師走の京都 ⑦大徳寺の塔頭その2 興臨院
大徳寺の塔頭シリーズの第二弾に参ります。通常は公開されていませんが、秋の特別
後悔ちゃう公開でオープンしている「興臨院」を見学します。京都の秋の特別公開は、
ほとんどが11月末、遅くとも12月第一週の週末で終わってしまいますが、ここは12/15
まで続いていましたので見ることができました。もちろん、この時期まで公開している
理由があるわけですが。
興臨院は1520年頃に、能登の守護畠山義総が創建、その法名を取って寺名を興臨院と
なりました。畠山家の衰退と共に荒廃しますが、天正9年(1581)に加賀の前田利家に
よって屋根の葺き替えが行われ、以後、畠山家に加え前田家の菩提寺ともなりました。
創建当時の姿が残る表門と本堂(唐門を含む)が共に重要文化財指定されています。
上の写真が表門です。私には龍源院の門と区別がつかないですけど。
こちら ↓ が本堂です。室町時代創建で、桃山時代以降の近世の方丈(本堂)建築より
屋根が低いのが特徴なのだそうです。これによって建物全体が安定感を持ち、優美に感
じられるといいます。そう言われてみると、そうかなという気になりますね。
そして、こちら ↓ が唐門(からもん)です。唐破風、檜皮葺で、室町時代の建築の
特徴をよく表しているそうです。波型の連子窓(中央の窓の上にある木の模様)や、
客待の花頭窓(中央の窓か?)は禅宗の建築様式のひとつなんだそうです。
ふーん、確かに特徴があって格調高い感じがしますね。
本堂(方丈)の前に広がる庭園です。1978年に方丈を再建した際に復元された新しい
ものだそうです。理想郷、調和の美を表しているようですね。安定感があります。
右後方の紅葉が見ごろの時だったらパーフェクトかな。
そして本堂(方丈)の北側に回ると、おぉ!
大きな楓が何本か植えられた庭です。まだ散り残っている鮮やかな紅葉と、苔と石の
庭の上に絨毯のように散ってしまった赤褐色の落ち葉に目を奪われます。そうか、まだ
これが見られるから公開期間を長く取っていたんですね。これは有難い。
こんな感じ ↓ で、とても絵になります。せっかちな私でも、しばらくここにとどまり
たくなってしまいます。
はい、パンダ君もね。(とどまるところを知らないアホ・・・)
もう一つ、ビジュアルという点では、こんなシーンも見られます。奥に見える庭には
立ち入りできませんが、遠くから居間?を通して見ることができます。屋内の展示品も
視覚的な効果を考えて配置されている気がします。
よく磨かれた木製の机に、庭の風景が鏡のように映っていますね。素敵です。きっと
これも演出の一部なのだと思います。やるねぇ、興臨院さん。
もう一つ、方丈の奥には有名な茶室があり、公開されています。
手前にある蹲(つくばい)は、かなり洒落た演出がされています。花弁が軸から離れて
いるように見えますので、山茶花でしょうか?
涵虚亭(かんきょてい)と呼ばれる茶室の内部です。 閉所恐怖症の私は、こういう
場所は苦手なので早々に退散しましたが、風流といえば風流かな。
うーん、ここも一見の価値あり。塔頭ごとに600円?取られるのはどうよ!と昔から
思っていましたが、今なら全然OKです。むしろ感謝。きちんと保存して後世に伝えて
欲しいと思います。なにせ、木と紙の文化ですから細心の注意が必要です。
明日は、大徳寺の塔頭シリーズその3、です。なんだか「世界の車窓から」みたいな
感じになってきたな。まぁ5分間の清涼剤になればいいけど。(いや、ウザイ。by妻)












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