Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2017年夏、北欧&ドイツの旅 ④ヘルシンキ大聖堂

   ヘルシンキ市内のモダンな教会を見学した後、市街中心部に戻ります。ヘルシンキの
 街には路面電車の路線が縦横無尽に?張り巡らされていてとても便利なのですが、その
 他にも1路線だけ郊外と市中心部を結ぶ地下鉄があります。カンッピ礼拝堂のすぐ近く
 には地下鉄カンッピ駅がありましたので、地下鉄に乗ってみました。カンッピ駅の次が
 中央駅(ラウタティエントリ)ですが、その一つ先のヘルシンキ大学駅まで行きました。
 さすがデザイン都市ヘルシンキは地下鉄の電車もモダンです。 

  日曜日の夕方5時過ぎですが、車内は空いています。路面電車の方が便利ですからね。
 でも車内もきれいで快適です。地下鉄の最大の弱点は、景色が見られないことですね。
 (そんなことに拘るのは観光客だけちゃうか?by妻) 

  ヘルシンキ大学駅は少し高台にありましたが、ここから坂を下っていくと市街中心部、
 ヘルシンキのランドマークともいうべきヘルシンキ大聖堂に行く事ができます。しかし
 オッサンはまたしても道に迷ってしまいました。やっぱり最初の一歩を踏み出す方角を
 間違えていたようで、反対方向(カイサニエミ植物園という広大な公園があります)に
 歩いておりました。なんか違うな、と思って気づきましたけど、また10分のロスです。
  
  ヘルシンキは市街中心部のすぐ近くにも閑静な住宅街があって、落ち着いた雰囲気が
 します。しかしその住宅街を抜けると突然、巨大な建造物が目に飛び込んできました。
 ヘルシンキを代表する建築、ヘルシンキ大聖堂です。(裏側から来ているんですけどね)

  この大聖堂はルーテル派(プロテスタント)の総本山の教会で、1852年に完成した
 堂々とした建築です。普通は、路面電車が通る海沿いのアレクサンデル大通り側にある
 元老院広場というだだっ広い広場の前から、この大聖堂の姿を見上げながら急な石段を
 登って来るのですが(上の写真のように見えます。)、オッサンは反対側からトコトコ
 歩いてきましたので、先に大聖堂の内部を見学します。なんとこの教会は夏の間は夜の
 12時まで開いているのだそうです。少しぐらい遅くなっても見学出来ますので、あっち
 こっち大急ぎで観光しまくるオッサンには、非常に有難いことです。
 (別にオッサンの為やのうて、信者の為やで。by妻)


  大聖堂の外観はネオ・クラシック様式で、ギリシャ神殿風のファサードと、特徴的な
 ドーム屋根が目を惹きます。均整が取れていて美しいです。モダンなテンペリアウキオ
 教会やカンッピ礼拝堂もユニークで楽しかったけれど、やっぱりこのほうが教会らしい
 ですよね。
  そうそうこの大聖堂は上の写真にある元老院広場側が正面ではなく、左側(西側)の
 方が正面入り口だそうです。ヘルシンキの教会の入口はすべて、ロシアのある東側では
 なく西側にあるのだそうです。(縁起を担いでいるのとちゃうんか?by妻) 
  平面図を見ると、東西南北の四面がすべてギリシャ風のアーチが張り出した形になっ
 ているようです。シンメトリーな形状をしているのですね。中央の円形ドームのほかに、
 後から四隅に小さいドーム(四角い塔の上にまるい小さなドームが乗る)が加えられた
 ということです。

  

  内部は驚くほどシンプルです。カトリックの教会だといろいろゴチャゴチャ(失礼)
 説教壇とか聖人の彫刻とか宗教画とかがひしめき合っているのですが、プロテスタント
 の教会は実にあっさりしています。ドームの下にある豪華なシャンデリアがきれいです。

 円形のドームの内側にパイプオルガンが配置されていました。ユニークな曲線ですね。

  祭壇画は写実的な「キリスト降架」ですね。これも比較的シンプルです。

    

  大聖堂内部を見学した後、大階段の上から元老院広場を見下ろします。背後には、海  
 (バルト海、フィンランド湾)が見えます。もう潮の香りが漂ってくるほど近くです。
  広場の正面には、ロシア皇帝アレクサンデル二世の像がありました。これはちょっと
 興味深いですよね。かつての敵国の君主の像が、街のシンボル大聖堂前にあるなんて。

  おそらくロシア革命のどさくさに紛れて?独立したフィンランド人は、ロシアを刺激
 しすぎないよう、この像はそのままにしておいたのかもしれません。あ、そういえば、
 私の訪れた2017年はフィンランドの独立100周年記念の年だったのです。フィンランド
 は実はかなり新しい国なんですね。ロシアに100年、その前には西の隣国スウェーデン
 になんと650年も支配されていたのだそうです。そうだったのか・・・


  アレクサンデルさん、頭の上にカモメが乗っかっていて、なんだか脱力しますね。   

  この季節は午後7時を回っても、まだだいぶ明るいので、もう少し観光を続けます。
  元老院広場の前から、中心街のエスプラナーディ大通り(公園)の方に向かいます。
 元老院広場から南(海側)に1ブロック歩くと、エスプラナーディ通りが海に突き当た
 る場所、マーケット広場に着きます。ここにはヘルシンキ近郊の島に向かうフェリーが
 発着する港があり、その前が青空マーケットが開かれる広場になっています。夕方遅い
 時間なので、もう露店は畳まれてしまっていました。翌朝、もう一度訪ねてみます。


  マーケット広場の近くには、「バルトの乙女」と呼ばれる噴水モニュメントがありま
 した。中央にある乙女の像に、四角に配置されたアシカ?オットセイ?の像から、勢い
 よく噴水が噴き出しています。水しぶきがあがっていてなんだかすごい迫力でした。
 



  この噴水の向こう側がエスプラナーディ大通りに沿った公園です。日曜日の夕方なの
 で、のんびりと散策をする人たち(家族連れとカップルばかり)がたくさんいました。
 オッサンはいつも孤独ですけど、まぁ仕方ないね。

  バルトの乙女の足元の獅子の口からも噴水が出ています。かなり派手な噴水でした。  

      

  エスプラナーディ通り沿いのお店はもう閉まっていましたので、ウインドウショッピ
 ングをしながら徒歩で中央駅前まで戻ります。それにしても落ち着いた街並みです。
 もっと写真を撮っておけばよかったな・・・
  
  中央駅前まで戻って時刻は午後7時半。ヨーロッパの駅はホームに自由に入れますの
 で、ちょっと見学です。(また電車小僧か・・・by妻)
  ホームには二階建ての郊外電車が停車していました。乗客は少なく、ホームも閑散と
 しています。ヘルシンキの中央駅なんですけど、首都の駅にしてはちょっと寂しい。 

  あ、どこかで見たことのある列車がやってきました。
  これはイタリア製の振り子式電車で、ロシアのサンクトペテルブルクとの間を結ぶ、
 最新の特急電車です。アレグロ(イタリア語で「速い」)という愛称です。少し前まで
 は、トルストイ号やシベリウス号という味のある名前の列車が走っていましたが、この
 電車が登場してからは格段にスピードアップされました。所要時間は6時間弱なので、
 その気になれば、日帰りでロシアのサンクトペテルブルクまで行けます。(そんなアホ
 なことをする人はいないと思うけど。つうか、ロシアのビザが要るやん。)

  フィンランドはかつて帝政ロシア領でしたので、ロシアと同じ幅の線路(ヨーロッパ
 諸国よりも広い)が敷かれていて、ロシアとの直通列車を走らせることができるのです。
 サンクトペテルブルクはフィンランド湾の奥にありますので、船でも行けるようですが、
 鉄道で行けるとは便利ですね。いつか乗ってみたいです。


  そうこうしているうちに午後8時。まだ明るいですが、初日は時差もあるのでかなり
 疲れました。日本時間だと翌日の午前2時ですからね。この日の夜はもうレストランに
 行く気力もなく、駅構内のカフェで軽く済ませました。🍺とホットドッグ、ついでに?
 スウェーデン料理のピュッティ・パンナ(サイコロ状のポテトと肉炒めの上に目玉焼き
 が乗っているのですが、ここのは肉がほぼなかった・・・)を試してみました。しかし
 疲れていて写真を撮り忘れ、肝腎の味も忘れてしまいました。
  翌日はまたさらにハードなスケジュールが待っていますので、ホテルに戻って早めに
 就寝です。(一体どこへ行くんや?by妻)