Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2015GW フランス・ドイツの旅 ㉞バーデン=バーデンの温泉施設

   南西ドイツにある、黒い森(シュヴァルツ・ヴァルト)に近い世界的な温泉保養地
  バーデン=バーデンの記事を続けます。
   ホテルを出て、まずはこの町の代表的な施設を訪れます。オース川に沿った緑豊か
  な緑地に瀟洒な白い建物が見えます。ここはこの町の社交の中心ともいうべき場所。
  クーアハウスとカジノです。小さなコンサートホールや休憩室、レストランなどの
  施設と、カジノが併設されています。長逗留する湯治客が社交を楽しむ「ハレの場」
  なのですね。夜には着飾った大人の男女が、優雅に上品に余暇を過ごすのでしょう。  

  カジノのドアはもう開いていましたが、気の小さいオッサンは入ることができません
 でした。ドイツ語も英語もできないし・・・(そんなんで、ようこんなとこまで一人で
 来るのう、オッサンは。by妻) お、まだ午後3:20ですね。


  クーアハウスの少し先には「トリンクハレ」、つまり飲泉所があります。ヨーロッパ
 の温泉保養地では、温泉浴だけでなく飲泉(温泉のお湯を直接飲むこと)も盛んです。
 もっとも1回飲んだだけでは効能は期待できず、定められた量を何日も続けることが

 重要なんだそうです。もちろんぶらり一人旅のオッサンは、一杯試すにとどまります。

  飲泉自体は無料ですが、それを注ぐコップは有料(詐欺か!)。まぁ保養で来ている
 方はマイカップを持参するのが普通なのでしょうね。ミネラル分を含む、ちょいと苦み
 のある微妙な味でした。この建物の内部にもカフェや休憩所があり、とにかくゆったり
 としています。せせこましいオッサンには逆に落ち着かない感じ。
  
  この後はオース川を渡って市街中心部に戻り、賑やかな通りを抜けた先にある、この
 街で最も有名な温泉保養施設「フリードリヒ浴場(バート)」に向かいます。
  堂々とした石造りの立派な建物で、ちょっとした宮殿のような造りをしています。

  ここは古代ローマの浴場(テルマエ)を参考にした、由緒ある総合温泉施設です。
 1877年に完成し、ヨーロッパでも屈指の歴史と規模を誇る浴場だそうです。日本のスー 
 パー銭湯とはちょっと違いますよ。(当たり前やん。by妻)


  当然ながら内部は撮影禁止ですので、パンフレットやネットの公開写真から引用させ
 て頂きます。実際に私が体験した雰囲気とは少し違うように思いますが、参考までに。


  まずはパンフレットにあった案内図のコピーです。左右対称になっていて、男女別に
 入口があり、同じような設備が整えられています。真ん中の温泉プールは男女共用で、
 どちらからもアクセスできるようです。
  ん、右上の説明文を良く見てみると、月曜、木曜、土曜は男女別ですが、その他は
 混浴と書いてあります。今日は・・・残念ながら月曜日です(オイ!by妻)。でも、
 真ん中の⑩・⑪のプール?は除く、と書いてあります。すると、このエリアは今日も
 混浴ってことですね・・・(オッサン、ヤラシイことを考えてるな。by妻)  

  ということで、男性用入口から入場します。実はインターネットでチケットは購入済
 で、ベーシックコース(3時間、マッサージ無し)で25ユーロ(当時約3,500円)で
 した。まぁ結構なお値段ですね。ブラシマッサージ(タワシ付きモップでゴシゴシ洗っ
 てもらう垢すりコース)やクリームマッサージ(ボディケア)コースもありましたが、
 西洋人の肌に合わせた過激な?サービスだというので、お肌の弱いオッサンはパス。
 通常の温泉浴だけにしました。
  メイン・エントランスの先にはこんな大階段がありました。ここで、左右(男女)に
 分かれて入場します。


  着替えコーナーで衣服を脱ぎ、全裸でお風呂に向かいます。実はヨーロッパの温泉は
 (キリスト教の影響からか)原則水着着用で、他人に全裸姿を見せないのが普通ですが、
 ここは古代ローマ式に従って全裸で温泉に浸かることができる、数少ない施設なのです。
 オッサンは日本の温泉に慣れ親しんでいるので、水着を着て温泉に入るのはどうしても
 違和感というか抵抗がありましたので、このやり方のほうが有難いです。いざ!


    ローマ式バスという触れ込みなので、随所にこういった ↓ 古代ローマを思わせるよう
 な装飾品が飾られています。雰囲気盛り上げ用品、ですね。


  着替えコーナーはこんな ↓ 雰囲気でした。扉の向こうに、クリーム・マッサージ用の
 スペースが見えます。確か、どのコースのお客かを判別できるリストバンド?のような
 ものを付けているので、スタッフの方もそれを見てサービスする人を確認しているよう
 でした。オッサンはベーシック・コースなのでここは素通りです。  

     

  ドイツ人なのか、西洋人の毛むくじゃらの大男のオッサンが、素っ裸でうろうろして
 いる見苦しい通路を抜けて、温浴コーナーに参ります。この日は珍しく?東洋人は皆無
 で、ドイツ人のオッサンたちは私を物珍しそうに見ていました。クマの集団のなかに、
 おサルさんが紛れ込んでいるの図・・・かな。順路に従って素っ裸で歩いていきます。 


  スチーム・バス(45℃)はじんわりと温かく、気持ちよくて眠くなりそうです。
 タイルの壁画も古代ローマの装飾画のようです。


  スチーム・バスもいいけれど、早く普通のお湯に浸かりたいオッサン。さっそく湯船
 に浸かりますが・・・ぬるい。上の図で⑨の普通のお湯ですが温度は36℃。体温とほぼ
 同じです。でも、これがヨーロッパの普通なんでしょうね。日本の温泉とは違いますな。
 ちょっと温度が高めの温水プールのような感じ。
    なお、この写真は宣伝用です。こんな美男美女はいませんでしたので、念のため。

 

 
  そして、中央部の男女兼用の温泉プールに向かいます。ぱっと視界が開けて、下の
 写真のような豪華なプールが現れました。ここは水温28℃なので、もう湯船ではなく
 プールみたいですね。そうなると全裸よりも水着着用のほうがいい感じですが・・・

  天井はドーム型になっており、古代ローマのパンテオンのような感じです。ゲイ術家
 皇帝?と言われるハドリアヌス帝(映画『テルマエ・ロマエ』に出てきたローマ皇帝)
 のアイデアと言われるパンテオンこそ、古代ローマ精神の真髄ともいうべき傑作ですの
 で、それにあやかったのでしょうか。

    

 
  そうだ、ここはミックス・ゾーン(混浴)だった。よく見ると、若い男女のカップル
 がプールサイドで抱き合っていました。チューしていました。西洋人はこういうことは
 人前でも全然平気なんですね。見ているこっちの方が照れてしまいますよ。
  そして、女性ゾーンの方から甲高い女性の声がしたと思ったら、若いお姉さん3人組
   が現れました。うわ! 言葉はよく理解できませんが、どうやらロシア語のようです。
   ロシアからこんな若いお姉ちゃんが遊びに来るんだなぁ・・・しかしその他はオッサンが
   数人現れたのみ。結構な広さですがかなり空いていて、日本のスーパー銭湯とは大違い。 
 しかしやっぱり混浴はちょっと落ち着かないです。水温も低いので、裸でプールに入って
 いるみたいな感覚で少々違和感がありました。まぁ古代ローマの浴場でも、通常の温度の
 浴槽の他にこのような低温のプールがあったようなので、これが正統なのでしょう。      
  なんだかゆっくり温泉を楽しむという雰囲気にはなれませんでしたが、もう一度36℃
 のお風呂に浸かってから、シャワーを浴びてスタッフの方にバスタオルとバスローブを
 借りて、リラクゼーション・ルームに行きました。

  上の写真のような、デッキチェアの並ぶ明るいコーナーもありましたが、私は仮眠室
 のような、電気を落として薄暗い休憩室に入りました。バスローブ姿のトドのような?
 オッサン達が寝台の上に寝転がり、高いびきをかいている人がたくさんいました。
 一瞬、ひるみましたが皆さん気持ちよさそう。私も空いている寝台の上に横になって、
 しばらくウトウトしました。いやぁ極楽ですね。でも3時間制限のコースなので、寝過
 ごしては大変。30分ほどウダウダしてから、着替えゾーンに戻りました。
  この後、別料金でシャンパンやワインを片手に軽食を取ることもできますが、時間が
 ないですし、この日の夜は別の予定がありますので、このまま退場となりました。
  このフリードリヒ浴場は、スーパー銭湯のような庶民的なノリはなく、優雅で奥行き

 のある娯楽施設という感じがしました。たった少しの時間での体験に過ぎませんでした

 が、ヨーロッパ社会の豊かさ、余裕といったものを垣間見た思いです。
 値段は確かに高いですが、十分その価値はあります。


  さぁ、サッパリしたところで、夜の準備にかかります。(次はなんや?by妻)