッサンが向かうイルン・アンダイエ方面の路線と、スペイン・バスクの中心都市ビル
バオに向かう路線、サン=セバスチャン近郊路線が接続する主要駅ですが、こじんまり
して日本のローカル線の始発駅に似ている雰囲気でした。
さぁ、いよいよスペインともお別れしてフランスへと向かいます。アンダイエまでは
たったの30分。国境まではすぐなんですね・・・
2024年5月1日 バスク鉄道でサン=セバスチャンから国境を越えてアンダイエへ
電車の内装はモダンでおしゃれ。窓の外は相変わらず雨が降り続いています。
スペイン側の国境の町イルンまでは複線でしたが、イルンでは大半の乗客が下車して
しまい、車内はオッサンと数人が残るのみとなりました。そしてイルンを出発してすぐ
単線となり、国境の小さな川を鉄橋で渡るとすぐに減速してアンダイエ駅に到着します。
2024年5月1日 バスク鉄道 イルン〜アンダイエ間
フランス側の国境の町アンダイエがバスク鉄道の終点です。1面2線(プラットフォ
ームが1つで線路がその両側に2本ある)の小さな駅でした。絶対に赤字だな、これ。
でもきっと、フレンチ・バスクまで繋げた鉄路を意地でも守るという気概なんでしょう
ね、誇り高いバスクの人たちは・・・
なおアンダイエはフランス語表記で、スペイン語ではエンダイヤというみたい。
フランス入国記念。でもEU加盟国ですので国境越えもノーチェック。つぅかローカル
線の電車であっさり国境越えをしてしまいましたわ。もうEU諸国間では国境なんてない
に等しいですね・・・だから不法移民が一度EUのどこかに入り込んでしまえば、どこへ
でも行けてしまうので問題になっているところですね。でも旅行者には有難い。
バスク鉄道のアンダイエ駅を出ると、すぐ目の前がフランス国鉄(SNCF)のアンダ
イエ駅でした。乗り換えにもたいへん便利です。サン=セバスチャンからフランスへと
鉄道で向かうにはバスク鉄道利用が一番効率的ですね。
フランス国鉄の駅はさすがに立派です。またなんだか街並みも少しスペインと違って
垢抜けている感じがしますが、気のせいか?
国鉄の駅舎を正面から見たところです。あ、国境駅だからでしょうか、軍隊の方々?
を見かけました。国境警備隊かな? ちょっと緊張しますね。
少し動画も撮影していました。
2024年5月1日 フランス🇫🇷国境のアンダイエ駅
アンダイエ駅からは、フランス国鉄の誇る高速列車T.G.V(テ・ジェ・ヴェ)が発車
しており、ボルドーやパリまで一直線なのです。1~2時間に1本の割合で高速列車が
走っています。
バスク鉄道の一本早い電車に乗りましたので、予定より早くアンダイエに到着したの
ですが、時刻表を見るとパリ行きのT.G.Vの出発10分前でした。何もないアンダイエで
1時間近く時間をつぶすより、少しでも早く次の目的地に行こうと考えたオッサンは、
駅構内にあった自動券売機でT.G.Vの特急指定券を購入しようとしました。しかし操作が
よくわからず、まごまごしているうちに出発時刻が迫ってきます。支払いはカードのみ
となっていたのでカードを挿入して暗証番号を押すのですが、何度やってもエラー表示
となってしまいます。フランス語でメッセージが出てもよくわからないし。
あぁ、もう時間切れです・・・😖 チーン!(by妻)
ということで、諦めたオッサンはアンダイエ駅待合室で、予定していたローカル列車
の出発を待つことにしました。先ほどの駅構内や周辺の写真やビデオ動画は、この待ち
時間に撮影したものです。国境駅ですが危険な雰囲気は皆無で、ゆったりとした時間が
流れています。メーデーの休日なので、やはり旅行者はかなり少なめのようです。
そして駅構内のキオスクをじっくり見て回りました。なかなか充実していました。
フランス国鉄の構内のキオスクは全部この”RELAY”というお店のようでした。ボルドー
でもパリでもそうでしたから。JR東日本の”NewDays”みたいなものかな?
ここではスナック菓子や飲み物、雑誌や絵葉書などの他、バスク地方のお土産や鉄道
雑誌などが売られていました。オッサンはサン=セバスチャンでバスクのお土産を買い
そびれたので、ここで少し買うことができました。まぁフランス側のバスク地方なので
ちょっとスペイン側とは違うかもしれませんが・・・名物のエスペレット(赤唐辛子)
入りのキャラメル(辛い)など・・・
残念ながらバスクリネンを使った製品はなかったですが、バスク風のデザインの小物を
買いました。なんだか楽しい絵柄です。書かれたバスク語の意味は不明。😆(アホ)
余談ですが、昔、妻と海外旅行(ギリシア)に行った時、妻が「なぁ、オッサン、
あれ見てみ!」というので目をやると、外国人観光客と思しき少年が背中に大きく漢字
の書かれたTシャツを着ていました。その漢字とは・・・「補欠」😆
妻は嬉しそうに、「あれカッコいい字だと思うとるんやろな。でも意味を知ったら
ショックやろな~😂」と言っていました。言葉がわからないと、こういうこともある。
そして鉄っちゃんのオッサンは、ヨーロッパの鉄道雑誌を買ってしまいました。英語
とフランス語ですが、写真を見るだけでも楽しいですから。昔、オッサンが中学生の頃
あこがれていたヨーロッパ国際特急T.E.E(トランス・ヨーロッパ・エクスプレス)など
が載っていましたので、思わず衝動買いしてしまいました。😆
そんなことをしているうちに、オッサンの乗る予定の列車がホームに入ってきました。
まだ出発時刻までは20分以上ありますが、早めに列車に乗り込むことにしました。
この列車はボルドーにもパリにも行かず、途中のボーという駅で内陸部に入り、南西
フランス・ガスコーニュ地方の中心都市トゥールーズまで向かうローカル列車です。
これに乗って、途中のフレンチバスクの中心都市バイヨンヌまで行くのです。乗り越し
たら大変ですので要注意です。
しかし・・・速報版でもお伝えした通り、この後大変なハプニングがありました。
続きは次回です・・・
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