Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2017年夏、北欧&ドイツの旅 ➂岩の教会と静寂の教会

  今日は一週間ぶりにオフィスに出社しました。久しぶりのリアル会議やメンバーとの
 打合わせがありましたが、やはり在宅での対応より効率よく進んだような気がします。
 在宅勤務も便利でいいけど、やはり意思疎通や理解度という面ではリアルの方が良いの
 かも。どちらも利点があるから、メリハリをつけていけばいいのだよね。 


  さて、北欧フィンランドの記事の続きです。
  到着した初日の午後4時を過ぎましたが、ヘルシンキの観光名所の一つ「岩の教会」
 の異名をとる、テンペリアウキオ教会(ちょっと言いにくい)を見学に参ります。2番
 の路面電車に乗って、中央駅を通り過ぎ、約20分足らずで到着しました。周囲は住宅街
 で落ち着いた雰囲気です。路面電車の停留所から少し歩くと、見えてきました。

  え?これが教会ですか?古墳みたいですよね。立派なファサードもなければ、鐘楼も
 ありません。なんと教会なのに鐘がないのですよ。コンクリートで覆われた無機質な?
 入口の上に、無造作に積まれた岩が見えます。教会の本体はこの下でドームのような形
 になっているようです。うーむ、ちょっと外観は美しいとはいえないですねぇ。
 福音ルーテル派の教会で、1968年の建造だそうです。まだ50年ほどしか経っていないの  
 ですね。とにかく中へ入ってみましょう。お金を取られるのかなと思いましたが、入場
 は無料でした。まぁ教会ですからね。(英国の教会はほぼ有料でしたけど・・・)
 

  中に入ると、うわ、何ですかこれは? 一応教会のようにはなっていますけど、内部
 の壁は岩が剥き出しです。どうやら大きな岩をくり抜いて造られているようです。天井
 はドームになっていますが、建物上部はぐるりとガラス窓で囲まれていて、そこから光
 が差し込んでいます。教会というと薄暗いイメージがありますが、ここはとても明るい
 です。(外は曇り空で雨が降り出しそうな天気だったのですが。)
  建物全体は円形で丸みを帯びており(パンテオンに似ているかな?)、包み込まれる
 ような感じがします。ワイルドさと優しさが調和しているというと言い過ぎかな。
  おや?よく見ると祭壇というよりステージみたいなところには楽器が備わっています。
 これでは一風変わったモダンなコンサートホールみたいだと思ったら、この内壁は音響
 効果が優れているらしく、実際にコンサート会場として使われているそうです。なんと!
  訪れている方はお祈りに来ているのか、見学に来ているのか、コンサートを聴きに?
 来ているのかわからない感じですね。奇抜な発想とデザインであるだけでなく、意外に
 実用的でもあるようで面白い。どんな響きなのかコンサートを聴いてみたかったです。


  後ろの方は階段状になっていて、やや高い所から教会内部を俯瞰して見渡せるように
 なっています。パイプオルガンが剥き出しの岩に直接括り付けられているみたいです。

  なんとも不思議な空間体験でした。カトリックでは、ありえない教会ですね。


  さて、もう一つ見たいと思っていた教会がありますので、次はそちらに参ります。
 ネットで写真を見て、一発で行きたくなってしまったほどのユニークな教会(正確には
 礼拝堂)です。テンペリアウキオ教会からは2番の路面電車で少し中央駅寄りに戻り、
 バスターミナルの近くの停留所で降りるとすぐに目的地に到着します。
  これです。↓

  もう、実物を見てたまげました。なんじゃこりゃぁ~、です。巨大なオレンジ色の謎
 の建築物。ちょっと船のような形をしているように見えますが、窓もなくつるんとして
 います。入口がどこにあるのかパっと見ではわからず、ちょっと戸惑いました。
  ここは「カンッピ礼拝堂」と呼ばれ、2012年にヘルシンキが世界デザイン首都に選定
 された(そうだったの?)のを機に、記念して造られたものだそうです。外壁はモミの
 木材を曲げて造られ、内部も木材でできているそうです。そうか完全木造建築なのね。
  
  カンッピ礼拝堂の周囲はバスターミナルがあり、ちょっとしたショッピングセンター
 もあって人通りも多くてざわざわしていますが、この礼拝堂の別名は「静寂の教会」と
 いうそうです。その訳は・・・
  はい、下の写真をご覧ください。礼拝堂の内部はこのようになっています。内壁も、
 信者の座る椅子もすべて木製、余計なものは何一つなく、静寂に包まれています。

  ここでは私語は厳禁で、誰もが静かに瞑想し神に祈りを捧げる場となっているのです。
 オッサンはデジカメのシャッター音を響かせるのを恐れて、内部の写真撮影は控えまし
 た。もちろんいつものようにガサゴソとパンダの記念写真を撮るなどもってのほかです。
 そのくらい本当に静かで、まさに神秘的な静寂に包まれている感じがしました。
 (この写真はネットから借用させて頂きました。悪しからず。)
  
  ほんの数分でしたが、物音ひとつない神秘的な空間に佇んでいると、常々妻から「心
 が狭い」と非難されていたオッサンですら、心が豊かになるような気がしてきました。
 確かに信仰のための舞台装置?としては優れていますね。
  ここもテンペリアウキオ教会同様インパクトは抜群で、ヘルシンキのお薦め観光スポ
 ットです。ううむ、ヘルシンキ、なかなかやるなぁ。北欧デザインは優れているとよく
 聞いていたけど、オッサンは完全同意します。実用的でありながらも、芸術的です。
  これ、妻が見たら絶対に喜んだだろうなぁ・・・連れて行ってあげたかったよ。
 (イヤ、自分は食べ物とワインとオペラが優先やったからイタリアやらドイツ・オース
 トリアばっかり行きたがってたくせに・・・よう言うわ。by妻)


  最後におまけ。カンッピ礼拝堂近くの建築です。・・・別に変わったところもなくて
 普通じゃないの? あ、ベランダに注目です。

  二頭のキリン?がボクシングをしていました。誰や?こんなん考えて実行する人は? 
 遊び心があるというか、ユニークなというか、変わっているというか・・・
 (オモロイからええやん。by妻) 


 今夜はこの辺で失礼させて頂きます。
 もうしばらくヘルシンキの記事が続くと思われます。(長くなりすぎんようにな。by妻)