Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

いきなり鳥取県 ➁砂の美術館:チェコ・スロヴァキア編

   鳥取砂丘エリアには、近年できたユニークな観光スポット「砂の美術館」がある
  と聞いていたので、「鯛喜」さんでお昼御飯を食べた後に訪ねることにしました。
  砂丘近くの道を県道に向かい5分程下っていくと、県道へ合流する手前にあります。
   ここは、(鳥取砂丘の?)砂を使って作られたいろいろな有名な造形物を、毎年
  テーマを決めて展示しているところです。サッポロ雪まつりの砂バージョンみたい
  ですね。こちらの方は常に材料には困りませんが、やはり通年展示するには屋内に
  設置するしかないようです。でも、展示品入れ替え時を除いて一年中見られるのが
  観光客には有難いことです。
   さて、今年は第13回目のシーズンで、テーマは「チェコ・スロヴァキア」です。
  どんな展示なのでしょうか?気になります。バスの時間・列車の時間が気になりま
  すので急いで見学します。(またかいな、落ち着いて見られへんやん!by妻)
  もう入口の看板からして、砂の造形物です。

 
  入口で検温と手の消毒を済ませ、距離をあけて一人ずつチケット売り場に向かい
 ます。入場者も密にならないようにとても慎重です。もちろん建物(ドームのよう)
 は換気をしています。鳥取県はコロナ感染者が少ないので、観光客を迎えるにも十分
 配慮をしなければならないのです。見学させて頂く私たちはルール厳守が当然です。
  さて、順番待ちの末にようやく中に入りますと、うわ!

  いきなり目の前に砂でできたお城のような街並みが!これはすごいです。
 チェコ、スロヴァキアともに私は行ったことがありませんのでよくわからないのです 
 が、これは有名な観光地のチェスキー・クルムロフの全景なんだそうです。色がなく、
 モノトーンであるにも関わらず、素晴らしく本物のように見えます。(でもホンモノ
 は見たことないんやろ?なんでわかるんや?by妻)
  丘の上に立体的に築かれた中世の街並みを、砂だけでこのように描写できるとは、
 まさに驚きです。作るのにどれだけの労力と時間がかかったでしょうか?
  パンダ君も脱帽です。(アホ)

  建物や街並みだけではありません。チェコ(ボヘミア・モラビア地方)およびスロ
 ヴァキアの風景、彼の地の偉人、伝説や歴史的エピソードが、いくつもの砂像で表現
 されています。
  これ ↓ はボヘミアン・パラダイスと名付けられた展示で、奇岩で有名な景勝地なん
 だそうです。うーん、あまり良く知らないところだなぁ。3人の乙女?は、ラインの
 乙女みたいな妖精か?

 

  
  そしてこれ ↓ は、音楽家シリーズ。交響曲「新世界(大阪のじゃないよ)より」で
 お馴染みのドヴォルザーク、交響詩「モルダウ」で有名なスメタナ、一般人には少し
 なじみが薄いけどチェコを代表する国民的作曲家ヤナーチェクのお三方です。
  彼らは19世紀の中・東欧の民族自立の動きの中で、民族固有の音楽を取り入れたり
 して、国民楽派なんて呼ばれていたような気がします。しかし、オッサン3人組では
 あまり観光客の人気がないようでした・・・右のヤナーチェクさんはなんだかスター
 リンみたいに見えますわ。
 そのほか、「変身」で有名な作家のカフカ、宗教改革の先駆者「フス神父」、プラハ
 に住んだハプスブルク家の変人皇帝「ルドルフ2世」など、歴史的人物の肖像ないし
 彼らが登場する歴史的シーンなどもありました。

  歴史的エピソードでは、モンゴルの襲来から最近のビロード革命(民主化)まで、
 日本人には馴染みのないものも含めていろいろな展示がありました。面白かったのは
 コレ↓です。

  宗教改革者フスの時代から近世にかけて、カトリックによる新教の弾圧に抗議した
 プラハの民衆が、建物の窓から(弾圧側の?)人を放り投げる事件が頻発したらしい
 のですが、それを表現したものだそうです。登場人物たちは至って真剣なシーンなの
 ですが、なんか笑えるな・・・(ゴメンナサイ)


  そして一番のハイライトは、やはりチェコの首都プラハ随一の観光名所プラハ城の
 立体展示です。迫力のスケールです。

  手前はモルダウ(ヴルタヴァ)川にかかる有名なカレル橋、丘の上には建国の伝説
 に語られるチェコのルーツともいうべき壮大なプラハ城(というより城塞都市)が!
 細部までかなり拘って作られていますね。上のプラハ城の砂像の右手前側にもカレル
 橋が再現されていますね。いやぁ壮観です。
  
  一通り展示を見終わって三階に上がると、展示された砂像の全景が俯瞰できます。
 手前が中世都市チェスキー・クルムロフ、左手前が「蜘蛛に変身した人物とカフカ」
 奥に広がるのがプラハ城です。体育館みたいな広さの中に、ぎっしり見ごたえのある
 砂の彫刻が展示されていました。入場制限もあってか、内部はご覧のようにガラガラ
 に空いていました。


  いやぁ予想通り楽しい場所でした。3階にはミュージアムショップもありましたが、
 時間が足りずゆっくり見られませんでした。過去の作品の写真集とかもあったかもしれ
 ません。昨年はインド編だったようで、タージ・マハールや、マハトマ・ガンジーさん、
 マハラジャたちの豪奢な生活などが展示されていたのではないかと思います。
   
  出口(入口と一緒)のところには、製作スタッフを紹介する写真パネルがありました。
 前列中央が総合プロデューサーの日本人砂像彫刻家、茶圓(ちゃえん)さんです。
  世界各国からプロの砂像彫刻家たちが集まって、企画・製作をしてくれているのです
 ね。お疲れ様です&有難うございます!

 
  ミュージアムを出たところにあった建物の一階にも、お土産物屋がありました。
 そこでチェコ産のビールが売られていたので、思わず買ってしまいました。鳥取砂丘の
 お土産とは違いますが、まぁいいか。
  さぁ県道沿いにあるバス停まで急ぎます。鳥取駅行きのバスは14:09発です。所要20
 分として鳥取駅着は14:30頃。預けた荷物を取り出して、鳥取駅発の列車は15:09発。
 またまた大忙しですがな。(アホ)