Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

旅の記憶:2019夏 英国➁ ロンドン塔

   今週末の関東地方は穏やかな秋晴れ、お出掛けをされた方も多かったのではないか
  と思います。来週の3連休も、こんな感じでいい天気になってもらいたいですね。


   さて、英国旅行の続きに入ります。
   高い入場料を払ってロンドン塔に入ります。英国王室の居城(要塞)として、また
  王家にとって都合の悪い人物を投獄・処刑した場所として歴史的に有名な場所です。
  どちらかというと、後者のおどろおどろしいイメージが強いのですが、晴れた夏の日の
  午後は観光客がいっぱいで、のんびりした雰囲気です。

  入口のバイワードタワーをくぐって中に入ると、中世にタイムスリップしたかのよう。
 石畳の道と、重厚な石の建造物と塀が延々と続きます。
  右側の塀が外部と隔てる外壁で、上に歩道があります。この外壁が延々と続いて一周
 しているようです。途中ところどころ見張り塔が立ち、その中に結構広い部屋があった
 りしました。


  外壁の歩道にも観光客がいっぱい。テムズ川越しにタワーブリッジが良く見えます。
 はい、イギリスにまでパンダ君を連れていくアホです。(当然彼だけではありません。)

 
  観光客に紛れて、こんな方 ↓ がいました。中世風の衣装を着ているので、観光地には
 よく居る「雰囲気盛り上げ要員」の方なのかな?お願いして写真を撮らせて頂きました。

      

  
   外壁の周りをうろついた後、二重になった内壁の門をくぐってロンドン塔の中心部
  へ向かいます。入口の門になっているところは、その名もブラッディ・タワーという
  塔です。昔、王位継承者の幼い王子たちが、王位簒奪者の叔父に殺されたという伝説
  (シェイクスピアの有名な「リチャードⅢ世」の悪業)がありますが、それに因んで
  いるのでしょうかね。
   さて、これ ↓ が、ロンドン塔の中心となる「ホワイト・タワー」です。というか、
  ここがロンドン塔の原型なんだとか。11世紀後半に征服王ウィリアムによって建て
  られ、後にこのようなアイボリーに塗られたそうです。威風堂々として重厚な感じで
  すね。これが歴史の重み、かな。
   観光客の入口が木造の階段になっていますが、少し格好悪いよなぁ。内部は広くて、
  甲冑やら武具やらが展示される博物館のようになっていました。


 

  展示品で凄いのは、クラウン・ジュエルと呼ばれる宝石をちりばめた王冠などの展示
 です。最近建てられた頑丈な建物の中に、英国王室に代々伝わるゴージャスな王冠等が
 展示されています。写真撮影NGなので、ガイドブックの写真を載せておきます。私は
 宝飾品にはあまり興味がありませんので、さっと流して見ただけで早々に出てきました。

      

  中には王家の家系図やら由緒ありげな展示物がいっぱいありましたが、知識が不足
 しているので、あまりピンときませんでした。まぁ、歴史の教科書に出てくるような
 王様とか、オペラや歴史小説に出てくるような巷で有名な話なら少しは知っていまし
 たけどね。英国王室フェチではないので・・・
  
  はい、例えばこの方 ↓  テューダー朝のヘンリー8世のオッサン。女好きで(ちゃう
 跡継ぎの男子を得るため)、奥さんを何回も取っ替え引っ替え。挙句は離婚を禁じて
 いるカトリック教会から破門され、これ幸いと独自に「英国国教会」なんてのをぶち
 上げてしまう、めげないタフなオッサンですな。どうでもいいですが、妻の友人の阪神
 ファンの女性が「ブラゼル(元阪神の外国人選手)ってヘンリー8世に似てるやんなぁ
 ・・・」と仰っていました。妻はヘンリー8世を知らなかったので私に「誰やヘンリー
 8世って?」、と訊いてきたのですが、この絵 ↓ を見て爆笑していました。懐かしい思
 い出(バカ話)ですのう・・・



 もうひとつ有名なのは、僅か数日だけ英国女王に担ぎ出されたのに、政敵によって退位
させられ、反逆者として処刑されてしまった薄幸の美女、レデイ・ジェーン・グレイの話
です。王家に連なる教養ある貴族の娘でしたが、ヘンリー8世の腹違いの娘二人(カトリ
ックを信ずるメアリー、新教徒エリザベス)の間で権力を争うオッサンたちに担ぎ出され
たために、無実の罪で無残にも斬首刑にされてしまうのです。なんと16歳の少女。
 その悲劇からインスピレーションを得て、多くの画家が彼女の処刑前のシーンを絵画に
描いています。その一つがこれ ↓ です。

      

  このような陰惨な出来事がこの場所で繰り広げられ、歴史が作られていったのかと
 思うと、なんともいえない心境です。王族なんかに生まれなくてよかった。(そんな
 心配する必要ないわ、アホ。by妻)。
  そういえば、夏目漱石が「倫敦塔」っていう小説を出していたような気がする。
 どんな話なんだろうか?(文学少年ではなかった私・・・)


  なんか血なまぐさい話ばかりで気が滅入りますね。外に出れば、ちょっと楽しいこと
 もあります。ここは英国王室の管理下にあるので、バッキンガム宮殿同様に、王室衛兵
 も駐屯しています。黒いクマの毛皮の帽子を被って赤いユニフォームに身を包んだ凛々
 しい兵隊が、ロンドン塔内部を警護しています。ちょうど衛兵交替の場面に出くわしま
 した。宮殿よりも観客が少ないので、間近でじっくり見ることができました、カッケー!
   

     

  そしてロンドン塔の名物と言えばこのオッサンです(失礼)。ヨーマン・ウォーダー
 と呼ばれる公式ガイドです。別名ビーフィーター(Beef eater)。なんでも昔は、報酬が
    牛肉で賄われていたからだそうです。でもれっきとした軍隊経験者で、名誉ある職業
 のようです。写真を撮らせてくれって頼んだけど、ちょっとこの仏頂面のオッサンは
 愛想が良くなかったなぁ。

     


  ロンドン塔を見るだけで軽く1時間30分くらいかかってしまいました。テムズ川の
 岸辺側の出口から、次の目的地タワー・ブリッジに向かう予定でしたが、ちょっと時間
 が足りないようです。本当は、あの高いタワーに登ってテムズ川の上からロンドン市街
 の景色を見てみたかったけれど、残念ながら今回はあきらめざるを得ません。
  まぁ外観だけでもしっかり見られて良かった。こんな格好いい橋はそうそうないよね。

  先を急ぐわけは、もう一か所、観に行きたい場所があったからです。
  再び地下鉄に乗って、キングス・クロス駅まで戻ります。え?駅に戻るの?
 そうなんです、次の目的地はキングス・クロス駅の中にあるのです。それは・・・


  はい、プラットフォーム9と3/4。世界的ベストセラー、「ハリー・ポッター」
 シリーズの最初の作品「賢者の石」で、ハリーが魔法学校ホグワーツに向かうために
 乗る列車が出発する場所です。映画ではハリーがこの壁をすり抜けて、魔法の世界に
 向かうための列車に乗り込むシーンが有名です。

     


  実際にはキングスクロス駅のプラットフォームではなく、駅のコンコースにあり
 ますので、列車に乗らなくても(ロンドンの鉄道駅は改札があるのです)、誰でも
 見ることができます。近くにはちゃっかりハリポタショップもありまして、大混雑 
 です。ショップに入るのも入場制限、そしてこの場所で記念撮影をしてくれる有料
 サービスがありますが、これも長蛇の列。私は皆さんが楽しんでいるのを遠巻きに
 眺めてちょこっと写真を撮っただけ。この状況では縫いぐるみの写真は撮れないや。
    

       

  こんな ↓ ふうにして、魔法の杖を手にしてポーズを取って、マフラーを係の人が
 引っ張ってくれるので、これであなたも気分はハリー! ちょっと恥ずかしいな・・・
  

  まぁ、妻がハリー・ポッターのファンだったので、生きていたら絶対に来たかった
 だろうなと思って来てみました。どうだったかな? そういえば、私もこの英国旅行
 に来る前に、妻の買っていたハリポタのDVDを3巻ほど見てきました。良い子は予習
 をちゃんとしないとね・・・(でもだんだんおどろおどろしくなってきてコワい。)


  さて、ハリポタの聖地巡礼一か所目は無事終了。預けておいた荷物を取り出して、
 午後6時発のエディンバラ行きの特急列車で本日の宿泊地ヨークに向かいます。
  ところが、この後は大変なことになってしまいました・・・ 続く