Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2017年夏、北欧&ドイツの旅 ⑦バルト海を越えて

  台風14号が西から近づいてきているようで、3連休はお天気が悪くなりそうです。
 それ以前に、土砂災害や浸水などの被害が出ないことを祈ります。
   
  さて今日もムシャクシャすることだらけでしたが、気分転換に旅行の記事を続けます。
 2日目の朝9時過ぎ、ヘルシンキ市街中心部の港に近いマカシーニ・ターミナルから、
 ジェットフォイルに乗ってバルト海を越え、対岸にあるバルト三国の一つエストニアの
 首都タリンまで日帰り弾丸ツアー(個人旅行だけど)を敢行します。

 

  船は午前10時発。日本から予約していたリンダ・ラインという会社の便です。通常の
 大型フェリーだと2時間半かかるのですが、このジェットフォイルだと約1時間40分で
 タリンまで行けますので、せっかちなオッサンは往復ともにこれを利用しました。
  日本からチケットは予約していたのですが、乗車するためには窓口で発券しなければ
 ならないので、長蛇の列に並ぶ羽目になりました。今なら電子チケットになっていると
 思いますけど・・・タリン行きのジェットフォイルは結構な人気で、ほぼ満席状態。
 私はかなり後ろの列になってしまったので窓際の席は確保できず、船室内のトイレに近
 い席に座る羽目になりました。ほとんどが観光客でドイツ人、スペイン人、アメリカ人
 そして日本人もちらほらと見かけました。船内はフェリーと違ってかなり狭いです。
  お、乗船する頃には天気が良くなってきました。


  出発は少し遅れて10時10分過ぎ、かなりうるさい音を立ててヘルシンキの港から発進
 しました。そして、かなり揺れる。バルト海、ましてやその奥のフィンランド湾は内海
 なので穏やかなのかなと思いましたが、全然違います。ジェットフォイルは逆巻く浪の
 上でときどきバウンドするくらいに激しく揺れていました。
  しばらくするとトイレの前が慌ただしくなりました。真っ青な顔をした方々がトイレ
 に駆け込み、しばらく出てきません。アジア系のサングラスをかけた女性の方は、何度
 も出たり入ったりで本当に苦しそうで、最後はタリンに着くまでトイレの住人になって
 いました。お気の毒・・・そういえばうちの妻も船には弱かったな。おんなじような目
 にあっていたかもしれない・・・(オッサンはニブイから平気やんな。by妻)
  
  すると突然ドサッっという音がして、私の膝の上に巨体の女性が倒れ掛かり、転がり
 落ちました。隣に座っていたドイツ人のおばあ様です。(おじい様と孫娘の3人連れの
 ようでした。)立ち上がったとたんに大きな揺れが来て、バランスを崩したようです。
 私がおばあ様を起こし上げようとすると、手を振りほどいて「大丈夫よ(OK!)」と
 言って立ちあがりました。改めて見ると力士のような巨体でした。うわ、つぶされなく
 てよかったです。しかし本当によく揺れるわい。
  そういえばいつの間にかおじい様と孫娘の姿がありません。・・・と思ったら最後尾
 にあるデッキで休んでいました。(下の写真の左側) エストニアの国旗が見えます。  


  ここも当然かなり揺れて、時には波しぶきがかかるくらいですが、景色が見えて風が
 あるので船室の中よりも快適です。狭いデッキには多くの方々が集まっていました。
 しかし本当によく揺れる・・・船酔いしやすい方は、時間がかかっても大型のフェリー
 を利用される方が良いかもしれません。(せっかく目的地に着いても船酔いではね。)


  そうそう、このドイツ人の女の子(5歳くらい)はとても可愛らしく、お行儀も良く
 ておじい様とおばあ様の言う事をきちんと聞いて大人しくしていました。さすがドイツ
 人、躾がいいのかなあと思いました。それにひきかえ・・・と言ったら失礼なのですが、
 某南欧系の言葉を話す国の男のお子様は、もう落ち着きがないなんてものではなくて、
 あちこちドタバタ駆けずり回ったり、もう一人はずっと泣きわめいて「ママ、ママ」と
 お母さんにしがみついて離れません。お母さんは正直もう辟易している様子なのですが、
 諦めて子供たちにさせるがままです。お父さんは知らんぷり。オイオイ、周囲に迷惑を
 かけないようにという気持ちを少しは持ってほしいですね。お国柄と言えばそれまでか。
 見た目ではこのドイツ人のお嬢さんより大きい子供みたいに見えましたけどね・・・


  オッサンも、船酔いした人たちが青い顔をしている船室に戻るのはやめて、デッキで
 景色を見ていることにしました。ヘルシンキとタリンを結ぶ航路は、人も貨物もかなり
 の交通量があるようで、たくさんの船が行き交っていました。ソ連崩壊後、バルト三国
 は西側諸国に近づいてEUにも加盟したので、物流も観光を含めた人流も相当な規模に
 なっているのでしょう。今やヘルシンキを訪れる(日本人を含む)外国人観光客にとっ
 ても、タリンへの日帰り観光は絶好のお薦めコースになっているようです。
  しばらくすると、前方にタリンの町と思しき建物がうっすらと見えてきました。
 左手には近代的な高層ビルが見えましたが、右手の方には旧市街らしきものが見えます。

  旧市街がはっきり見えるところまで近づいてきました。教会の尖塔がヘルシンキとは
 違う印象です。小高い丘の上にあるのはお城かな?

  まもなくタリンの旧市街に近い港に到着します。いやぁ、かなり揺れましたわ。早く
 上陸したいです。到着はやはり10分遅れて11:50となりました。
  タリンの港は思ったよりも小さくて、とても国際船が寄港するところとは思えません。
 あ、そういえば入国審査らしきものもなかったような気が。フィンランドもエストニア
 もEU加盟国でシェンゲン条約にも参加しているので、相互の国境審査はないのかな。


  さて、タリンに着いたものの、どこをどう行けば旧市街に行けるのかわかりません。
 なぜかタクシーもいません。地球の歩き方の地図も今一つはっきりしないので不安です。
 (地球の歩き方の「バルト三国」版を購入しないでケチるからやで。by妻)
 仕方がないので人々が歩いて行く方角に付いて行くことにしました。(いい加減やな)
  港から歩くこと約10分、ガイドブックで見慣れた光景が現れました。

  ここが旧市街の北側の入口です。タリンの旧市街は城壁に囲まれて中世の雰囲気が
 残っているとの事。この円柱型の城砦の脇にある城門をくぐって、旧市街に入ります。

  このユニークな城砦は「太っちょマルガレータ」と呼ばれ、1529年に建てられたそう
 です。昔、ここは監獄になっていてそこの食事を切り盛りしたマルガレータおばさんが
 太っちょだったので、この名前がついたということです。人気者だったんでしょうね。

 よく言われるような月並みな表現ですが、この城門をくぐり抜けると・・・
 「まるで中世にタイムスリップしたかのよう・・・」やろ?(by妻)


 ちょっと長くなりましたので、タリン旧市街の観光は次回に続きます。