師走の京都 ⑧大徳寺の塔頭その3 瑞峯院
大徳寺の塔頭シリーズ第三段は、通常公開されている瑞峯院(ずいほういん)です。
キリシタン大名として知られる九州・大分の大友宗麟が1530年頃に建てさせ、菩提寺と
したお寺らしいです。クリスチャンなのに?まぁそういうこともあるのかな?
表門はこれまた重要文化財、やっぱり四脚門になっていますね。室町時代のものです。
ここも庭園が見事です。方丈を中心として南・北・西の三庭からなっています。
いずれも現代になって作られた庭で、1961年の作だそうです。そんなに新しいのか。
まずは、方丈の正面にある独坐庭(どくざてい)です。蓬莱山(ほうらいざん)式の
庭園で、下の写真 ↓ の右側にある、刈込と巨石で表現された蓬萊山からのびる半島と、
少し離れたところに位置する石の小島、そこに打ち寄せる荒波を砂紋で描いています。
荒波の模様がかなり激しく波打っているようです。ちょっと大げさな感じがしますね。
蓬莱山の方から見るとこんな感じですね。
端っこのほうまで波が打ち寄せている感じです。なんとも動的な庭園ですね。
続いて、閑眠庭(かんみんてい)です。キリシタン大名・大友宗麟を偲んで作られた
という枯山水の庭で、ちょっとわかりにくいですが、7つの石組みが十字架を形作って
いるそうです。まぁ昔だったらそんなことはできなかったでしょうね。
ちょっと無粋ですが解説してみますと、庭に隠された十字架は下の図のようになって
います。なるほど、知的なお遊びといった感じですね。
もうひとつは茶庭(ちゃてい)と呼ばれるもの。青石を一面に敷きつめ、立手水鉢
(たちちょうずばち)を設けた斬新な茶庭だったということですが、近年改築されて
下の写真のように松や苔の植栽に飛び石という、典型的な茶庭になっているそうです。
後ろに見えるのが茶室ですね。
最後に方丈の中庭です。清々しいイメージの小さな庭です。石灯籠はキリシタン灯籠
と呼ばれ、下の部分が少し埋まっています。埋められた部分にはなんと「聖母マリア像」
が隠されているとのことです。
キリスト教が弾圧されていた時代、隠れキリシタンの人たちはこのようにしながら
信仰を続けていたのでしょうか? そのようなことを想起させる演出ですね。
ここの庭園は現代の作品ということもあって、いろいろな工夫・演出が仕込まれて
いるようですが、ちょっと鼻につくかなぁ。(アンタみたいやな。by妻)
残る塔頭は1つ。(本来公開されている「高桐院」がなぜか閉まっていたので。)
もうしばらく続きます。
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