Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2021年7月 道東の旅 ⑭ゴールは川湯温泉

  7月の北海道の旅の最終回です。(たぶん)
  硫黄山と屈斜路湖畔をドライブして、ようやく3日目の宿、川湯温泉に向かいます。
 おっと、忘れていました。レンタカーですからガソリンを満タンにして返さなければ
 いけません。しかし川湯温泉の町なかにはガソリンスタンドはありません。結局また
 硫黄山を通って国道391号線(釧路と網走を結ぶ国道)まで戻らなければなりません。
 うっかりしていたなぁ・・・ 

  ピンクのダイハツ・ミラ(しつこい)に給油をして、午後6時前にはホテルに到着。
 レンタカー会社の方は「川湯温泉のホテルの駐車場に置いといてくれればいいですよ」
 なんて言っていましたけど、そんな適当でいいのかな?車のキーはどうするんだ?
 これから温泉に入ったりするので、車のキーはホテルのフロントで預かって貰いました。


  川湯温泉は道東でも屈指の温泉街だったはずで、今でもその雰囲気は残っていますが、
 一方では廃業してそのまま放置されたホテルや旅館があちこちにあり、ちょっと気分が
 下がります。町全体の雰囲気が暗くなってしまうので取り壊した方が良いと思うのです
 が、そう簡単にはいかないのでしょうね。コロナのせいで更に客足が落ちているので、
 これからさらに厳しいでしょう。札幌からでもちょっと遠すぎますからね・・・
  温泉好きのオッサンが一泊で訪れてもたいした貢献はできませんが、頑張ってほしい
 です、川湯温泉。


  さて、まずは待望の温泉です。このホテルには小さいながらも露天風呂がありました。
 周囲は住宅なので眺望は期待できませんが、木とタイルで造られた湯船でゆったり入浴
 ができます。硫黄山が近くにあることからも分かる通り、酸性度の高い(Ph値の低い)
 温泉として知られており、湯量が豊富で当然のことながら源泉かけ流しです。


  しかし「酸度がとんでもなく高い温泉」とはどういうことかといいますと・・・
 洗い場の蛇口や金属が腐食していました。これ、かなり強烈なインパクトです。しかも
 注意書きに「金属製アクセサリーをつけたまま長時間お湯に入らないでください」との
 記載があります。えぇ、長時間入っていたら人間も溶けちゃうんじゃないの?
 (そんなことあるかいな、アホ。by妻)
  そして湯船に入ると・・・「うわ、イタタタ・・・」お尻が痛い!
  ここに来る前に和琴半島の露天風呂に入った時に少しお尻が擦れて赤くなったところ
 があるのですが、そこが物凄く浸みて痛いのです。見てもわからないくらい、傷という
 ほどでもないのですが、この酸性度メチャ高のお湯では強烈に痛みを感じます。
  ホテルのHPの解説によりますと泉質は「酸性明礬泉」で、硫黄や鉄・ナトリウムや
 硫酸塩(硫化水素型)が含まれているそうです。え?硫酸塩ですかい?
 「PHが約1.8と酸性が強く(レモン果汁や私たちの胃液よりも酸が強いのです)、金属
 を浸しておくと溶かしてしまうほどの酸性ですが、お肌の殺菌効果や古い角質を溶かす
 すべすべ効果が期待できます。」と書いてありました。こりゃ半端ないですね・・・
  お尻が痛いのを我慢して、じっくりお湯に浸かっていたらだんだん慣れてきました。
 確かにお肌がスベスベになります。擦りむいていたオッサンのお尻もつるりんとゆで卵
 のようになりました。(アホ) しかしこれって皮膚が溶けているという事やんな。


  ホテルのHPのお風呂の写真です。露天風呂は夜でも照明がついて明るいです。内湯は
 温度の違う三種類の湯船がありました。敷地内にある?源泉を(加水せず)温度調節し、
 温泉の純度を損なわずにふんだんに使っているそうです。

  いや、ここは温泉としては素晴らしいです。もっと有名になってもいいのに。
  夕食は間仕切りがされた個室で。お手頃価格のプランでしたので、特にこれといった
 料理はなく、メインは鮭のすり身のハンバーグです。淡々と食事を済ませました。
 もっと北海道らしいものを出してほしかったけど、料金を抑えようと思うと仕方がない
 のかもしれません。

  このホテルには面白いことに、昭和レトロな街並みを再現したコーナーがありました。
 駄菓子屋さんで本当に昔ながらのお菓子を売っていました。懐かしくてちょっと買って
 しまったオッサン。あとは屋台のラーメン屋や場末のスナックのようなところもありま
 したが、残念ながらコロナで営業休止中。そうか、昭和レトロで売り出せば、川湯温泉
 も懐古趣味のオッサンをもっと呼び寄せられるかも。
 (でもその戦略だと先は短いわ。昭和のオッサンはいずれいなくなるやん。by妻)

  
  ついでに言えばお部屋も昭和レトロでした(笑)。雰囲気があっていいけどね。


 翌日(4日目)は、もう帰るだけです。
 チェックアウトの前に、川湯温泉のもう一つの見どころを見学します。

  はい、これも昭和レトロかな。昭和の大横綱「大鵬」の記念館です。そうです、ここ
 川湯温泉は大鵬が少年時代を過ごした場所なのです。樺太生まれの彼は戦後両親ととも
 に北海道に引き上げ、各地を転々としながら川湯の地に落ち着いたそうです。当時は、
 温泉街も賑やかで仕事もたくさんあったのかもしれません。この記念館は、朝9時から
 開いていましたので、相撲好きのオッサンは朝いちばんに訪ねました。
  見物客はオッサンの他は30代くらいの男性一人のみ。係のお爺ちゃんが「今から大鵬
 さんのビデオをやるから見ていきなさい」というので、10分程の記録映像を鑑賞しまし
 た。昭和20年代のフィルムもあり、また昭和30年代前半の国技館の本場所の映像もあり
 なかなか素晴らしかったです。もちろん大鵬さんのいいところばっかりなので、ともに
 張り合った横綱柏戸関はいつも負けるシーンで気の毒でした。しかしまぁ、昭和30年代
 の国技館の土俵は熱狂的に盛り上がっていましたね。力士との距離も近く、迫力のある
 映像でした。今のように肥満体の巨体力士は少なく、動きも敏捷で見ていて楽しいです。
 そういえば「つり出し」なんて決まり手はもう見られなくなって久しいですね・・・


  記念館内部には、横綱ゆかりの写真や品物がたくさん展示されていました。
 上の写真は、入門1年後に帰郷して中学校の同窓会に出た時(16歳)のものだそうです。
 めちゃくちゃピンボケやん。まさか、個人情報保護対策か?(by妻)



  地元の弟子屈(てしかが)町から寄贈された化粧まわしと、それをつけた写真です。


  なんと大鵬人形? なんだかカワユイですね。

     

  オッサンより少し上の世代の方々にとっては、憧れの存在だったと聞きます。
  「巨人、大鵬、卵焼き」というキャッチ・コピーもありましたね・・・
 (オッサンは「阪神、柏戸、いか焼き」や、言うとったな・・・by妻)


  さて午前10時過ぎ、ホテルでタクシーを呼んでもらって川湯温泉駅まで向かいます。
  おや?ピンクのダイハツ・ミラがホテルの駐車場にまだ停まっています。レンタカー
 会社のオジサン、まだ取りに来ていないようです。えらい呑気やのう。
  タクシーで10分程で川湯温泉駅に到着です。ここにはかなり立派な足湯もあります。
 列車(1両だけど)の到着時刻まで少しあったので、足湯を楽しみました。名残惜しい。
 駅のホームには木彫りのクマ(鮭を抱えている)があり、親子連れが記念写真を撮って
 いました。微笑ましいですね。 

     

  帰りの飛行機がオホーツク女満別空港からの便ですので、JR釧網本線のディーゼル・
 カーに乗り、知床半島の付け根の斜里を通って網走まで向かいます。途中でオホーツク
 海の良く見えるところを通ります。晴れているので真っ青な海でした。しかし、冬には
 流氷がやってきて、下手をすると凍りついてしまうのですよ、海が。信じられないね。


  約1時間半ほどで無事に網走駅に到着。しかし網走駅は町はずれにあり、コンビニと
 ビジネスホテルしかありませんので、タクシーで街中に行き昼食をとることにしました。


  北海道で最後の食事なので、この町のお寿司屋さんで贅沢しようかなと思いましたが、 
 忘れていました、この日は日曜日。寿司屋どころかどの店もシャッターが閉まっていま
 す。これ、コロナとは無関係ですよね。人口4万人の網走市ですが、街中は閑散として
 おり、出歩く人もまばらです。しかもこの日も灼熱の猛暑。気温は35℃近くです。
  もうどうでもよくなり、何とか空いている地元民向けの定食屋を見つけて入りました。
 メニューはかつ丼とかの丼物とお蕎麦しかありませんがな・・・仕方なく天ざるで。
 なんだか最後は全く北海道らしくない食事でした。どうせなら港に近い道の駅のほうに
 行けばよかったかな。そこに行けば海鮮丼とかを食べられたかもしれない。(後の祭り)
  
  さて、仕方ないので女満別空港行きバスの出るターミナルまで行き、少し早めに空港
 に向かいました。空港ならお土産屋で少し時間をつぶせるかもしれないので・・・
 8年ぶりくらいにやって来た女満別空港は少しリニューアルしていましたが、土産物屋
 はほとんど10年前と変わっていません。地方空港なので、新千歳空港のように楽しめる
 場所ではありませんね。結局ここでも1時間半以上、何もすることなくボーっと待って
 いました。オッサンにしては珍しく、ホントに何にもしない日だな。 

  帰りの飛行機も満席。四連休の最終日ですからね。午後3時の飛行機で、羽田空港に
 午後5時頃に無事到着です。いつもながら駆け足の慌ただしい旅行でした。
                                  ~ Fine ~


 
【旅の記録】


◆7月22日(木)
 羽田空港→たんちょう釧路空港 空港バスで釧路駅へ
 釧路ーーJR根室本線:快速ノサップ号--根室 路線バスで納沙布岬へ
  納沙布岬、北方領土記念館等を観光 
 根室ーーJR根室本線ーー釧路  釧路の炉端焼きの店で夕食(花咲ガニ、北海シマエビ)
 (釧路:泊)
  
◆7月23日(金)
 釧路からレンタカーで あやめケ原、霧多布湿原(琵琶瀬展望台)、厚岸観光
 釧路ーーJR釧網本線ーー川湯温泉 
  レンタカーで、屈斜路湖畔(砂湯、コタン温泉)を観光、阿寒湖へ(阿寒湖温泉:泊)


◆7月24日(土)
 阿寒湖遊覧船で湖上観光(チュウルイ島でマリモ鑑賞)、レンタカーで移動
  摩周湖(第一、第三展望台)、硫黄山、屈斜路湖畔(コタン温泉、和琴半島)を観光
 (川湯温泉:泊)


◆7月25日(日)
 川湯温泉、大鵬記念館見学。タクシーで川湯温泉駅へ
 川湯温泉ーーJR釧網本線:快速しれとこ号ーー網走 
  網走バスターミナルから空港バスでオホーツク女満別空港へ
 オホーツク女満別→羽田空港