Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2019夏:英国 ㉕ロンドン観光 ~バッキンガム宮殿~

   ロンドン随一の観光名所バッキンガム宮殿です。通常は衛兵交替式を見物するだけ
  で菅、夏の間は特別に宮殿内部を観光できます。しかしセキュリティ上の理由で写真
  を撮ることはできません。やや臨場感には欠けますが、すべて公式HPと私の購入した
  ガイドブックの写真で代用をさせて頂きます。
   これ ↓ は航空写真での宮殿全景です。そういえば行きの飛行機の窓からもよく見え
  ました。こんな構造をしていたのですね。公開されているのはこのうちごく一部です。

     

  現在の王宮の住人?は、エリザべスⅡ世女王と夫君であるエディンバラ公爵
 ですね。いつ頃の写真だろうか・・・でもお二人ともいまだ健在で素晴らしい。
     

    

  
  豪華なグランド・エントランスの赤絨毯の敷かれた階段(グランド・ステアケース)
 を登り、いよいよ王宮の内部に入ります。英国王室というかエリザベス女王様が今でも
 暮らしている場所なのです。お留守とはいえ(笑)、少々緊張してドキドキです。 
 あ、当時は気づきませんでしたが、中央の像はメデゥーサの首を掲げる英雄ペルセウス
 ですかね。 


  この大階段を上ると、一般公開されている大広間(ステートルーム)をいくつか見学
 できます。まずは「緑の客間」です。一体どこが緑なんじゃ、という突っ込みは無しで
 お願いします。よく見ると、壁の色や調度品に緑色が多いようです。まぁしかし、なん
 とも贅沢な調度品です。左側の飾り箪笥の上にはセーブル磁器が置かれています。
  しかし、これはまだほんの序の口でした・・・


  そして、コレ ↓が王座の間です。王室の重要な公式行事が行われる場所だそうです。
 玉座が二つあるので夫婦そろって座るのかな?


  続いて、王室ゆかりの絵画コレクションを見学します。普段は見られない英国王室
 コレクションの傑作が目白押しです。長い回廊に著名な画家の作品が展示されており、
 雰囲気も美術館の一部のようです。美術館よりもゆっくりと名画鑑賞が楽しめます。

  いろいろあってご紹介しきれませんが、代表的なものをいくつか掲載します。
 まずは17世紀フランドル(現在のベルギー北部&オランダ)の画家ルーベンスの作品
 「自画像(1626年)」です。 
  彼は古典的知識を持つ人文主義学者、美術品収集家でもあり、さらに七ヶ国語を話す
 外交官としても活躍し、(当時フランドルを支配した)君主であるスペイン王フェリペ
 4世からはもちろん、その仮想敵国?のイングランド王チャールズ1世からもナイト爵位
 を受けているそうです。それだけでも、十分彼の有能さがわかりますよね。

    

  そういえば昔、彼の故郷アントウェルペンにある「ルーベンスの家」を見学した時、
 妻に上記の「受け売り」解説をしたところ、「芸術家なのに凄い仕事もデキるなんて
 イヤなヤッチャなぁ!」と言っていました。どうも妻は、完璧で格好いい人は苦手で、
 ちょっとアホで抜けてる人とか、動物に似ている人がいいそうです。だから私かい!
  すみません、横道にそれ過ぎました。それにしてもこの余裕に満ちた自信家の顔が
 イイですね。でも人格的には温厚で愛妻家だったようですよ。そういえば(またか)、
 私はドイツ・ミュンヒェンのアルテ・ピナコテークにある自分と奥さんを描いた絵が、
 大好きです。ちょっと(森田)検索したらその絵が出てきましたので、さらに脱線を
 しますが載せちゃいます。「スイカズラの木陰のルーベンスと妻イザベラ・ブラント  (1610年)」(ミュンヒェン・アルテピナコテーク蔵)です。

    

  どうです、いいでしょう? 中期以降の肉感的な裸婦(あくまで当時は神話の登場
 人物)を描いたスケールの大きい作品とは違って、ほのぼの感?がありますよね。ん、
 こうして改めて見てみると、やっぱりちょっと格好つけている感じがあるかな? 
 でもこの最初の妻とは死別しちゃうんだよなぁ・・・なんとなく私もしょんぼり・・・ 
  おいオッサン、今回はバッキンガム宮殿の話とちゃうんかい?
  
  ハイ、そうでした。次の名作に参ります。
 スペインから独立直後の17世紀後半のオランダを代表する画家レンブラントの「アガサ・
 バスの肖像(1641年)」です。ちょっと訳アリの女性のイメージです(勝手な想像)。
 黒い窓枠の中に描かれた謎めいた年齢不詳の女性。よく見ると手に持った扇だけが窓枠
 からはみ出しています・・・何を象徴しているのか?

    

 そういえばレンブラントも愛妻家で、妻サスキアをよくモデルにしていたよなぁ。
 ハイ、感傷に浸っとらんで、次ィいかんかい!(by妻)
  最後に、この絵が目的と言っても良いくらいだった、世界で大人気かつ日本でも熱烈
 ファンの多い、これまた17世紀後半オランダの画家フェルメールの作品です。
 「音楽のレッスン(1665年頃?)」というタイトルで知られています。 

    

  フェルメールは若くして亡くなり、一時は忘れられた存在でしたが、今では世界中
 にファンが多い画家です。当時のオランダの市井の人々が暮らす室内空間を、ほんの
 一瞬を切り取ったかのような独特の構図で精緻なタッチで描写しており、その静謐な
 美しさゆえに現代人に受けているのかなと思います。しかし多作なルーベンスさんや
 レンブラントさんとは作品の数が比較にならない程少なく、現在彼の(高杉)真作と
 みなされている絵画は40点にも満たないという貴重な画家なのです。世の中には、
 「フェルメールの全作品をこの目で見ること(完全制覇)が目標」という方々も大勢
 いると予想されます。私もこの絵を見たことで、これまでに20作品以上は生で鑑賞
 したと思います。ただ大半が日本でのフェルメール展に出展されたもので、じっくり
 鑑賞するとは程遠い状況でした。
 この絵は彼の代表作とはいえないものの、(写真を撮れないので)穴が開くほど(笑)
 じっくり鑑賞することができました。


  すみません、ついつい絵画を紹介しようと思うと長くなりがちですね。宮殿内部の
 大広間の見学に戻ります。ひときわ豪華な舞踏室(ボール・ルーム)です。
 ちょっと!奥にあるのはパイプオルガンですかい? 飾りではなく実際に使用される 
 こともあるようです。ここでは女王主催の公式晩餐会や、叙勲式など由緒ある行事も
 行われる場所なんだそうです。こんなところにご招待されたら誰もが英国王室ファン
 になっちゃうよね。ちなみに公開されている部屋では最大の広さのようです。 

  
  お次は青の客間(ブルー・ドローイング・ルーム)です。ここも一見真っ青ではない
 のであれっ?と思いましたが、よく見ると調度品は気品ある水色系に統一され、壁面も
 青っぽいと言えば青っぽいです。しかし、それよりも目を惹いたのが豪華な色大理石の
 円柱です。ガイドブックに寄れば人造のものらしいですが、30本もあり、圧倒的でした。

 
 続いて、音楽の間(ミュージック・ルーム)です。宮殿の背面にある庭園に面した西側 
正面に位置する部屋だそうです。つまり、窓の外には街中の喧騒を忘れさせる広大な庭園
が眼下に広がっているということかな。ここも、人造大理石の円柱がアクセントになって
いますが、中央にぶら下がった豪華なシャンデリアにはびっくりしますね。少人数だけで
鑑賞する王室の私的な演奏会がここで開かれるのでしょうか?


  あまりに凄すぎてそろそろ書く私も(きっとご覧になられる方も)疲れてきましたね。
 最後に登場するのが真打ちというべき、公開された部屋の中で最も加齢、ちゃう華麗と
 言われる「白の客間(ホワイト・ドローイング・ルーム)」です。まぁご覧ください。

  確かに白っちゃあ白ですが、それよりもまばゆいばかりの金色の方が目立つ感じです。
 左下にあるのは、象嵌細工の巻き込み蓋付きのライティング・テーブルです。写真には
 映っていませんが、ヴィクトリア女王様のご注文なさったというフランスのエラール社
 製の金箔を施したピアノもありました。さすがは大英帝国最盛期の女王様、参りました。
  背面にデカデカと飾られているのが、1908年に描かれた王妃アレクサンドラの肖像。
 ヴィクトリア女王様の息子のお嫁さんみたいですが、デンマーク国王の娘でもあって、
 残された写真を見ても品格のある女性のようです。ヴィクトリア女王様や王位を継いだ
 次男の嫁とはソリが合わず、あまり幸福な生涯ではなかったようですが、こうして宮殿
 屈指のゴージャスな大広間に肖像画が飾られているので、今なお敬意を持って遇されて
 いるのかなと思います。


  そうそう、書き忘れました。大英帝国最盛期の偉大なる女王ヴィクトリア様と、彼女
 が終生愛し続けた夫君アルバート公、そして二人の子どもたちの絵が飾ってある部屋が 
 ありました。「夜会の間」です。どうやら夏の一般公開の時にここに飾られるようです。
 世界に冠たる大国を率いる女王と、それを支える(頭髪は怪しいが)イケメン高級貴族、
 たくさんの子宝に恵まれて(一見)平和そうな印象ですね。

 


  せっかちな私にしては異例なほどたっぷり宮殿内部を見学しました。それだけ見所が
 豊富で素晴らしかったという事かなと思います。夏の間の1ヶ月強しか公開されません
 が、日本の小学生の夏休みと重なるこの時期にロンドンを訪れるのならば、必見の場所
 といえます。
  入口と反対側から宮殿を出ると、広大な庭園と池が広がります。しかし観光客の流れ
 は宮殿外のトイレと、もう一つの場所に流れていきます。そうです、バッキンガム宮殿
 公式ショップです。バッキンガム宮殿オリジナルのお土産物はここで購入できます。 

  お土産品は王室公認グッズやガイドブックの他、お菓子や紅茶、文房具など盛り沢山 
 で目移りしてしまいます。日本人観光客もここではかなり目立ちます。(アンタも他人
 のことは言えんやろ。by妻)

  
 はい、やっぱり私には妻が乗り移っているのか?こんな ↓ ものを買ってしまいました。

 れっきとした王室ギャランティー商品?です。エッヘン。

 最後は島国同士で日英同盟(アホ)。

  
  最後に、ご参考までに宮殿の見取り図を載せておきます。ちょっと字が小さくなり、
 見づらくてスミマセン。 

  


  さすがはバッキンガム宮殿、今回はおかげで長くなりました。
 読んでくださった皆様、お疲れ様でした。