2025年8月:クロアチア・オーストリアの旅 ⑨ 皇帝ディオクレティアヌスの怒り・・・?・
昨夜記事にした東急田園都市線の車両事故の件ですが、なんと深夜に復旧し今朝から
平常運転となりました。オッサンは迂回路線でオフィスに行くつもりで一時間早く起床
していたのですが、結果としてはいつも通りでよかったことになります。でも、混雑度
が酷いかもしれないし、徐行運転などでダイヤが乱れる可能性を考慮し、30分早く家を
出ました。その結果は、良い意味で肩透かしでした。平常ダイヤで運転可能になるよう
に夜を徹して関係者が努力されたものと思われます。(丸1日鷺沼と渋谷の間が不通で
鷺沼車庫に電車が満杯だったので、一昨日の深夜に移動できなかった電車を昨夜のうち
に動かしておく必要があったと思われます。)当たり前に電車が走っていることを改め
て感謝しなければなりません。電車が動かないと、オッサン宅の周辺は「陸の孤島」に
なりますからね。
さて、イマイチ盛り上がらない?クロアチアの旅行記の続きです。まぁ淡々と続けた
いと思います。
クロアチアのダルマチア地方(アドリア海沿い)の中心都市スプリットのディオクレ
ティアヌス宮殿跡を一通り歩いて観光した後は、遅めの夕食です。宮殿跡の旧市街の北
側ゾーンにレストランが集中していますので、そちらに参りました。しかし・・・
狭くて入り組んだ路地のところどころにあるレストランは、殆んどが既に満席です。
うわ、ちょっとディオクレィテイアヌス、ちゃう出遅れたかな。
(それ、私の決め台詞なんやけど。by妻)
午後8時過ぎはヨーロッパの方々にとっては夕食タイムのど真中ですからね・・・
失敗したな。しかもどのお店もちょっと、いやかなり値段はお高め。円安ユーロ高の
せいで日本人の財布にはひときわ厳しい状況ではありますが、どのお店も入口にある
メニューを見ると、メインディッシュは軒並み30ユーロ越え(5,000円以上)、パスタ
のようなものでも20ユーロはくだらない(3,500円くらい)のです。ある程度覚悟は
していたものの、まさか、こんな値段だとは。
ということで、旧市街の路地裏のレストランをあちこち覗きましたが、どこも値段が
高くてオッサンは躊躇しました。それでも欧米人でどこも満席近いので、待たなければ
なりません。ちょっと甘く見ていました・・・観光地ということもあり、しかも旧市街
のレストランは観光客相手のお店ばかりということで、コスパが悪いようです。事前に
調べていた「クロアチア在住日本人女性が紹介するコスパのいいお店」は、旧市街とは
いっても宮殿跡地より少し離れた場所にありますので、道に迷ってたどり着けなかった
り、食事をした後でホテルに戻れなかったりするリスクがあるので(どんだけ方向音痴
なんや?by妻)、断念しました。
その時、若いお姉さんに声をかけられたオッサン。あ、別に変なお店じゃないですよ。
(そら疑われるような奴が悪いな。by妻) ちょっと高級そうなお店(満席でした)の
向かい側にあるお店の方のようですが、ちょっと広めの庭にテーブルを出していて庶民
的な感じです。メニューの値段表を見ると、お、ちょっと安めに感じます。しかも空き
があります。お店選びが面倒くさくなっていたオッサンは、お姉さんに誘われるがまま
にその屋外テーブル席に案内されました。屋外テーブル席の7割くらいは、一応テント
のようなもので覆われています。ちょっと雲行きが怪しいので、念のためにオッサンは
テントの真ん中近くの席に座りました。まぁかなり空いていたのでね・・・
しかし、ここでオッサンは初歩的なミスを犯していました。そもそも、なぜこの店が
そんなに空いているのか。しかも目の前の高級そうで値段の高いお店が満席なのに。
そして客引き?をしているお店などは、この宮殿跡エリアではほぼないのに・・・冷静
に考えれば、普段のオッサンであればこのお店はパスしていたはずです。しかし、日本
を出発してから40時間以上寝ていないオッサンは、判断力も鈍っていたようです。
ただ、このお店ではワインの品揃えが良いようで(これも、実はクロアチアのまとも
なレストランであれば当然のことでしたが)、グラスワインも数種類あったので、最初
は「当たり」かなと思ってしまいました。
クロアチアは知る人ぞ知る高品質なワインの生産地なのです。イタリアの地中海沿岸
地域と気候条件などが似ていますからね。しかもコスパが非常に優れています。
オッサンはクロアチアのワインを味わうのは初めてでしたが、この旅行を通じて外れ
ワインには一本も遭遇しませんでした。普段飲み用のリーズナブルな価格帯のものでも
十分美味しかったです。国際品種のワインも多くありましたが、大半はクロアチア固有
品種のワインであることも興味深いです。残念ながら日本にはほとんど入荷されていな
いと思います。ワインヲタクのオッサンでも、見たこともない銘柄ばかりでした。
オッサンはまず、ワインリストを穴が開くほど見た後、クロアチア産の白ワインと赤
ワインをグラスで一杯ずつオーダーしました。ソムリエのあんちゃんは、料理を頼む前
からいきなり赤・白両方のグラスワインを注文するオッサンに驚いたようで一瞬怪訝な
顔をして注文内容を確認しましたが、まぁ酒好きのアホなオッサンなんだろうと納得し
て?、「わかりました」と言って戻っていきました。
早速出てきた白ワイン。ポシップという銘柄(品種名)で、クロアチア固有品種から
生産されます。かなり濃い色をしていて飲み応えがありました。でもなぜか後味はスッ
キリしています。一見重そうに見えて、口当たりは軽やか、でもやっぱり凝縮感があり、
にも拘らず飲み心地は爽やかです。(一体どっちやねん。by妻)
赤ワインは後から出てくるようで、先に料理が来ました。
吟味をしたうえで注文したのは、海の幸のパスタ(幅広麺のタリアテッレ)です。
クロアチアには近年になって対岸のイタリアの料理が浸透したため、本場イタリアに
劣らないパスタ料理(特に海鮮もの)が味わえるという事でしたので・・・しかし。
・・・不味い・・・いや、そこまで酷くはないが、期待していた味わいとは程遠い。
タリアテッレはややパサパサ気味、海鮮はエビとムール貝、アサリ。しかし、間違い
なく冷凍モノ。ソースが平打ち麺と全然馴染まず、ショッパイ。これなら日本のちょ
っとしたイタ飯屋のパスタの方がよっぽど美味しいです。
うーむ、これがクロアチアで初めて口にした食事だったのですが・・・失敗したぞ。
この後のメイン料理にはムール貝のワイン蒸しを頼んでいたのですが、このような冷凍
の不味いムール貝が山ほど出されるのではないか・・・そもそも海鮮パスタの具で一番
多いのがムール貝とは酷くないですかい?クロアチアではムール貝が大量に生産されて
いるので安上がりなのです。もっとイカとか小魚とかがたくさん入っていると思ってい
たのに。(ケチって安い店にしたからやろ。選んだ自分が悪いんやで。by妻)
にわかに渋い表情になったオッサン、ワインを飲んで少し気を紛らわせます。
その時、突然ゴロゴロゴロ・・・という音が夜空に響きます。屋外にいるので凄く
大きな音でした。見上げると、いつの間にかどす黒い雲が夜空を覆い始めていました。
あれ?と思ってスマホでスプリットの天気予報を調べると、午後9時から大雨の表示
です。しかも明け方までずっと大雨マーク。え~折り畳みの傘をホテルに置いてきて
しまったのに~ これは早く食事をしてホテルに戻らなければ・・・ということで、
不味いパスタを急いで平らげるオッサン(アホ)。
しかし雷の音はどんどん近づいてきます。その間隔も短くなりました。これはやば
くね? 宮崎にいた頃、ゴルフ場のコースを回っている時に雷が鳴り突然土砂降りに
見舞われた時の記憶が蘇りました。その瞬間、「ガラガラ、ドッシャ~~ン」という
ものすごい音がしました。このすぐ近くに雷が落ちたようです。うわ、マジでヤバイ。
屋外席で食事をしていた人たちも、一斉に立ち上がりザワザワし始めました。そして
いつの間にか空気がひんやりとし始めたかと思うと、案の定雨が降り出しましたよ。
それもいきなり土砂降りです。あっという間です。
屋外のテーブル席はテントの下にあったのですが、風が強くなってきて雨がテント
下まで横殴りに降りかかってきます。あっという間に周囲は水浸し、テーブル席にも
雨が入り込んで食事どころではなくなってきました。この間、僅か5分。クロアチアの
海岸部の夏はカンカン照りでほとんど雨が降らないという話でしたが、これはいったい
どういうことなの?
土砂降りの雨は激しくテントを叩き、周囲の石畳の道は水路のようになってしまいま
した。その間も雷は鳴り続け、何度か落雷がありました。近くで食事をしていた家族連
れの小さな女の子が泣き出してしまい、両親が立ち上がってぎゅっと抱きしめていまし
た。このままここにいては危険かも・・・
お店の人も店内に閉じこもっていてしばらく出てこなかったのですが、ようやく一人
のウェイターがやってきました。彼曰く、「もう食事はキャンセルされますか?」との
こと。お店の方もこれ以上営業したくないのでしょう。ただし、オッサンにとっても、
それは渡りに船。まだ出てきていないムール貝のワイン蒸をキャンセルして20ユーロを
浮かせることができました。どうせ美味しくないだろうし・・・
しかしそれで終わらないのが「がめつい」オッサン。「ちょっと待って。赤ワインは
ちゃんと出して!」とウェイターに頼んでしまいました。🤣
土砂降りの雨が降り、テントから雨漏りもしていてずぶ濡れになりかねないというの
に、それでもワインを飲みたいオッサン。😆
(もう呆れてモノが言えんな。一緒に行かなくて良かったわい。by妻)
ちゅうことで、渋々グラスの赤ワインを持ってきたウェイターのお兄さん。オッサン
は辛うじて雨漏りしていない席に移動して、急いで赤ワイン(クロアチア固有種のプラ
ディツ・マリという品種)を味わいました。ゆっくり楽しむ余裕はとてもありませんで
したが、まぁそこそこコクがあって酸味も果実味もあって豊かなワインでした。
それにしてもこの急な天気の激変はどういうことでしょう。週間予報ではスプリット
はずっと晴れマークだったのに・・・ひょっとして皇帝ディオクレティアヌスがお怒り
なのでは?と思ってしまいました。(そや。好き勝手なことばかりして反省をしとらん
オッサンを懲らしめているんやで。by妻)
一向に雨は止まず、雷も収まりません。屋外席にいた方々はみんな屋内の席に一旦
避難されましたが、オッサンは一人でワインを悠長に飲んでおりました。(アホ)
滝のように降り続く雨の中、傘を差さずに走っている人もいました。やはり傘を持って
いない人が多いようです。向かいにある満席のお店はどうなったかなと気になりました
が、既に電気が消えています。うーむ、逃げ足が速いというか、備えがいいというのか、
お客さんも早めに(おそらく食事も中止して)帰られたようです。
10分ほどでワインを飲み終えて、オッサンも狭い店内に避難しました。そこで20分
ほど雨宿りをしたのですが、もうこれは諦めてずぶ濡れでもいいから歩いて帰ろうと
思っていたら、なんとこれまた突然ですが、あれほど激しく打ち付けていた雨がピタリ
と止みました。何の反省もしていないオッサンを、ディオクレティアヌス帝がお許しに
なったとは思えませんが、本当に劇的に雷も風雨も収まりました。夜空を見上げると、
まだ真っ黒な雲が空を覆っていますが、上空に雲の切れ目ができていて、その間は雨
が収まっているようです。ということは、今のうちに急いで帰るしかないということ。
既に支払いを済ませているので、ディオクレティアヌス帝が再びお怒りになる前に、
慌ててホテルに戻ることにしました。時刻は午後10時過ぎ。街中のすべてのお店は既
に閉まっていますがショウウインドウの灯は付けてくれていたので、なんとか迷わずに
ペリスティル広場まで走って戻ることができました。(走ったんかい!by妻)
そこからホテルはすぐ近く。なんとか再び雨が降り出す前にホテルにたどり着きまし
た。ホッ。・・・ということで、この間は写真を撮る余裕なしでした。
ディオクレティアヌス宮殿の遺跡の一部を活用したホテル・ペリスティルの入口です。
テラス席がレストランになっていますが、やはり早々に営業終了していました。当然で
すね・・・ホテルの入口は夜遅くでも係の人がいてくれたので、助かりました。ホテル
は家族経営だと思うけれど、深夜時間帯は雇われた人が対応するようです。
やれやれ、食事を途中で切り上げるという酷い目に逢いましたが、空腹だったのも
疲れで吹き飛んでしまいました。40時間以上寝ていなかったので、バタンキューです。
ホテルの部屋の写真を撮るのも忘れてしまいました。旧市街の中にある小さなホテル
ですので室内が狭いのは仕方がないのですが、ロケーションが良かったのでまぁ良しと
しよう。(そんな偉そうなことを口走っていると、またディオクレティアヌス帝に怒ら
れるで。by妻)
ということで、長かった旅行一日目もようやく終わりました。シャワーを浴びた後は
すぐに寝入ってしまったのですが、夜通し強い雨が降り続いていたようでした。
翌日もフル回転の予定ですので、朝には雨が上がっていてほしい。
(ホンマに懲りん奴っちゃのう・・・by妻)
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