聖徳太子と法隆寺展 ~その2~
今日も絶望的な暑さでしたね。こんな猛暑の中でオリンピックというのも大変です。
1964年の時のように10月にすればよかったのにね。米国中心の商業主義に毒された、
イヤ依存した以上、仕方はないけどね。金を払ったものが勝ちだと・・・やれやれ。
そんなことを言っておきながら、始まったらテレビで感染、ちゃう観戦しますけど、
たぶん。勝手なもんやな、オッサンは。(by妻)
気分転換に、キンキンに冷やした金麦(2021夏限定:香り爽やかエールタイプ)を
飲みながら、先日の聖徳太子と法隆寺展の続きの記事を書きますか。
今回は仏像や仏具などの写真ばかりなので、一般の方はあまり楽しくないかもしれま
せんが、悪しからずご了承ください。
最初の見どころは、平安時代に造られた聖徳太子の木像坐像です。(再掲)
この展示会は写真撮影禁止ですので、購入した図録(2,800円!分厚くて重い)からの
写真を掲載します。
この聖徳太子像は平安時代の彩色木像彫刻で、国宝に指定されています。製造年は
1,122年と図録の解説にありましたが、そこまでわかっているのですね。平安時代末期、
戦乱の世を憂う人たちが、聖徳太子の治世に憧れて作ったのでしょうね。ほぼ等身大。
驚いたことに、この木像の中には小さな観音菩薩像や経典の巻物が隠されていたと
いうことです。どうしてそんな芸の細かいことをしていたのでしょうか?
そして面白いのは、この聖徳太子の周りに4体の侍者像があるのですが、それらの
像は大変ユニークな(オモロイ)表情をしており、謹厳な太子像とは対照的なのです。
下の写真はそのうちの2体、左側が太子の息子のひとりである卒末呂王(そまろおう)、
右側が恵慈法師です。いずれもヒノキ材を用いて作られており、国宝です。
そのほかにも聖徳太子の幼い頃の木像彫刻や絵画がいくつか展示されていました。
こちらは、太子が二歳の時の像だそうです。二歳でお経を唱えたという伝説に基づく、
鎌倉時代の木像でヒノキ材の寄木造です。しかし幼少の頃に凄いことをしたというのは、
なんだか某国の将軍様のような逸話ですね。まぁ太子の場合は後世の方々の脚色だとは
思いますが、某国の将軍様は現存の方ですからね・・・
そしてこちら ↓ は太子16歳の頃の像だそうです。父親の用明天皇が病に倒れたとき、
香炉を捧げて病気平癒を祈ったという、これまた伝説に基づくものです。こちらは青年
ですから、そのくらいのことはしたと思います。
ちょっと物憂げな表情が印象的ですね。こちらも鎌倉時代の作品で重要文化財です。
同じ逸話を描いた絵画もありました。これも鎌倉時代の作品。ふっくらした女性みたい
に見えますね。下に配置された童(わらべ)たちがカワユイ。
そのほか、太子が建立させたという法隆寺に伝わる寺宝がたくさん展示されています。
まずは中国の唐(もしくは朝鮮の新羅)から伝わったと思われる古代の工芸品です。
元々法隆寺にありましたが、今では東京国立博物館に献納されています。
左から「水注(すいちゅう)」、「匙(さじ)」、「墨床(ぼくしょう)」と呼ばれ、
いずれも金銅製、国宝です。どうやら墨で書き物をするための道具セットのようです。
墨床は刷りかけの墨を置く台、水柱は墨を解く水を入れたもの、匙は水注から水を掬う
ためのものと想定されています。聖徳太子の時代からは少し後の頃のようですね。
続いては「じゃく尾形柄香炉(じゃくびがたえこうろ)」と呼ばれる工芸品です。
真鍮製で、6~7世紀頃の朝鮮(新羅・百済・任那の三国時代)から伝わったものと想定
されています。これも法隆寺から国立博物館に献納された国宝です。独特の形ですね。
次は「竜首水瓶(りゅうしゅすいびょう)」という名の水差しです。見ての通り、頭
が竜の首の形をしている非常にユニークな工芸品です。このような下膨れの胴体に長い
頸(くび)を付けた水差しは、ササン朝ペルシャから中国経由で伝わったものと言われ
ています。中国では「胡瓶(こへい)」と呼ばれていたそうです。
この銅製の水差しは、そうした異国の工芸品を真似て作られたもののようで、太子が
活躍した飛鳥時代の作品と言われています。これも法隆寺から国立博物館に献納された
国宝のひとつです。法隆寺にはいったい、いくつ国宝があったのでしょうね。
さらに、仏具といいますか、仏事に使う装飾品もたくさん展示されていました。
仏教美術に詳しくないオッサンですので、図録の解説の受け売りを続けます。
まずはこれ ↓ です。なんじゃこれ?
これは、貴重な経典を収めるための「竹厨子(たけずし)」だそうです。7~8世紀頃
の制作と思われ、スズタケ材を隙間なく並べて作られています。風通しが良いので貴重な
経典の保存に用いられたのでしょうかね・・・これも法隆寺から献納された国宝です。
だんだん感覚がマヒしてきますが、もうひとつ国立博物館所蔵(法隆寺起源)の国宝
「灌頂幡(かんじょうばん)」です。天蓋を伴った長大な幡(はた)のことで、普通は
織物製なのだそうですが、この法隆寺起源の工芸品は金銅製の透彫りで、現存する唯一
のものだそうです。仏事に飾られるもので、極楽浄土の情景や仏様の前で天女らが舞う
姿が刻まれていたりします。部分写真ですが、こんな感じ ↓ です。
これも聖徳太子が活躍した7世紀の飛鳥時代の作品と言われています。凄いね。
最後には、この展覧会のハイライトというべき「法隆寺金堂・五重塔」に収蔵された
著名な仏像や国宝を見学します。飛鳥時代の「アルカイック・スマイル」と表現される
エキゾチックで神秘的な仏像を拝むことができます。ホンモノです(当たり前や)。
またイイところで続く、やろ?(by妻)
すみません。ちょっと長くなって疲れてしまいましたので、明日に持ち越しです。
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