2015年GW フランス・ドイツの旅 ㉝ 温泉保養地バーデン=バーデン
ストラスブールを午後早くに発ち、列車でドイツに向かいます。ほどなくフランスと
ドイツの国境となるライン川を渡りますが、急に列車はスピードを落とし、ライン川に
架かる橋をゆっくりと渡ります。見ると、どうやらここだけは単線のようです。
おそらく歴史的にフランスはドイツとの国境にはかなりの警戒をしていたと思われます。
EUになり、国境のパスポートコントロールもなくなり、人々の往来や物流が劇的に増え
た今でも、パリからストラスブールを通ってドイツ(フランクフルトやミュンヒェン)
に向かう列車が通る鉄道が、国境付近で単線となりノロノロ運転になるとは・・・
ライン川はかなり上流地点になりますが、さすがの大河、川幅は広く感じました。
ストラスブール(ローマ時代初期はアルジェントラーテと呼ばれていた)にはローマの
軍団基地が置かれ、ライン川を越えて侵入してくる略奪者(ゲルマン民族)を撃退する
前線基地だったそうです。かのユリウス・カエサルは、蛮族との国境を大河とする考え
だったようで、彼の後継者である歴代ローマ皇帝もライン川(とドナウ川)の国境沿い
の警備を最重要視していたとのこと。ライン川左岸のローマ帝国側には、ケルン、ボン、
マインツ、ストラスブールと軍団基地や駐屯地が数珠つなぎに並び、鉄壁の防御態勢を
敷いていたということです。(ちなみにドナウ川では、ウィーン、ブダペシュト、ベオ
グラード、ソフィアといった、中・東欧諸国の首都が全てローマ帝国の軍団基地ないし
物流の中継地点が起源だという事です。)
・・・また西洋史オタクの癖が出てきよったな。(by妻)
参考までにかなり大雑把なものですが、ライン川周辺の白地図を載せておきます。
真ん中の流れるような曲線がライン川です。スイスのバーゼルあたりから本格的な
大河となり、ストラスブール付近まではドイツ・フランス国境付近を流れています。
さてライン川を渡り終え、大きく左にカーヴしてライン川右岸のドイツ側の幹線鉄道
に合流すると、T.G.Vはたちまちスピードアップして高速列車の本領を発揮します。
この路線はスイスのバーゼルから(黒い森:シュヴァルツヴァルトで有名な)フライ
ブルクを通ってカールスルーエ、マンハイム、マインツ、ケルンへと繋がる大動脈です。
ここにはドイツの誇る高速列車I.C.E(イーツェーエー:インターシティ・エクスプレス)
が頻繁に走っており、とても便利です。
ストラスブールから約30分で、早くも目的地に到着しました。バーデン=バーデン
駅です。その名の通り(直訳すると「温泉・温泉」)ヨーロッパ有数の温泉保養地です。
オッサン、ヨーロッパまで来ても温泉かいな・・・(by妻) いいの!
人口5万人強の街ですが国際的な知名度は高く、I.C.EやT.G.Vなどの高速列車も数本
停車します。落ち着いた雰囲気の駅でした。午後2時30分、小雨が降っていました。
バーデン=バーデンの街は駅からかなり(5Km)離れていますので、タクシーで
今夜のホテルまで参ります。バスもあったけど、乗り間違えたら大変だしね。
約15分程、平坦な町中を抜けて緑深い川沿いの坂道を登りきったところ、街の中心
レオポルト広場に到着します。この辺りには洒落たお店や高級ホテルが並び、優雅な
雰囲気です。さすが高級保養地といった感じです。しかしスノッブな感じは皆無で、
洗練されていて落ち着いた街並みです。大人の街っていう感じね。まぁ温泉保養地だ
から当然かな。老人ばかりかと思いきや、意外に若い人(といっても30代以上かな)
や家族連れもいます。ここなら一人旅でも問題はなさそうです。
町の中心部には温泉が湧き出ている噴水がありました。
さて早めにホテルにチェック・インして寛ぎます。街の中心レオポルト広場からほど
近い、オース川に沿ったやや高級なホテル・アトランティック・パークに宿泊します。
通常、ヨーロッパの温泉保養者は最低でも1週間、通常は2~3週間滞在して、温泉や
保養施設で療養するのですが、東洋人の貧乏暇なしオッサンは当然一泊だけです。
まぁフランクフルトやストラスブール、バーゼルなどを訪れたビジネス客も来たりする
ようですので、一人旅の短期滞在者もそれなりに居るようです。
ホテルのエントランスはこんな ↓ 感じでした。ちょっと期待が持てそうです。
部屋はちょっと狭いシングルですが、小さいながらもベランダがあります。
あれ?もうパンダ君たちが寛いでいますね。(ここまで来てもやるんか。by妻)
ベランダに出るとこんな ↓ 感じです。すぐ下をオース川が流れていました。お隣さん
が近いので、ベランダで出会ったらご挨拶をしないとね。
小さいながらもテーブルと椅子があって、眺めを楽しみながら寛ぐことができます。
うん、ビールかワインを飲みたくなるね・・・(また、そこか・・・by妻)
ベランダからは正面に劇場が見えます。この街は(裕福な)長期滞在者が多いため、
療養施設だけではなく、エンターテインメントの面でも充実した設備を整えています。
後ほど街を散策する時に見学したいと思います。
たった一泊ですが、ヨーロッパの一流温泉保養地の様子を少し垣間見ることができる
と思います。部屋で少し休憩してから、ちょっと身なりを整えてバーデン=バーデンの
街を観光(体験)に出かけます。続きはまた次回。(ケチ。by妻)
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