2025年8月:クロアチア・オーストリアの旅 ⑫ 大聖堂とパノラマ・・・続き
ちょっと間が空いてしまいましたが、旅行記の続きです。
あ、その前に・・・
注目の第19回ショパン・コンクールの結果が出ました。中国系米国人エリック・ルー
さんが優勝しました。ファイナルに残った日本人では、ダイナミックな演奏で注目され
ていた桑原さんが4位に入りました。期待していた進藤さんは入賞ならず、残念。
桑原さんは中1の時にショパンのソナタ第3番を弾きこなし、恩師も驚くほどの腕前だ
ったそうです。もう異次元の方ですね。入賞おめでとうございます。
ファイナルの映像が公開されていると思いますので、後日ゆっくり聴きたいです。
いずれにせよファイナルに残った11人はレベルはほぼ同じ。審査も大変だったことで
しょう。そして予備予選から第一次~第三次予選、ファイナルという長丁場を乗り切っ
た選手、ちゃう出演者の皆様お疲れ様でした。今後のさらなる飛躍を期待しております。
そして今夜はいよいよプロ野球の日本シリーズです。ホークスの先発は有原投手で、
タイガースはダブルエースの一人、村上投手です。ドキドキですが、プレイボールは
午後6時。その前にブログを書いてしまおう・・・(デーゲームだと思ったやろ。by妻)
さて、クロアチアの世界遺産都市スプリット旧市街のディオクレティアヌス宮殿跡に
建設された中世の大聖堂と、その鐘楼の見学の続きです。
お金を払ってしんどい思いをして高いところに自力で登るのは納得がいきませんが、
苦労して登った甲斐がありました。日本のお城もそうですが、急な階段ではお年寄りに
はキツイと思います。とはいえエレベータを設置するのも難しいから仕方ないですね。
さぁようやく最上階に着きました。
こちらは旧市街の南東側。少し前に散策で立ち寄ったスプリットの港と国鉄駅が見え
ます。その向こうは海、その背後にはおそらくアドリア海に浮かぶブラチュ島ですね。
最上階部分は、ぐるっと360度の展望ができるようになっています。しかしコワイ。
手すりにつかまりながら、へっぴり腰で写真やビデオを撮影しました。
スプリット旧市街の北側の城壁が見えます。手前側は旧市街(ディオクレティアヌス
宮殿だった部分)で、中世の赤レンガの街並みが印象的です。城壁の北側は緑あふれる
公園になっています。前日訪れたグルグール司教の像や、ちょっとショボかった(失礼)
ディオクレティアヌス・ドリームの施設はこの辺りにありました。
朝早い時間帯でしたので、この鐘楼に登って来る観光客は僅かでした。風がピュー
ピュー吹いてくるので長居をする人もいないため、じっくり写真撮影ができました。
パンダ君も連れてきました。(アホ)
なかなか美しい眺めですが、ちょっと滑りやすそうでコワイです。
最上階からの眺めを動画でも撮影しています。ちょっとカメラを動かすのが早すぎて
見づらいですが・・・(こら目が回るで~ by妻)
10分程最上階に滞在してから、螺旋階段を降りて地上に戻ります。実は登る時よりも
降りる時の方が外の景色が見えるのでコワイんですよね・・・と言いつつ、こんな写真
を撮影していました。😆 (ガラの悪いチンピラみたいやな・・・by妻)
大理石の階段はツルツルで滑りやすいですが、塔の上部分の階段は鉄骨と金属製なの
で、安全です。しかし足元から外の景色が見える(ガラス窓はなく、風が吹き抜ける)
ので、高所恐怖症のオッサンはアワアワしながらコワイコワイとつぶやきながら降りて
参りました。
この辺りまで降りてくればもう安心です。港が良く見えました。午後にはここから
アドリア海の島に向けて、船に乗って出かける予定です。
大聖堂のある二階部分に降りてきました。回廊のようになっていまして、古代ローマ
時代からのコリント式の頑丈な列柱の間に、無造作に石棺が置かれていました。中世の
時代には古代ローマ的なものの多くは破壊されてしまったのですが、あまりに量が 多す
ぎて、キリスト教徒どもが破壊しきれなかったものが残骸となって残っています。
大聖堂の建物の外壁にも、古代ローマ時代の残骸がところどころに残っています。
頑丈な造りのディオクレティアヌス帝の霊廟は、キリスト教の教会に転用できると判断
されて破壊されず、一部が転用されたことがよくわかります。
古代ローマ帝国末期には、ディオクレティアヌス帝によって迫害されたキリスト教
が公認されてしまったため(キリスト教会と結託したコンスタンティヌス帝の仕業)、
ローマ人の多くが信者になり、石棺にもキリスト教のマークが刻まれるようになりま
した。もちろんキリスト教に改宗したローマ人の墓で、破壊を免れていたのですね。
これで、最初の見学先である「大聖堂と鐘楼(塔)」の見学は終わりました。しかし
ディオクレティアヌス宮殿の有料見学ゾーンはまだ他にもあります。大聖堂内にあった
宝物や美術工芸品などは別の場所に移されて展示されています。次はその「宝物館」を
見学します。
しかし宝物館の場所が良く分からず、ウロウロしていたオッサン。仕方なく観光案内
所(ペリスティル広場の一角にあります)に行って窓口で尋ねたところ、「この建物の
奥が宝物館です」とのことでした。もう~ わかりにくいので、ちゃんと案内の看板を
出しておいてほしいな・・・
はい、当然この観光案内所や宝物館になっている建物も古代ローマ時代の遺跡の上に
建てられています。まずはその古代ローマ時代の遺跡の展示から・・・
皇帝の邸宅を飾っていたモザイク画や、神々や皇帝の彫像などのめぼしい芸術品は中世
にキリスト教徒に破壊されてしまったので、残念ながら古代ローマ時代の工芸品はわずか
です。それも残念ながらディオクレティアヌス帝の時代ではなく、キリスト教が公認され
た後の、キリスト教化したローマ人の造ったものです。まぁ面白いですが・・・
H.I.Cって確かキリストを称える略号だったかな・・・イタリアの大聖堂のモザイク画
などにもあったような気がする。
おぉ、これは宗教臭くない古代ローマっぽい彫像です。古代ローマ人は、名誉を重ん
じていたので、功成り名を遂げた人はいろいろな建造物や施設を国家や共同体のために
寄贈をしました。そしてそのことを記念碑にして称えるという文化がありました。一定
の財力・権力を持った人たちは、こうして自分の名誉を後世に遺そうとしたのです。
「個人の努力」を認めて後世にも伝える、というのは西洋文化の特徴の一つと思います
が、それは古代ローマ時代に始まったというのが通説ですね。
一方、こちらはキリスト教化した後のローマ時代末期の彫刻です。まだローマ帝国
時代の文化が残っていたこの頃は、工芸品・彫刻芸術も一定の水準を保っていました。
(この後、蛮族支配によって古代ローマ時代の文化的遺産が継承されなくなった西欧
は暗黒の中世を迎えますが、その頃のものは残念なレベルに転落してしまいます。)
古代ローマ帝国が消滅すると、西欧では安定した政治勢力がなくなり、このスプリット
のあるクロアチアにはスラヴ系蛮族が侵入し混乱の時代を迎えます。武器と腕力がモノを
言う、物騒な時代となったわけです。
一定の平和が訪れたのは、その蛮族が定住して元の住民と同化していった後のこと。
その頃にスプリットに大聖堂が造られ、司教区の街として発展していくことになった
のでしょう。
ここから後は、普通のキリスト教文化のもたらした工芸品となります。(オッサン。
急に関心が低くなったみたいやの・・・by妻)
羊皮紙に描かれた中世の書物、全て手書きですので大変です。非常に緻密な装飾画が
挿入されているのはこの時代の特徴ですね。
そしていわくつきの(失礼)聖遺物を収める器具も盛んに造られました。「信じる者
は救われる」じゃないけれど、これを有難がる善男善女が多かったのでしょう。そして、
その裏でボロ儲けしている悪どい奴がいたはず。まぁいつの時代もそうだよね。
お、宗教画もちょっとありました。東ローマ帝国の支配下にあったいわゆる東方教会
(後のロシア正教、セルビア正教もその流れを汲んでいます)では、長らく聖像崇拝が
禁止であったため、中世初期の絵画作品はほとんど存在しない(途中で解禁してイコン
と呼ばれる聖像画が沢山作られるようになりましたが)のですが、早くから西方ローマ
教会の傘下となったクロアチアでは、早い時期から宗教画が描かれていたようです。
お、面白いものがありました。大聖堂の前身、古代ローマ時代のディオクレティアヌス
帝の霊廟であった頃の様子を描いたもののようです。これを見ると、ほとんどそのまま、
大聖堂に改装されたように思えます。ベースの建築が頑丈で見事だったからですね。
古代ローマ時代のモザイクの破片もありました。大聖堂(皇帝霊廟)やベスティブル
(皇帝邸宅の前庭)と呼ばれている建物の天井には、素晴らしいモザイク画があったと
いうことですが、現在は残っておらずどんな絵柄だったかもわかっていません。
部分的に残っていたもののなかで、貴重なものだと認められたものがこの宝物館に
展示されることになったようです。しかしさほど数は多くありません。古代ローマ時代
の文化や暮らしを幅広く知るには、やはりポンペイとエルコラーノの遺跡が一番ですね。
本家ローマに残っているものも「残骸」と「残り物」でしかありませんから・・・
ということで、古代ローマフェチのオッサンにとっては、半分は興味深く、半分は残念
な見学となりました。(偉そうなことを言うたらあかん。これも貴重なんやで。by妻)
宝物館の見学後は、次の有料見学ゾーンに参ります。あと2カ所、見学できるのです。
長くなりましたので、続きは次回です。
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