2021年7月 道東の旅 ➂北方領土の近くまで行きました
昨日・今日と東京五輪をテレビで観戦していましたが、もう悔しい場面の連続でした。
2日がかりで応援していた男子ゴルフ、松山選手は最終日の今日はパットが決まらず、
無念の3位タイでホールアウト。スコアを伸ばしてきた実力者たち7人での銅メダルを
賭けたプレーオフとなってしまいました。外しまくったパットのうち一つでも決まって
いれば単独銅メダル、2つ3つ入れていたら金メダル争いだったのに・・・観戦してい
るオッサンがこんなに悔しいのですから、松山選手本人の気持ちはもう察して余りあり
ます。結果は本当に残念でしたが、4日間灼熱の中で最後までトップ争いを続けてきた
松山選手には最大限の賛辞を贈ります。心身ともに本当にお疲れ様でした。
昨夜は柔道の男女混合団体、女子バレーの日韓戦、サッカー男子準々決勝を見ていま
したがどれも大苦戦。メダリストを揃えて臨んだ柔道は、団体戦はやはり勝手が違うの
か思うような試合にならず、フランスにまさかの1対4で完敗。女子バレーは、フルセッ
トまでもつれ込み、先にマッチポイントを取ったのに、そこから3連続失点でお釣りな
しの大逆転負け。こらしんどいわ。サッカーも研究されているのか完全に相手ペースに
嵌り、延長戦も無得点のままPK戦へ。もう見ていられなくてチャンネルを切り替えたら
私が観戦しなかったためか?、無事にPK戦を制してなんとか準決勝進出のようです。
(もうオッサンが見るとロクなことがないから、これ以上見んといてよ~。by妻)
そうですね、では五輪のテレビ観戦はやめにして、北海道の記事を続けましょう。
閑散とした根室駅のすぐ脇に、小さなバスターミナルがありました。駅前には土産物
屋さんが2軒あるのみです。列車が一日6本しかないので、賑わうはずがありませんね。
根室の中心街は、駅から少し離れたところにあるようです。
駅に隣接した小ぢんまりとしたバスターミナルから、バスで納沙布岬まで参ります。
日本の東の果て、根室半島の突端にある岬ですから、きっと寂寥とした荒野のような
場所だろうと思っていましたが、あれ?根室半島って民家がかなりあります。ゴルフ場
までありました。なんだか人の気配が途切れない感じです。
途中、「歯舞(はぼまい)」という集落がありました。これは北方領土の一つである
歯舞諸島から引き揚げてこられた方々が住まわれていたのでしょうか? 漁業で生計を
立てている集落のようです。
納沙布岬近くの集落では、昆布を天日干ししているところが見られました。コンブの
匂いといいますか、磯の香りが漂います。よいお出汁がとれそうですね。
バスはゆっくりと約45分かけて終点の納沙布岬に到着しました。ここもなんだか土産
屋さんや公共の建造物があったりして、やっぱり観光地だなって感じでした。
さっそく徒歩で納沙布岬のある方に向かいます。途中には海産物を食べさせてくれる
食堂がありました。根室近辺でしか獲れないという花咲ガニの刺身や、生サンマ丼等で
有名なのだそうですが、この日は生サンマの入荷はないとのことで、スルーしました。
バス停から5分強歩くと、小さな灯台が見えてきました。これが納沙布岬の灯台かな?
日本で最も東にあって、北方領土(ロシアが占拠している場所)に近いのだから、もっと
立派で高機能な?灯台だろうと思っていましたが、ちょっと拍子抜けです。
バスでやって来た人以外にも、自家用車やバイクで来ている人も多く、かなり賑わっ
ていました。なんだか雰囲気が普通の観光地っぽくて残念でした。もっとこうノスタル
ジーちゅうんか、そういうムードがあると良かったのに。(勝手な事を言うな。by妻)
灯台の裏手に回ると、こんな風景 ↓ でした。ここが本当の日本の東の最果てなのです
ね。この先に北方領土の歯舞諸島、最も近い貝殻島が見えるはずですが、薄曇りのため
視界には入りませんでした。パンダ君もなんだかうつむき加減でがっかりしていますね。
少し離れたところから見るとこんな感じ ↓ です。ちょっと寂し気でアンニュイな?感じ。
うん、納沙布岬はこうでなくては。(先入観はあかんで。by妻)
岬の周辺には、北方領土を見渡せるスポットやモニュメントがありました。根室市の
北方領土記念館に入ってみました。
パンフレットによると、終戦時にはいわゆる北方領土(択捉島、国後島、色丹島及び
歯舞諸島)に合計約1.7万人の方が暮らしていたそうです。当時のソ連が不可侵条約を
破り(ヤルタ条約の拡大解釈という主張か?)北海道周辺の島を一方的に占拠しました。
わが同胞は着の身着のままで北海道に引き揚げてきたということです。それ以来、ソ連・
ロシアの支配化におかれたままとなっています。
世界最大の領土を誇るロシアが、なぜこんな小さな島々に拘るのか? かつて侵略の
憂き目にあった国が誇大な被害妄想に陥るのは無理からぬことかもしれませんが、少し
パラノイアが入っていますよね。まぁクリミア半島も強奪するくらいですから、現在の
ロシア政権では日本に譲ることなどありえないでしょう。
今はかつての住民の子孫の方々が、墓参に行くことしかできないようです。ロシアも
メンツがあるのでしょうが、なんとか早く解決してほしいと思います。
そうそう、この記念館では来場者に「北方領土視察証明書」を発行してくれます。
この日はどんよりした曇りで、国後島はおろか歯舞諸島も見えなかったのですが・・・
近くには北方領土のモニュメントがありました。四つの島をイメージしているそう
です。その下には本土復帰への祈りを込めた炎が燃え続けていました。
さらに北方領土を展望できるという高さ96メートルのオーロラタワーがありました。
この日はここに登っても北方領土は見えそうもないので、写真だけ撮っておきました。
やはりここまで来ると、北方領土についていろいろ考えさせられました。領土紛争は
簡単には解決できませんが、根室市のすぐ目と鼻の先にあるのにずっと近寄ることがで
きないのは残念です。北方領土のロシア人にしても、モスクワどころか州都であるユジ
ノサハリンスクより根室や釧路の方が近いわけですから、もっと現実的に歩み寄ること
ができないものかなと思います。ま、あの似非柔道家がのさばっている限りあかんわな。
おっとこのブログでは政治的発言はご法度ですよ・・・穏便にいきましょう。
1時間ほど納沙布岬に滞在し、お土産を物色してから根室駅行きのバスで戻ります。
納沙布岬を15:10発のバスは、15:54に根室駅に到着です。帰りのバスも、行きのバスと
同じ人たちが乗っていましたよ。ちょっとタクシーで行くには遠すぎますから、みんな
節約してバスを利用していたようです。バスだと往復1,300円くらい。(タクシーだと、
たぶん片道4,000円くらいじゃないかな?)
根室発釧路行きの列車は16:12の発車です。駅前のお土産物屋を覗きますと、なんと
店中が花咲ガニだらけ。なんと一匹500円からあるみたいです。うわぁ、壮観ですが、
これだけワシャワシャいっぱいいると、ちょっと気持ち悪いですね。茹でたカニから
汁がこぼれないよう、逆さまに置いているので余計に不気味です。
今日茹でたばかりの大ぶりの花咲ガニが一杯2,500円と破格値でしたが、旅行中の身
のオッサンには買って帰るのは無理です。ほぐし身をパックに入れてくれたら買ったと
思います。そうしたら列車の中でおつまみにできたのに・・・ぜひ検討して見て下さい。
根室駅を訪れる人はごく少ないので、このカニがこの日のうちに売り切れることは絶対
にないと思います。売れ残りは安く料理屋やホテルに売却するだけでしょう。鮮度が命
なので、根室に来られたらぜひお試しになると良いと思います。
このお店の方は、買わない私にも「せっかくだから食べてみなさい」と言ってむき身
を一つサービスしてくれました。冷凍ものとは違う、甘みと張りのあるみずみずしさが
口の中にひろがります。そりゃぁ美味しいはずですよね。買えなくてゴメンナサイ。
さぁ、バスターミナルの中の売店でビールを買って、列車に乗り込みます。この日は
釧路で宿泊、夜の御飯が楽しみです。
来た道をそのまま引き返すというのはオッサンの本意ではありませんが、他に選択の
余地がありませんので大人しく戻ります。(電車小僧が大人しく電車に乗っているわけ
ないやろ・・・by妻) スミマセン、続きます。
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