Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2015年GW フランス・ドイツの旅 ㉛ストラスブール駆け足観光~大聖堂~

  アルザス地方の中心都市ストラスブールの駆け足観光を続けます。
  残りの時間でこの町の中心であるノートル・ダム大聖堂を見学します。ここは絶対に
 外せません。13世紀後半から建造が始まったというゴシック建築の大聖堂です。
  尖塔の上までの高さは142メートルもあり、とても普通のカメラレンズでは全体像を
 収めきれません。大聖堂前の通りの奥から撮影しましたが、とにかくデカいです。

     

 
  ん?でも塔が左側にしかなくて変な感じですね。右側にも建設予定だったのですが、
 地盤が弱いために断念されたそうです。まぁ巨大な石ですからね、重すぎて地面にめり
 こんでしまうと大変です。ピサの斜塔や、北ドイツのリューベックにあるホルステン門
 みたいに傾くと危ないですからね。なんせ教会ですから、傾いてはまずいのでしょう。
 ということで、基部の上に片側だけ尖塔が追加されたみたいな面白い感じの外観になり
 ました。面白いことが大好きな妻が見ていたら、きっと喜んだと思います。


  大聖堂前の広場からでは全景が写真に撮れません。見上げるようにして、基部中央の
 バラ窓付近を撮影しました。フランス・ゴシック建築の傑作です。その建築様式の本場
 である北フランスのゴシック式教会は灰色がかった色が多いですが、ここのは柔らかい
 黄土色ですね。少し赤みがかっているようにも見えます。この地方の土地の色ですね。
 ヨーロッパの街の建造物は、おおむねその土地の石で作られますので、その土地の色が
 反映されると聞いたことがあります。まぁそこにあるものを使いますからね・・・
  調べたら、この教会で使われた石は、近くのヴォージュ山塊の赤色砂岩だそうです。


     

 正面(ファサード)には、よく見ると細かい彫刻や浮彫がびっしりと施されています。

  ちょっと拡大してみます。入口付近は特に手が込んだ装飾がなされていますね。一つ
 一つが素晴らしい芸術品ですが、あまりに細かくて見るのが疲れます。 
  上の方が切れてしまいましたがバラ窓の下に聖母子像、その下にソロモン王の玉座が
 あります。玉座の左右の階段?には6匹ずつの獅子像がありました。なんだかカワユイ。
  その下の方はもうゴチャゴチャしていて何が何だかわかりませんが、聖書のいろいろ
 な場面を浮き彫りにしているようです。十字架を運ぶキリストや、最後の晩餐のシーン
 が浮き上がっています。凄いけど、これを作るのは根気が必要だったでしょうね。
   

      


  入口の青銅の扉の間には聖母子像が、青銅扉の左右には聖人像が飾られています。
 一つ一つをじっくり見ていたらとても時間が足りません。


  アーチ状になったところにも細かい彫刻が飾られています。悪魔をやっつける大天使 
 ミカエルのようです。踏んずけられた怪物?悪魔?が妙にカワイイですね。

      


  ウィキペディアに載っていた大聖堂全体の写真です。広角レンズを使って撮影したと
 思われます。 中央のバラ窓がとても大きく、重心が低くて圧倒されるような感じです。

    


  さて急いで内部を見学します。ゴシック様式の教会らしく、アーチ状の天井はとても
 高く、内部は広々とした空間になっています。観光客がたくさん押しかけており、その
 話し声が響くので、少々やかましいです。 

      

 このような ↓ 静かな時に行きたかったです。(あんたも大勢の観光客の1人やで。by妻)
  私の下手な写真では広さが良くわかりませんが、こちらの写真だとスケールの大きさ

 がわかります。障壁がないので、入口から奥の主祭壇まで見渡せます。

  パイプオルガンが独特の装飾でした。鳴らしているところを聴きたかったです。

     

 
  正面(西側)にあったバラ窓のステンド・グラスです。16枚(32枚?)の色ガラスの
 花弁で彩られ、落ち着いた色合いでとても美しいです。ちょっとピンボケでスミマセン。

   

  私のデジカメの失敗写真だけではこの良さが伝わらないと思いますので、ちゃんと
 した写真を載せておきます。本当に素晴らしいです。(こういうふうに撮れ。by妻)


  奥の方(東側)の祭壇は、この大聖堂がロマネスク様式で建設が始まった13世紀後半
 頃のもので、一番古い部分だそうです。小さな出窓のようなステンドグラスと、壁一面
 に飾られている壁画が独特です。これまたひどいピンボケ写真でスミマセン。 

      


  きちんと撮影できると、こんな ↓ 感じです。確かにロマネスク風の雰囲気ですね。
 壁画は修復されたものなのか、金ぴかです。中央に聖母戴冠の様子が描かれています。


  身廊の壁面にはステンドグラスがはめ込まれ、聖堂内に光を呼び込んできます。
 とても細かく精緻な作品です。初期の頃はキリストの生涯や聖書を描いたものばかりで 
 あったと思われますが、いつ頃からか皇帝や王様のステンドグラスも登場しました。

  そうか、ストラスブールは神聖ローマ帝国(中世ドイツ)の一部でしたので、皇帝に
 「おべっか」を使う必要があったのかもしれません。(処世術ってやつやな。by妻)

   

 
  ステンドグラスのすばらしさに気を取られ、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
 実は私、ここで大きなミスをしてしまいました。なんと、この大聖堂で最大のみどころ、
 「天文時計」と「天使の柱」、さらに「説教壇」を見逃していました。なんたる失態!
 個人旅行は自由気ままでいいけど、たまにこういうことをやらかします。


  これはもう一回来ねばなるまい。いつか再訪できますように!
  ガイドブックの写真だけ載せておきます。左側が16世紀に造られた、からくり時計の
 「天文時計」、右側が「天使の柱」です。ちゃんと見て来ればよかったな・・・

  天文時計の全体像です。これまたものすごいこだわりの作品のようです。

        

  
  大聖堂の見学だけで、30分近くかかりました。もう少し時間があれば、かのゲーテも
 絶賛したという展望台に登って街の景色を一望したかったのですが、そんな余裕は全く
 ありませんでした。ストラスブール観光2時間なんて、完全に舐めていました。申し訳
 ございません。だから大事なところを見逃してしまったんだな・・・
  さぁ、残りはあと1時間。昼食がまだでしたので、大聖堂周辺で軽く食事をしてから
 ストラスブール駅まで戻ります。(間に合うんかい?by妻)