2024年GW:スペイン・フランスの旅(71)ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)~その2~
四国旅行に出かけていて、こちらの記事が滞留していましたので再開します。もう、
1年近く前のことですので今更感が満載ですが、終わるまで続けます。
パリのポンピドゥー・センター内の国立近代美術館に突入したオッサン、まず企画展
の彫刻家ブランクーシさんの作品を一通り鑑賞しました。とても個性的でインパクトの
ある作品ばかりです。回顧展のようで、生涯を通じて生み出された彼の作品がたくさん
展示されていて見応えがありました。
こんな感じの彫刻がたくさんありました。色や形や素材などが少しずつ違う感じです
が似たようなバージョンの作品をたくさん制作していた感じですね。
オブジェなのか、古代遺跡から出土した器を模したものなのか、よくわからないです
が面白い作品です。
こちらはなんだかプリミティブ(原始的)なイメージですね・・・アフリカやオセア
ニア等のプリミティブ芸術の影響を受けたのかな・・・人体をデフォルメしています。
「祈りをささげる人」の彫刻は人気がありました。彫刻作品は立体なので、鑑賞する
方向や角度によって受ける印象が違ってくるのが面白いです。
この辺になりますと現代彫刻っぽくなりました。何を表現しようとしているのかは
凡人のオッサンには理解不能なのですが・・・
ブランクーシさんは彫刻家なのですが、若いころは絵も描いていました。というか、
画家から彫刻家に転身したのかな。絵に描いたモチーフを彫刻作品にしている感じも
しますからね・・・まぁパリで多くの画家や芸術家の卵たちと交流していたらしいで
すから、いろいろと刺激を受けていたのでしょうね。
著名な彫刻作品だけでなく、若いころの絵画や過渡期の作品があって、ブランクーシ
さんの芸術家としての歩みがわかるような展示になっています。さすがです。
ブランクーシさんの自画像もありました。うーむ、なんだかワイルドな風貌ですね。
しかし実際はとても温厚な人だったらしく、尖がった(自分勝手で我儘な)性格の芸術
家が多い中では、とても人間ができている方だったようで人望が厚かったらしいです。
そうか、人は見かけによらないな・・・
おっと、なんだか面白い展示もありました。鳴門の渦潮みたいにクルクル回るお皿の
ようなものも作品の一部なんですね。そしてブランクーシさんがノミを振るって制作中
の動画もありましたので、ちょっと撮影してみました。
と言う感じでこの特別展を鑑賞したお陰で、これまではあまり詳しくは知らなかった
ブランクーシさんが身近に感じられるようになりました。さすがはパリ国立近代美術館、
有能なキュレーター(学芸員)がいらっしゃるのでしょうね、当たり前か。
(当たり前や。by妻)
さて、この後は一つ下のフロアに降りて、定番の通常展示を見学します。といいまし
ても膨大な所蔵品を有していますので、展示品はしばしば入れ替わりがあり、何が鑑賞
できるかは行ってみないとわからないという感じです。
さぁ、どんな作品が見られるでしょうか。
通常展示は時代の古いもの(と言っても20世紀初頭)から順に並べられています。
まずはフランスの後期印象派から続いてきたさまざまな新しい芸術運動、例えば野獣派
と呼ばれたフォービスムや、フランスの印象派の向こうを張ったドイツ表現主義の画家
などの傑作が見られました。
最初に出会ったのが、フォービスムの代表作と言える画家ドランの「はしけ」でした。
おお、これは画集で見たことがありましたが、ホンモノを見るのは初めてです。
うわぁ、本当にダイナミックで大胆な色遣いですね。印象派、特に代表画家のモネは
光を分解してキャンバスに反映したというイメージですが、フォービスムの画家たちは
目に映ったものを感じたままに、原色主体でインパクトをつけて表現した感じかな。
(知ったかぶりしてテキトウなことを言うたらアカンで。by妻)
とにかく、この作品もひとつの時代を創った傑作と言えるでしょうね。
フォービスムのもう一人の代表画家、ヴラマンクの作品もありました。これはもう
さらにワイルドなタッチで、よりインパクトのある強烈な色遣いをしています。
続いてキース・ヴァン・ドンゲンさんの作品。ダンサーの女性でしょうか・・・
普通っぽい題材ですが、タッチや色遣いの大胆さがフォービスムっぽいです。
そして、そのフォービズムの第一人者、いやフォービズムの枠を飛び越えた天才画家
のすばらしい作品も後に控えていますので、とても楽しみです。
その前に、ドイツ表現主義と呼ばれた20世紀前半の芸術運動に参加していた画家たち
の作品群がありました。ドイツのベルリンやミュンヒェンの美術館に数多く展示されて
いる画家たちの作品ですが、ここパリ近代美術館にも主だった画家たちの作品があり、
驚きました。近代美術の流れを漏れなく展示品で伝えようとしている感じがします。
まずは「ブリュッケ(橋)」と呼ばれる北ドイツのグループの一人、ヤウレンスキー
さんの作品です。うひゃあ、この人の描く肖像画はだいたいこんな感じなんですよね。
かなりデフォルメされた顔の部品?が、度肝を抜くようなサイケな色彩で表現されて
います。モデルさんがこの完成した絵を見たら怒ってしまったかもね。😆
続いてエミール・ノルデさんの作品。うーむ、だんだんそれ(ドイツ表現派)っぽい
なんだか楽しい絵になってきたぞ。うちの妻が見たら喜びそうな感じ・・・
(オモロイのが好きやねん。by妻)
そして、一時期ドイツのミュンヒェンに滞在していて、ドイツ表現派の一派である
「青騎士」グループのメンバーだったカンディンスキー(後に抽象画家の代表者的な
存在になる)の恋人だったという、ガブリエーレ・ミュンターさんの作品もあります。
「青騎士」グループは素朴な、無垢な子供の描くような絵画を理想としたということ
ですが、なるほどそんな感じがしないでもないですね・・・
しかしその「青騎士」グループの騎手であったフランツ・マルクさんや、20代の若さ
で惜しくも世を去った俊英のアウグスト・マッケさん、北ドイツの「ブリュッケ(橋)」
と呼ばれたグループの中心だったキルヒナーさんの作品の展示はこの時にはありません
でした。まぁ常設展で展示できる作品の数が限られるからかもしれません。
ドイツ表現主義の画家たちの作品の動画を少し撮影していましたので、ご参考までに。
2024年5月4日 パリ国立近代美術館 ドイツ表現主義の画家たちの作品
さぁこの次は、フォービスムの第一人者にして、フランス近代美術の巨匠の一人、
あのお方の作品を鑑賞します。スミマセンが、続きます。
(何をもったいぶっとるんじゃ。早うせんとGWまでに終わらんで。by妻)
















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