Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2021年GW 東北の旅(3泊4日)㉔日本三景・松島 ~その1~【一部誤記の訂正あり】

  もう今日もどうしようもない暑さの関東地方。東京でも最高気温が39度だったって。
 人間の暮らせる気温じゃないですね。コロナも一向に収まる気配がないですし・・・
 そういえばうちの職場のメンバー数人が先週の夏休みにワクチン接種をしたのですが、
 揃って副反応に悩まされたとの事。健康そのものの40代、50代の耐久力のあるオジサン
 たちですが、接種部の上腕の痛みと頭痛で、数日は何もできなかったそうです。うわ、
 個人差はあると思うけど、こういう話を聞くとちょっとためらいますね。人一倍臆病者
 のオッサンは、できるだけ先送りしたいと思いました。(でも、海外旅行に行きたい時
 には我慢して接種するんちゃうか?ワクチン接種証明がないと、入国できない国がある
 みたいやからの~by妻)


  さて、いつまでダラダラやっとるんじゃ!状態の東北旅行の記事を急ぎます。5月の
 GWのときの事ですからね、早く書いておかないと忘れてしまう(笑)。
  盛岡駅12:17発の東北新幹線はやぶさ号に乗り、一路仙台まで向かいます。この区間は
 確か最高速度320kmが出せるので、ノンストップで盛岡ー仙台間の所要時間は僅か39分
 です。今更ながらびっくりですね。
  この新幹線には、車体に何か面白いキャラクターの絵が描かれていました。どうやら
 東北6県のマスコットみたいです。どれが何県なのか、おわかりでしょうか?

  左から、青森県(いくべぇ)、岩手県(わんこきょうだい)、宮城県(むすびまる)、
 秋田県(2015秋田県んだっち)、福島県(きびたん)、山形県(きてけろくん)だと。
 ちょっと微妙ですね・・・


  乗ってしまえば、あっという間に仙台に到着、12:55です。はやっ。ここで荷物を預け
 在来線に乗り換えて、最後の目的地に向かいます。日本三景の松島です。まだ行った事
 がないんですよね。これで日本三景制覇だ!(安芸の宮島、丹後の天橋立は訪問済み)
 松島に向かうには仙台駅の地下深くにあるホームから発車する通勤電車のような仙石線
 の普通電車に乗るのが定石ですが、最近面白い列車が走り出したのでそれに乗ることに
 しました。(さすが電車小僧やな・・・by妻)
  仙石線は元々国鉄ではなく、仙台から近郊の多賀城・塩竃方面を経て石巻まで延びる
 私鉄路線で、後から国鉄に接収されました。松島の辺りでは国鉄の東北本線と並走して
 いましたが、国鉄の路線とは交わらない独自路線となっていました。しかし、最近にな
 ってJR東日本が、仙台と石巻(三陸海岸にある宮城県第二の都市)を最短で結ぶために
 JRの東北本線から松島付近でこの仙石線に合流する短絡線を新たに敷設したのです。
 ケチなJRにしては思い切った英断ですね。(そら採算が取れると思ったからや。by妻)
 そして仙台駅の地上ホームから東北本線を塩竃の先まで走り、この短絡線を通って松島
 付近で仙石線に乗り入れ、石巻まで直行する快速列車が運転されました。そうなんです、
 オッサンが乗ろうとしたのは、この電車です。  

  その名も快速「仙石東北ライン」です。最近はやりのハイブリッド車両ですね。


 ※ハイブリッド車両についての記述で間違いがありましたので、以下の通り訂正させて
  頂きます。認識不足のまま適当に記事を書いてしまい申し訳ございません。


  なぜハイブリッド車なのか?(ここから先はオタクの世界ですので悪しからず・・・)
 仙石線は私鉄時代から電化されていて直流電源方式なのですが、東北本線の電化は時期
 的に遅く、比較的設備投資が安価な交流電源方式なのです。したがって東北本線と仙石
 線を直通する電車は直流・交流双方に対応する必要があるのです。さらに、新たに設け
 られた「短絡線」は設備投資を抑制するため非電化区間(架線がなく普通の電車が走れ
 ないため、ディーゼルカーが走る区間)になっています。
  つまり、交流電化区間~非電化区間~直流電化区間を通して走ることができる車両が
 必要なのです。それに対応するために造られたのが、蓄電池で動くハイブリッド車両な 
 のです。この車両では、ディーゼルエンジンの動力を発電機を回転させる電力用として
 使用し、発電機からの電力と蓄電池の電力を組み合わせてモーターを駆動するシリーズ
 ハイブリッド方式と呼ばれるシステムが採用されているそうです。これによりコストを
 抑制しつつ、異なる電化区間や非電化区間を通して走行することが可能になりました。
 そして乗客にとっても、乗り換えなしでサービス向上となりました。
  ついでに言うと、驚いたことにJR東日本では、既に電化されている路線でも利用客
 が少なくて採算が合わない区間は架線を撤去して非電化区間に戻し、このハイブリッド
 車両を使う予定だそうです。架線などの地上設備や電車にかかる維持コストを抑制でき
 るメリットがあるのですね。せっかく電化した区間を、また元の非電化に戻すのは残念
 に思いますが、これによって赤字路線の採算が多少なりとも改善し、路線の廃止が避け
 られるならば、プラスに受け止めるべきかなと思います。


  スミマセン、かなり脱線しました・・・
 とにかく、この仙石東北ラインの登場により、仙台ー石巻が最短一時間弱となり、石巻
 にお住まいの方、仙台から石巻に行かれる方はすこぶる便利になりました。それだけで
 はありません。松島観光に行くときにも、この電車を使って高城町という駅で下車し、
 仙石線で一駅逆戻りして松島海岸という駅に降りれば、松島は目の前です。
 (オッサン、鼻息荒いで。by妻)
  
  仙台発13:20の仙石東北ライナーに乗り、高城町に13:49着。ここで乗り換えて14:09発
 の仙石線普通電車で14:13には松島海岸に到着です。仙台駅の仙石線ホームは前述のよう
 に仙台駅の地下深くにあり、新幹線からの乗り換えには10分以上かかりますが、東北線
 への乗り換えだと5分で十分です。


  さて松島海岸駅は松島を巡る観光船の乗り場に近くて便利です。オッサンはネットで
 15:30発の遊覧船を予約済ですが、まだ少し時間があるので松島のもう一つの名所を観光
 します。(オイオイ、船の出発時間まで一時間しかないけど大丈夫かいな?by妻)
  まずは松島海岸駅から徒歩7分程の場所にある「瑞巌寺(ずいがんじ)」に参ります。
 参道の両脇は大きな杉並木となっており、荘厳な雰囲気です。

  この寺は臨済宗妙心寺派のお寺です。元々は平安時代の天台宗のお寺だったようで、
 鎌倉から室町時代に臨済宗の寺となって栄え、戦国時代にいったん衰えたものの、江戸
 時代になって仙台藩の伊達政宗が1609年に大伽藍を造って再生させたのだそうです。
  この杉の大木の向こうにある中門は重要文化財、その奥に見える本堂は、国宝に指定
 されています。下の写真は中門のアップです。ここから本堂には入ることができません。

  
  中門から国宝の本堂を眺めるとこんな感じ ↓ です。威風堂々とした重心の低い安定感
 のある建築ですね。入母屋造の本瓦葺で、禅宗方丈様式に武家書院造の様式を加味した
 ものだそうです。かの伊達政宗の命で造られ、1609年に完成したものだそうです。ほう、
 独眼竜正宗さん、文化にも造詣が深かったのですね。さすがは名君。   

  
  本堂の左に繋がっている「御成玄関(おなりげんかん)」も国宝です。
 下の写真では玄関口は左側にあるので見られませんでしたが、正面に見える「火頭窓
 (かとうまど)」が面白いです。近くで見られなかったのが残念です。 

 
  さて、時間があまりないので(そんなんばっかりやんな)さっそく内部を見学します。
 一般の見学者は中門からは入れず、右手側の庫裏(くり)の方から建物に入ります。
  下の写真が庫裏ですが、大屋根の上には煙出しという小屋根が乗っている珍しい構造
 で、これも国宝に指定されています。

 
  国宝の本堂内部は写真撮影禁止ですので、例によって図録の写真を載せておきます。
  ますは本堂の中心で、法要が営まれる室中(しっちゅう)、別名孔雀の間です。


  ここが一番大きな広間で、一番ゴージャスです。襖絵は1622年の完成時の姿に復元
 されたもので、金色の地に鮮やかに植物や動物の絵が描かれています。この室中は孔雀
 の間と別称されていて、「松に孔雀」の襖絵があります。欄干にある木の浮彫もかなり
 凝った造りをしていますね。政宗さんも気合が入っていたのでしょう。


  続いて「上段の間」、別名藩主御成(おなり)の間です。政宗さんがここに居られた
 のでしょうね。「円満」という額が飾られています。これも政宗さんのお人柄か?


  本堂を見学してまた庫裏に戻って建物を出ると、その向かい側には宝物館があります。
「青龍殿」という格好いい名前がつけられています。
  内部にはお寺ゆかりの仏像や仏具、茶器や武具、能面などが展示されていました。
 なかでも人気だったのはやっぱり、これ。

     


  若き日の伊達政宗の木像です。彼の死後、17回忌に奥様が作らせたものだそうです。
 遺言により、右目がうっすらと開いているように作られたとの事です。


  さすがは伊達家ゆかりの瑞巌寺。伊達藩でも最も格の高いお寺なのかもしれません。
 ここは訪れる価値があるところだと思います。ただ見どころが多かったので、結構時間
 を要しました。・・・でももう一か所行きたいところがあります。残り20分!
  (もう呆れるわ。どうせ「続く」やろ? by妻。)