Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

本人不在の誕生日・・・

  今日3月5日は、2013年9月に亡くなった妻の誕生日でした。本人不在で迎える空しい
 日ですが、それももう8回目になります。しかし、いつものように少しでも妻が喜ぶよう
 にと考えて準備をし、妻を偲んでおります。まぁ花とケーキと料理ぐらいですが。
  どこかで見ているとか、きっと喜んでいるとか、そのような確証はあるはずもないの
 ですが、そう思わなければただのオッサンの自己満足でしかありません。まぁ結局は、
 何か妻のためにしてあげないと自分の気が済まない、気が晴れないということですね。
 やれやれ、メンドクサイオッサンやのう。


  まずは、お昼休みに駅ナカの花屋さんで妻の好きそうな花を買いました。ちょうど
 ハナモモが売っていたので、妻の好きなピンク色で合わせようと思い、チューリップと
 スイートピーを買いました。さらにちょっと色が合わないけど、季節の花ミモザがあり
 ましたので2本だけ買いました(意外に値段が高かったので2本だけ。ケチ。by妻)。
 ミモザは昔、妻が買った鉢植えがあり、かなり大きく育っていたのですが、私が九州に
 勤務中で不在だった時にきちんと手入れができず、枯らしてしまいました。そのことに
 なんとなく罪悪感を感じておりまして、花屋で見かけた時につい買ってしまうのです。
  そしてお昼休みに駅ナカのケーキ屋さんで妻の好きそうなケーキを買ってきました。
 妻の分一つでいいのですが、いつも見栄を張って(お一人様だと悟られないようにか?)
 自分の分も買ってしまうオッサン。今日は平日でしたが在宅勤務だったので、午後3時の
 コーヒータイムで自分の分は食べてしまいました。(アホ)

    

  妻にはイチゴとピスタチオのケーキ(どちらも妻の好物)、私はバスク風チーズケーキ 
 にしました。バスク風チーズケーキはなかなか美味しかったな、買ってよかった。カップ
 はとっておきのアウガルテン磁器を食器ボードから久々に出して使いました。このペア・
 カップは新婚旅行でオーストリアのウィーンに行った時、アウガルテンの磁器工房まで
 出かけてそこのショップで購入したものです。(また自慢かよ。スミマセン。)
  これは妻が選んだもので、ビーダーマイヤーというシリーズのロココ調のものです。
 アウガルテンには同じ絵柄でもいくつかの異なるタイプがありまして、妻はこの優雅な
 シェイプで取っ手がおしゃれ?なカップがお気に入りでした。せっかくペアで買ったの
 に、今ではもう一緒に使うことがないんだよな・・・ま、こうしてたまには使うか。  


  さて、晩御飯にするか。
  昨日たまプラ東急で購入した、1年に一回のヒレステーキ120g。奮発しました。
 「一番小さいの!」って言うオッサン、ちょっと恥ずかしい。でもこの量で私には十分。
 あとはタリアテッレのミートソース、ホワイトアスパラガスのマリネ。
  お酒は妻の好きだったシャンパーニュのハーフ瓶。私が評価する大手メゾンの一つ、
 ローラン・ペリエのスタンダードキュヴェです。いつ開けても、間違いのない一本!


 そして赤ワインは、妻の誕生年1967年のイタリア・ピエモンテ州の銘醸バルバレスコ
です。生産者は今でも優良生産者として高名なチェレットさん。 
 恐る恐るコルクを開けようとしましたが、やはりボロボロになって失敗。天然コルクの
耐用年数は25年と言われていますので、その倍以上の時間を経たものは難敵です。途中で
ポキっと折れたうえに、底のほうは瓶口にべったりこびりついて剥がれません。最後には
ボロボロに崩れた屑がボトルの中に落下してしまいました(オーマイガ~ッ)!


 しかし、コルク屑をなんとか取り除いて味わうと、これは凄い。優れた古酒とはこういう 
ものなのか?淡いルビー色なので、もう厳しいかなと思いましたが、さにあらず。なんとも
妖艶で蠱惑的な香りが立ち上ってくるではありませんか!バルバレスコって、もっと強烈で
担任ちゃうタンニンが多くて渋くて重いっていうイメージでしたが、このワインは鳥の羽毛のような軽やかな舌触り。(オイ、鳥の羽毛を舐めたことあるんかい?by妻。イヤ、あくまでイメージね。byワタクシ)
 そして味は昆布だしの効いた液体キャンディ(なんのこっちゃ?)。余韻が長い長い!
こいつは凄い。これ、ボルドーの最上級ワインの飲み頃の感じにかなり肉薄しているわ。
値段はその1/10くらい。ものすごいお買い得かと思います。たぶん今から探してもなかなか見つからないかもしれませんが・・・探す価値あり。
 優れた生産者が作る銘醸赤ワインは、きちんと保管されていれば50年以上保つということです。購入店は店主がオタクの(失礼)、有料ちゃう優良ショップです。

    

  エチケット(ラベル)もちょっと楽しい図柄です。
 ボルドーの有名なシャトー・ムートン・ロートシルトみたいに、上部に絵を入れていま
 すね。この頃だけだと思われますが。 

      

 オッサン、奥さんの誕生日でしんみりしていたはずでは?
 まぁいつもこんな感じやで。私の誕生日なのかワイン記念日なのかわからんわ(by妻)。


 また一年が杉田玄白・・・こう見えてもオッサン、実はナイーブなんやで。


 追伸: 先ほど、妻の親友だった女性の方から妻の誕生日へのメッセージがありました。
 今でも覚えていて下さる方がいて、私も救われています。有難うございます!