Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2021年7月 道東の旅 ④釧路の夜

  根室駅を16:12発の普通列車(1両)で釧路まで戻ります。各駅停車ですと、2時間
 40分もかかります。東京からのぞみ号なら新大阪に着いてしまうくらいですね。
  さて根室駅を出発してすぐ、住宅街の中に停留場のような片面ホーム一つの小さな駅 
 がありました。ここが正真正銘の日本最東端の駅、東根室駅です。驚いたことに、ここ
 から乗車してくる方がいました。(そら、駅なんやから乗客があるのは当たり前やろ。)
 車内にいた乗客の何人かは鉄ちゃんらしく、ドアが開くと東根室駅・日本最東端の駅と
 いう看板を写真に収めていました。(オッサンもな・・・by妻) 

     

  大変時間はかかりますが、道東のローカル線をのんびりと旅するのも悪くはありま
 せん。原野を切り開いて敷かれた鉄路がどこまでもまっすぐに伸びています。時々、
 エゾシカやキタキツネが線路を横切ることがあるそうですが、この日は見当たりません
 でした。(そういえば納沙布岬に行く途中の集落で、キタキツネを見かけました。人家
 の前に堂々と姿を現していましたのでびっくりしました。これが普通なんでしょうか?)

  最近国定公園に指定された別寒辺牛湿原を再び通ります。車窓の左右に広がる湿原の
 眺めはなかなか素晴らしいです。

  厚岸(あっけし)に近づくにつれて川幅が広くなり、視界が開けてきました。

  釧路湿原と違い背の高い灌木がないので、車窓からもはっきりと、長時間にわたって 
 広大な湿原の風景を堪能できます。ここはお薦めです。
 (でもここにいくまでが大変やで。by妻) 


  周囲が薄暗くなり始めた午後6時50分に釧路駅に到着しました。ホームには釧路駅発
 根室行きの最終列車が待機していました。(午後7時前に最終列車が出るとは・・・)

  よく見ると、面白いデザインの車両でした。そうか、根室本線の末端区間である釧路
 -根室間は、花咲線という愛称があるようです。

 
  駅舎に一番近い1番線には、一路札幌まで行く特急列車おおぞら号がディーゼルエン
 ジンのうなりを上げていました。先頭に電光掲示部分がありますが、丹頂鶴がデザイン
 されていました。札幌までは4時間強の長旅です。(オッサンはこれには乗りません。)


  なんだかJR北海道の車両特集みたいになってきましたが、夜7時を回りましたので
 今夜の宿泊場所に急ぎます。釧路駅からは歩いて15分くらいですが、荷物があります
 し、一日飛び回って(いや、飛行機と電車とバスに乗っていただけみたいや。by妻)、
 少々疲れていたのでタクシーでホテルに向かいます。
  タクシーの運ちゃんはとてもフレンドリーで、あれこれ話しかけてくれました。この
 時の北海道はコロナ規制はありませんでしたが、やはり観光客は7割くらいだそうです。
 釧路の町の繁華街(飲食店のある場所)はホテルのすぐ近くにあるようですので、荷物
 を置いたら夕食に出かけたいと思います。


  ホテルは釧路の繁華街に近く、釧路のランドマークである幣舞橋(ぬさまいばし)の
 ほとりにあります。まずはライトアップされた幣舞橋を観に行きましょう。

  夜になるとさすがに少し涼しいです。空気が澄んでいるのでライトアップされた橋が
 とても美しく見えます。以前、妻と一緒にここに来たなぁ、もう18年前か・・・ 
 幣舞橋の欄干には女性裸像の彫刻があります。よくガイドブックで紹介されますねよ。

    

  向かい側には一世を風靡した?釧路フィッシャーマンズ・ワーフがあります。米国の
 西海岸サン・フランシスコを真似たのでしょうか、釧路のホットスポットになっていま  
 した。以前妻と行った時には、西武百貨店が出店していてワインショップもありました
 が、今では地元に密着した個性的なお店や岸壁に炉端焼きのお店が出たりしているよう
 で中身は様変わりしましたが、健在のようです。なかなかゴージャスな建物ですね。

  幣舞橋から宿泊しているホテルが見えます。北海道旅行を楽しむ微笑ましい家族連れ
 の姿がありました。こういうのを見ると、オッサン一人旅が空しく思えます。まぁ仕方
 ないです。開き直って、晩御飯にGOだ! 

       

  道東最大の釧路の町は夜も賑やか・・・の筈でしたが、やはりちょっと寂しげです。
 でも夜8時でお店が閉まることは無く、休業しているお店もそんなにないので安心です。
 家族連れやグループなら、海鮮居酒屋や炉端焼きのお店で楽しく盛り上がることができ 
 るのでしょうが、しょぼくれたオッサンはどこに行こうか・・・
  やっぱり釧路に来たら炉端焼きかな。入口の扉が開いていて外からでも店内が見える
 ようなオープンで気さくなお店がありましたが、大きな「ロの字型」の四辺のテーブル
 にカップルがずらりと並んでいるのが見えて、ちょっと一人では恥ずかしくて入れない
 なぁ。(何を今さら言っとるんじゃ。どこでもホイホイ入っているくせに・・・by妻)
  しばらくウロウロして、ちょっと大きめの居酒屋風の炉端焼きのお店に決めました。
 ここならおひとり様のオッサンでも目立たないかなと思って・・・

     


  中に入ると激込みです。待っている方も数人いました。受付のお姉さんは冷たくて、
 「予約されていますか?」と訊いてきます。あ、予約なしだと入れないのかな?と一瞬 
 思いましたが、しばらく待っていたら空きそうなので、気長に待つことにしました。
 地元の羽振りのいいオッサンがオネエチャンたちを連れて飲みに来ている感じだったり、
 ちょっと小金持ちの地元の若者たちや、たまには美味しいものを食べたくて来たみたい
 な感じの地元のお姉さま二人組が次々に会計を済ませていきます。みんな結構な値段の
 支払いをしていますね、釧路の方はお金持ちが多いのか?(そんなとこまでチェックを
 しとるんかい!by妻)。いずれにしてもあまり観光客ぽい人は見かけませんでした。
 「るるぶ」やホテルの案内パンフレットに載っていない店だからかな?
  30分くらい待たされて、ようやく案内されました。受付の仕切り屋のお姐さんはテキ
 パキとしていましたが、店内を案内するバイトっぽい女性はかなりスローな動き。受付
 のお姐さんが言ってくれなければ、いつまでも放ったらかしにされていたっぽい・・・
 時刻は9時近くなっていましたので、もう空腹で限界です、早く食わせろ!(ガラ悪)。


  もう、せっかくだから好きなものをバンバン頼んじゃうぞ!まずは🍺だな。サッポロ
 クラシックの中ジョッキ。ぷはー、うまい!幸せな瞬間(アホ)。
  おつまみは道東厚岸(あっけし)産の北海シマエビ、同じく厚岸産の焼き牡蠣三種、
 そして根室で買い損ねた茹でた花咲ガニの半身です。うわぁ、ゴージャスかつ、地元の
 名産品のそろい踏みですね。(オッサンらしい、冒険心が微塵も感じられないチョイス
 やな。by妻)(そらそうよ、わしゃあんたみたいにチャレンジャーちゃうから。by私) 

  すみません、滅茶苦茶おいしかったです。生ガキが無かったのは残念でしたが、焼き
 ガキもジューシーで濃厚でプルプルでもうたまらん。ぺろりんと平らげてしまいました。
 北海シマエビは知る人ぞ知る特産品(厚岸産よりも、標津の尾岱沼で帆掛け船漁で捕獲
 するものが有名です)で、鮮度落ちが早いので捕獲後すぐに茹でてその日のうちに食べ
 ないとダメなんだそうです。そうなると東京や大阪、札幌でも食べるのは難しいですね。
 まぁこれも味が濃くて、茹で汁がじゅわっ。エビの身は引き締まっていて絶妙な食感。
 何もつけなくても味がついていて、ものすごく深い味わいです。もちろん全部食べられ
 ます。(殻は残した方がいいけど・・・)


  そして怪獣のような花咲ガニの半身。これは多分朝獲れの釜茹で。水っぽさがなく、
 濃厚な味わいです。足には鋭いとげがあるので食べる時には注意が必要です。大きな
 ハサミを出してくれたので、それでジョキジョキ殻を切り裂いて、中の柔らかい身を
 ほぐし出します。あまり綺麗にできませんでしたが、思ったより食べ応えがあります。
 あぁさっき根室駅前の土産物屋で一口食べさせてもらったけど、おんなじ味や・・・

  
  続いては炉端焼きの魚介です。釧路で水揚げされた地元産のサバの半身と、北海道を
 代表する貝のツブのつぼ焼きです。(ツブ貝の写真を撮り忘れた!)


  まぁどうよ、このサバの脂の乗りは。炭焼きならではの香ばしさと、中身はふっくら 
 としてホクホクですわ。小さく見えるけど、実際は結構大きいんですよ、牡蠣もサバも。
 もうね、これは絶品ですよ。サバ・ビヤン(アホ。by妻)。


  最後にはお寿司。ツブ貝とヒラメを一貫ずつ。オッサンはこれでもう満腹です。

  うーん、美味しかったから満足だけど、会計は6,000円ほど。結構な値段がするな。
 花咲ガニの半身が2,500円で、焼き牡蠣3種で900円だったから無理もないか・・・


  店内はこんな ↓ 感じです。オッサン一人で来ているのは私だけでしたが、入りにくい
 感じはなく、周りを気にしなければゆっくり美味しい食事を楽しむことができます。


  ほろ酔い加減でホテルに戻ります。川べりのライトアップされたスポットでは、夜遅く
 まで観光客が散策をしていました。


  さぁこれで一日目が無事終了。明日はまたとんでもないハードスケジュールです。
 (まぁいつものこっちゃな・・・私は一緒に行かなくて良かったわ・・・by妻)