Bonne(ボンヌ)のブログ

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2025年8月:クロアチア・オーストリアの旅 ⑦ 世界遺産リレー:トロギールからスプリットへ、最初の試練・・・

Bonne

  今日の関東地方南部は最高気温30℃越え、夜に帰宅しても部屋の中がモアっと暑いの

 で、久々に冷房を入れました。この暑さはしつこいな・・・もう10月になるのに。


  さて、今日は夏休みの旅行の続きです。

  クロアチアのアドリア海沿い(ダルマチア地方)の世界遺産の街トロギールの観光を

 終えて、この日の宿泊先であるダルマチア地方最大の都市スプリットの街まで、バスで

 向かいます。島の南西の端にあるカメルレンゴの城塞から、再び旧市街の路地を抜けて

 いきます。夕方になると街中に人が多くなってきました。あ、下着姿のようなお姉さん

 が歩いてきましたよ。そんな恰好をしていて大丈夫か? 手前には、ソフトクリームを

 食べているオッチャンが一人・・・(オッサンも同類やで。by妻)

  お土産物屋さんがたくさんあります。ちょっとした小物を売るいかにもお土産屋さん

 と言う感じのお店も多いですが、ジュエリーや装飾品を売る高級なお店もありました。

 あ、茶色いスポンジ状の海綿を売っている店もありました。この辺でも採れるのかな?

 リゾートっぽい雰囲気で、なんだかエーゲ海(ギリシア)の島みたいな感じです。

  観光地なのでレストランも早い時間から開いているようです。シーフードレストラン

 の店先には新鮮な魚が並んでいました。こういうお店で食事をしたかったな・・・

  後で知ったのですが、有名なドゥブロヴニクや大都市(といっても人口30万人)スプ

 リットに比べれば、ホテルも食事も相場はかなり安いそうです。そうか、最初はここに

 宿泊をすればよかったな~ そうしたらもっとゆっくり街を見学できたし・・・


  しかし既にスプリットのホテル(2連泊)は予約済ですし、スプリットまでの直行の

 都市間バスも予約してしまっていますので、予定通りスプリットに向かいます。なんせ

 スプリットも世界遺産の街で、オッサンが大好きな古代ローマの遺跡があるのですから。

 いや、スプリットの旧市街そのものが、古代ローマの皇帝の宮殿(隠居先)の遺跡から

 生まれているのですよ。古代ローマ・フェチ(アホ)のオッサンがどうしても訪れたい

 場所の一つなのでした。

  20分ほど歩いて(途中でお店のショウウインドウを覗いたりしていたのですが)よう

 やく旧市街の入口(出口)の北門に戻ってきました。ホンマに「狭き門」や・・・

    


  予約していたバスの出発時刻までは30分以上ありましたので、バスターミナル近くで

 見かけた「コンズム」というクロアチアの街のどこにもあるスーパーに寄ってみる事に

 しました。イ●ンかイトー●ーカドーみたいな存在ですが、クロアチアの庶民にとっては

 不可欠のお店のようです。そして貧乏旅行者にとっても心の友?であるようで、地球の

 歩き方にも、必ずコンズムのある場所が載っています。

  トロギールは小さな町ですが、旧市街からも交通の中心となるバスターミナルからも

 近く、わりと大きなお店でした。そういえばこの日は日曜日でしたが開いていて、夕方

 の買い物に立ち寄る地元の方々がたくさんいました。

  生鮮食品やお酒を含む飲料、お惣菜や乾物など、日本の食品スーパー同様にあらゆる

 もの(ただしスタンダードなレベル)が手に入るようでした。驚いたことに、巻き寿司

 もありました。「具」がちょっと違和感がありますが、こんなところでもお寿司が売ら

 れているとは。それだけ買う人がいて、定着しているんですね。ただ、日本の寿司では

 なくカリフォルニアのロール巻きという感じ。

  そういえばクロアチアのアドリア海ではホンマグロが獲れるそうです。鉄火巻きっぽ

 いものもあるな・・・しかし、クロアチア語は読めん・・・難しい・・・

  果物は1キロ当たりの値段が表示されているようです。ヨーロッパはどこもそうね。

 地元の方が買い物をするお店ですから、安いです。水とかビールとかの飲料は、ここで

 買うのが一番。コンズムにはこの後も、どの街でもお世話になりました。  

    

  この後で大荷物を抱えての移動となるため、ここではビールだけを買いました。クロア

 チアの代表的な銘柄カルロヴァチコです。バスを待っている間に飲んじゃいましたが。

 ラガータイプですが、やや濃い目の味でした。キンキンに冷えていて美味しい!

    

  さて、荷物引換証を持って恐る恐るガルデローバ(荷物預かり所)のオバアチャン

 のところへ向かいました。オバアチャンを見つけて「ドバルダン(こんにちは)!」と

 声をかけると、いかにも面倒くさいという不機嫌な顔で「ドバルダン」と返してきまし

 た。むむっ、やはりご機嫌を損ねないようにしないと、荷物を返してくれないかも。

 (そんなわけあるかい! by妻)

  そんなオッサンの不安をよそに、オバアチャンはオッサンの荷物をすぐに持ってきて

 くれました。ホッとしたオッサンは「フヴァラ(ありがとう)」と一言だけ声をかけて、  

 急いで立ち去りました。(何をそんなにビビってるんや。by妻)


  さてバスターミナルでバスを待ちます。スプリットに行くには近距離のローカルバス

 (スプリットー空港ートロギール間を結ぶ20~30分おきに出る2両編成のバス。オッサ

 ンが空港からトロギールに来るときに乗ったバス)もあるのですが、途中のバス停全て

 に停まるのでスプリットまで最低50分はかかるということでしたので、スプリットまで

 ノンストップの都市間バスをネットから予約していました。都市間バスは長距離を走り、

 鉄道網が発達していないクロアチア国内の主要都市間を結んでいて本数も多く、早くて

 とても便利なのです。(トロギールからスプリットまでは所要30分)

  しかしオッサンが乗る予定のバスは、アドリア海のもっとも北側近くにあるリエーカ

 という町から、クロアチア最南端のドゥブロヴニクを結ぶ長い路線のため、リエーカか

 らの到着が遅れているようです。バスターミナルには電光掲示板があるのみで構内放送

 もないため、いつ到着するのかわかりません。電光掲示板には、バスを運行する会社名

 と行先、出発時刻が表示され、到着したら到着時刻が出るという仕組みのようです。

 オッサンの乗る16:11発のバスは、出発時刻を過ぎても到着していません。乗り場は1番

 プラットフォームだと表示されている(実は勘違い)ので、その前で待っていたのです

 が、誰も並んでいません。普通はここでおかしいと気づくはずなのですが、日本出発時

 から一睡もせずここまで約40時間寝ていないうえに、ビールを飲んでしまったオッサン

 は思考能力というか判断力が低下していました。

  ぼんやりと待っているうちに、あれ? プラットフォームから遠く離れた場所にある

 停留所みたいなところに人がいっぱいいるぞ。あ、そこに高速バスのような大きなバス

 がやってきて、人々が乗り降りしているぞ。まさか・・・


  はい、その「まさか」です。はっと気づいて電光掲示板を見るとオッサンの乗るバス

 は既に到着済で、出発してしまっていました・・・😱

  そういえば、さっきボーっと見ていたバスから降りてきた運転手が、キョロキョロと

 周囲を見渡していたみたいでしたが、ひょっとしてあのバスだったのでは? あれは、

 予約していた東洋人が乗車してこないので探してくれていたのかもしれない・・・

 はい、行ってみるとそのバス停は「9番」乗り場で、トロギールが始発ではないバスは

 すべてここから発着するみたいでした。あぁ、ちゃんと乗り場を確認しておけばよかっ

 たのに・・・電光掲示板を改めて見てみるとほとんどのバスが「9番」乗り場から出発

 と出ているじゃないか~ オッサンのアホ、アホ~(今に始まった事じゃないな。by妻) 


  ひえぇ、いきなりピンチです。この都市間バスは予約制なので、今からスプリットに

 向かう長距離バスの予約は難しそうですし、そもそも次の便は18:00頃のようです。

 しかたなく、当初は避けていた「路線バス」乗り場に向かいました。しかし、こちらも

 16:50のバスが出発した直後でした。とことんついていない・・・

 

  次のバスは17:20発。始発なので多分座れると思いますが、スプリット到着はおそらく

 18:30くらいになるでしょう。予定より1時間半くらい遅くなってしまいそうです。でも

 まだ代替手段があるだけマシでした。とにかく一刻も早くスプリットに向かわねば。


  予想通りこのローカルバスは激混みでした。座ることはできましたが、日曜日の夕方、

 平日は20分おきなのが30分おきになっているので、始発から満員でした。しかも空港で

 多くのお客さんが乗車し、スプリットの街中に入っても停留所に停まるたびに人が乗っ

 てきて超満員です。オッサンは大きなスーツケースを手元に置いて2人がけ席を一人で

 座っていたのですが、立っている乗客から冷たい視線を浴びていることに気が付きまし

 た。うわ、これはまずい。スーツケース以外の手荷物を膝の上に置き、窓側のスペース

 を開けました。すると、そこへさっきからうるさくしていた中学生くらいのガキどもが

 殺到し、そのうちの一人がオッサンの膝の上を飛び越えて窓際のスペースに飛び込みま

 した。なんてお行儀の悪い・・・

  ということで、肩身の狭い(本当に窮屈でしたが)思いをして、スプリットの近距離

 バスターミナルまでじっと我慢しました。しかも到着は大幅に遅れ、18:50着。一時間半

 もかかってしまった。当初の予定より2時間遅れ。このロスは大きい・・・ 

  夏時間なのでまだ明るいので助かりましたが、ここからホテルまではかなり歩かない

 といけません。長距離バスはホテルのある旧市街中心部に近い長距離バスターミナルに

 到着するので迷わずに行ける自信がありましたが、このゴチャゴチャした下町のど真中

 にある近距離バスターミナルからは道に迷いそうで、そして迷ったら脱出?するまでに

 日が暮れてしまいそうな予感がしたので、やむなくタクシーを使うことにしました。

  あぁ、追加のバス代に加えてタクシー代という余計なお金を遣う羽目になってしまっ

 た。しかし、これ以上の時間のロスやリスクを負いたくないので仕方がありません。

  タクシー乗り場はすぐ近くにあり、暇そうにしていた運ちゃんを捕まえて、旧市街の

 ホテルまで行ってくれと頼みます。オッチャンは、ちょっと怪訝そうな顔をしました。

 どうも旧市街は車両乗り入れ禁止なので、近くまでは行くからそこからは歩け、という

 ことのようです。まぁ近くまで行ってくれるだけでもいいから乗ろう。

  

  バスターミナルからは7~8分のところで降ろされました。料金は荷物代とチップを

 含めて10ユーロ(約1,750円)、ちょっと高いな、足元を見られたかなと思いつつも、

 先を急ぐオッサンは渋々支払いました。運ちゃんは、「この道を真っすぐ行くと、途中

 で右に旧市街に入る門があるから、そこをくぐって行けばすぐだ」というようなことを

 言いました。それを信じて重い荷物を引き摺って石畳の道(歩きにくい)を歩き始めた

 オッサン。降ろされた場所は、城壁に囲まれた旧市街の北東部の場所でした。なので、

 この城壁を伝って数百メートル行くと、確かに右手に門が見えました。あ、これが東門、

 通称「銀の門」だなと思って見ていたら、あれ?なんだか工事中みたいですが・・・

  どうも何かのイベントをやるために通行止めになっているみたいです。え~、旧市街

 に入る4つの入口のうちの一つが塞がっているんですかあ?

  オッサンの宿泊するホテルは、地図を見るとこの「銀の門」をくぐったすぐ近くなの

 ですが、ここから入ることができないとなると大回りをしなければならないのです。

 タクシーの運ちゃんも、ここが通行止めになっているとは知らなかったのでしょう。

  

  東門がダメなら、北門か南門に回るしかないのですが、北門だと来た道を戻る格好に

 なるのでオッサンは南門に回りました。これも失敗でした・・・

  分厚い城壁をぶち抜いてつくられた南門ですが、かなり狭い。まぁ古代ローマ時代に

 は荷物を運ぶトラックなどはありませんから、人が通れる程度でよかったんでしょうね。

 しかしこの後が大変でした。実は南門は一番低い位置にあるのでした。言い忘れました

 が、この城壁に囲まれた旧市街こそ、世界遺産である「ディオクレティアヌス宮殿」の

 遺跡そのものなのです。この南門は昔の宮殿の1階部分(中世には地下だった場所)で、

 現在の旧市街中心部は古代の2階部分(中世には地上階だった場所)にあります。つま

 り、オッサンが宿泊予定のホテルのある旧市街中心部(ペリスティルと呼ばれている)

 までは、階段を登らなければいけません。しかもその階段は古代ローマの遺跡だったの

 で、エスカレーターやエレべーターなどはありません。重いスーツケースを抱えて石段

 を登り、●ぬ思いでなんとか旧市街中心部ペリスティルまでやって来ました。

 

  おぉ!これは確かに古代ローマの世界じゃないですか!

  このペリスティルは古代ディオクレティアヌス宮殿の中心だった場所で、ここよりも

 南側は皇帝の住居部分、北側は衛兵やお付きの者たちの生活する場だったようです。

 その間にある列柱で囲われた広場は、いわば皇帝居住部分の玄関口だったみたいです。

 それが、中世を経て現代に至るまで残っているのですよね。ここが古代の2階部分だと

 いうことは、この広場も当時の2階部分に作られていたということになります。 


  ちなみに上の写真の中央部分をよく見ると、下に向かう階段が見えます。オッサンは

 南門を入ってこの階段を登ってペリスティルまでやってきたのでした。とっても疲れた。

  宿泊ホテルは下の写真です。遺跡と一体化している、といいますか古代ローマ時代に

 ディオクレティアヌス宮殿であった部分がホテルに改装されているという感じです。  

  ホテルの名前は「ペリスティル」。あの広場と同じ名前です。旧市街の中にあるホテル

 の中ではかなりいいホテルみたいです。料金は朝食付きで1泊3.5万円ほど。円安ユーロ高

 のせいで高いですが、観光には申し分のない絶好のロケーションを考えるとリーズナブル

 なのかなと思います。

 

  時刻は午後7時過ぎ。夏時間のヨーロッパではまだ日が暮れるまで2時間くらいはあり

 ます。寝不足でお疲れのオッサンですが、ホテルに荷物を置いた後は、スプリット旧市街

 の観光に繰り出します。まだ寝るには早い。(実質「二連徹」になるで・・・by妻)

  ちゅうことで、次回に続きます・・・