Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2015年GW フランス・ドイツの旅 ⑭ブルゴーニュ公国の首都ディジョン

  T.G.V列車はパリ郊外を出てしばらく走ると、すぐに緑の麦畑と黄色の菜の花?畑が
 現れてそれが延々と続き、ディジョンに近づくと牛を放牧する牧場がその間にポツポツ
 と現れます。非常に単調な車窓風景です。フランスは農産国なんだなと実感します。
 T.G.Vは高速新線を走るので、途中に町らしい町もあまりなく、踏切もなく大草原の中
 を疾走していきます。途中どこにも止まらずに、定刻の19:30にディジョン・ヴィル駅
 に到着します。日本でいうと、東京の品川駅から静岡までひかり号に乗ってきた感じ。
 パリから300Km以上あるから距離的には名古屋に近いけど、ディジョンは静岡ですね。
 ブルゴーニュは葡萄畑ですが、駿河の国静岡はお茶畑です。(アホか)
  リヨンや南仏のマルセイユ、コートダジュールのニースに向かうT.G.Vはディジョン
 を通らず、高速新線をそのまま走り去っていきます。のぞみ号が停車しない静岡に、
 やっぱり似ています。(いつまでアホなことを言っとるんじゃ。by妻)
  
  ディジョンは、中世にはフランス王家よりも勢力が強かったブルゴーニュ公国の首都
 として文化の華が開いたところですが、公国の血統が途絶えフランス王国に組み込まれ
 てからは、パリに大きく水を開けられる地方都市になってしまいました。
 今ではブルゴーニュ・フランシュ=コンテ圏の主都であり、コート・ドール県の県庁所
 在地でもあります。
  さて、夜7時半を過ぎても夏時間(一時間時計の針を進めている)のヨーロッパは、
 まだまだ明るいです。日本のGWの時期でいえば、まだ午後4時頃の感覚です。駅近く
 のビジネスホテル(カンパニール・サントル・ディジョン・ガール)にチェック・イン
 をして、町の見学に繰り出します。このホテルは名前の通り(ガール=駅)、ホントに
 ディジョン駅のすぐ真横にあり、部屋はやや狭いですが清潔で、価格は良心的でした。
  このように ↓ 駅前広場に面していて、旧市街にも近いのでここはお勧めですね。



  さてまだ時刻は午後8時。観光名所は既に閉館していますが、明日はブルゴーニュの
 畑や生産者を巡りますのでディジョンの観光はこの時しかできません。どこにも中には
 入ることができませんが、陽があるうちに外観だけでも見学しようと思います。
  駅前の路面電車(トラム)は郊外に延びていて、旧市街に行くには使えません。でも
 旧市街は駅から近いので、徒歩で十分です。
  この近代的なトラムは最近開通したようですが、市街地に入ってくる自動車を少なく
 できますし、何よりエコというかCO₂削減にもなりますよね。ドイツ語圏や北欧に多い
 のですが、最近フランスの都市にも増えてきました。今後はぜひイタリアでも採用して
 頂きたいものです。古代ローマ遺跡や歴史的な建造物が、排気ガスのせいで酷い状態に
 なっていますので、イタリアこそ率先してトラムを導入してほしいです。)


  さてディジョン駅前からてくてくと歩いて旧市街に向かいます。
  旧市街の入口、ダルシ広場のギョーム門をくぐっていきます。
 (なんでパンダがおるんや? by妻)

      

  ダルシ広場からは放射状に道が伸びていて、どの通りも楽しそうなお店が軒を連ねて
 います。ここから目抜き通りのリベルテ通りを歩いて行きます。遅い時間なのでお店は
 閉まっていましたが、なかなかオシャレで楽しそうなショッピング・ストリートでした。
  写真は夕暮れのダルシ広場です。 


 さてディジョンの街を歩いていると、面白い道しるべがあります。これ ↓ です。 

   

  町のシンボルのふくろうが、観光名所に向かう道の歩道に埋め込まれ、観光客を案内
 しています。面白い試みですね。まず向かったのはノートル・ダム教会です。でも後陣
 からの写真しか撮っていませんでした。(アホ)
  13世紀後半、つまりブルゴーニュ公国が上り調子に向かう頃に建てられた、ゴシック
 様式の教会です。残念ながら内部は見学できませんでしたが、黒い聖母像で有名です。
 また建物の外壁のどこかに「幸福を呼ぶフクロウ」の浮彫が施されているそうですが、
 私は見つけることができませんでした。写真で見ると、みんなに撫でられてすり減って
 いましたけどね。(どっちみち「不幸を呼ぶ男」には縁が無いんや。by妻)

      

  リベルテ通りをまっすぐ行くと、突然視界が開けてきました。大きな広場と宮殿です。
 これこそブルゴーニュ公国の政治の中心、ブルゴーニュ大公宮殿です。
  ヨーロッパの宮殿はどこも大きくて横幅があるので、写真で全景を収めるのが難しい
 ですね。完全な形で美しく撮影するには専門のカメラ・広角レンズなどが必要です。
  ここは17世紀に改築されて外見はフランス的な宮殿になりましたが、内部に入ります
 とブルゴーニュ公国の最盛期だった14~15世紀の様子を良く残しているとのことです。
 しかし、当然ここも閉まっていて入場できません。歴代のブルゴーニュ大公の棺や装飾
 品を見ることができないので、宮殿の外観だけをじっくり見てきました。 

  宮殿の前はだだっ広い広場になっています。もう夜8時半を過ぎていますので、人通
 りは少ないです。でもまだ明るいですね。この日の日没は午後9時過ぎだったようです。

  ちょっと小ぶりのパンダ君を連れてきました。大公宮殿前でひと休みしています。

      

  宮殿前の広場の敷石は美しく磨かれていてまるで大理石のように思わせます。

 
  大公宮殿の周辺は旧市街でも古い町並みが残っていて、ブルゴーニュに典型的な色付
 きの屋根瓦の家が見えました。落ち着いていて静かで、いい雰囲気の路地ですね。

      


  屋根裏部屋の出窓の周りが、ユニークな彫刻で飾られているのが印象的でした。中世
 フランスの雰囲気ですね。ちょっと不気味だけどなぁ・・・


  最後に、ディジョンの大聖堂というべきサン=ベニーニュ教会に行きました。
 大公宮殿から、駅の方に戻っていく途中にあります。途中の通りは趣がありました。
 車道よりも歩道の方が広くて安全ですね。遅い時間でお店が閉まっているのが残念。 


  さぁ着きました。この教会はなんと10世紀の修道院が起源の歴史の古い教会です。ここ
 も見どころ(地下のクリプトにあるロマネスク時代の彫刻など)は内部にあるので見学が
 できません。外観だけ見学してホテルに戻ります。

      


  ディジョンの旧市街を小一時間程散策して、歴史的な建造物を外観だけ見学しました。
 この町の真価を知ることはできませんでしたが、中世の雰囲気が残る落ち着いた佇まい
 の美しい古都でした。またいつか来て、じっくり見学したいです。(無理やな。by妻)


  ホテルに戻ってもう午後9時半。シャワーを浴びて早めに就寝です。前の日の夜は、
 宮崎空港から飛行機に乗って羽田空港に着いたところでした(時差はあるけど)。
 なんという長い一日でしょうか・・・
  翌日は自分のための日。ブルゴーニュ・ワインの聖地、コート・ドール(黄金の丘陵)
 を日本語ツアーでめぐります。楽しみです。(結局、自分ファーストやんな。by妻)