Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

今日は記念日にしました(とりとめのない記事)。

  今日の関東地方南部は暖かくて気持ちの良い青空でした。こんなにもスカッと晴れた
 休日は久しぶりな気がします。すかさず洗濯機を回し、布団を干し、プラスチックごみ
 を出し、掃除機をかけ、最後にベランダ仕事をしているともうお昼です。(はやっ)
  この暖かさで皇帝ダリアのつぼみがポンポン出てきて、しばらくは花が続きそうです。
 普通のダリアも花がきれいになってきました。やはり暑すぎるとダメなのですね。
 ちょっとブリリアントな感じのする花です。色、形ともに気に入っています。   

    

  午後からは、行きつけのガーデン・ショップ(おばちゃんしかいないけど)にクルマ
 で出かけ、バラの植え付け用の鉢と用土・肥料、病害虫予防薬などを買ってきました。
 (NHKで放送していた「植物男子ベランダー」を思い出すな~)
 もうパンジーやストックといった早春の花がいっぱい出ています。シクラメンも品揃え
 がたくさんありました。穏やかな日差しの中、年配の方々がちらほらと訪れていました。

  そして、なんとびっくり。京成バラ園の大苗をいくつか販売していました。先日見て
 きたばかりの品種がいくつかあります。さすがにフェルゼン伯爵やオッサンが購入した
 ゴージャスな品種はなく、比較的ポピュラーで病害虫や寒さに強く、育てやすい品種が
 中心でした。オッサン、なんとなく見ているうちにちょっと気になるものを見つけてし
 まい、また一鉢買ってしまいました。😝 またバラ苗が増えてしまったわ~
 (まぁ2つくらいは枯らすかもしれんから、えぇんちゃうか。by妻) 

  家に戻って、先日京成バラ園で購入したバラの大苗3種類と、今日買ったものを合わ
 せて4鉢のバラ苗を植え替えました。来年の春には花がちゃんと咲くでしょうか?
 (オッサンの手入れ次第やと思うで。by妻)
  ついでにチューリップとスイセンの球根も植えました。これまでの失敗(①球根を深
 く植えすぎて地面スレスレに咲く首の短いチューリップ。②球根の向きを間違えて葉が
 重なってしまったチューリップ。③花の色が違う球根をばらばらに植えてしまった水仙)
 を繰り返すことのないよう、慎重に植えました。(アホ)


  夕方からは久しぶりに(仕事以外で)多摩川を越えて、ニコタマ高島屋に行ってみま
 した。予想通り、高島屋が独占販売しているブルゴーニュ・ワインの「ルロワ」フェア
 をやっていました。毎年この時期なんですよね。しかし、価格表を見て悶絶しました。
 なんだこれは! マダム、これはあまりの仕打ちでは・・・

  いつも試飲させてくれた最も安価なメゾンもの(買いブドウから造る)ブルゴーニュ
 A.C(地域名格のワイン)でも、白が特価で16,500円、赤は22,000円です。ちょっと前
 までは5,000円だったのに。
  そしてドメーヌもの(赤いキャップが特長)はもはや銀河系を越えて、アンドロメダ
 星雲にまで遠ざかってしまいました。(アホ)
  村名格の最も安いワインでなんと660,000円。桁が間違っているのではありません。
 ワイン一本がオッサンの給料1ケ月分より高いとは!もう無理。こんな価格のワインを
 購入できるのは、資産家かヒルズ族か宝くじに当選した人だけでしょう。そういえば、
 オッサンが5年ほど前にボーナスで買ったニュイ・サン=ジョルジュの村名格のワイン
 は4万円弱でしたが、もはや17倍。あぁあの時もっと買っておけばよかった。(イヤ、
 その時もいっぱいいっぱいやったから、あれ以上は無理やったと思うで。by妻)
  ちなみにグラン・クリュ(特級格付)は一本150万円です。軽自動車が余裕で買えま
 す。もう笑うしかありません。高島屋さん、こんな価格でホントに売れるの? 


  もはや幻のワイン、ドメーヌ・ルロワです。オッサンのストックは赤が3本、白が
 1本しかありません。もう二度と買うことはできないので、いつ開けるかが問題。

     


  オッサンは当然何も買わずに出てきました。今日の目的はルロワのワインではないの
 です。イタリア・ミラノのお惣菜屋さん「Peck(ペック)」で今日の晩餐用の料理
 を買いに来たのでした。


  実は10/25が妻とオッサンの29回目の結婚記念日でした。平日は忙しくて、きちんと
 下準備ができないので、今日と明日を記念日ディナーにするつもりでした。オッサンは
 特別なことはできないので、美味しいものを買ってきてきれいに並べるだけなのです。
 ということで、本日の晩餐会。

   

  メインは赤魚のソテー、イタリア風の野菜和え。赤魚は結構厚みがあり、食べ応えが
 十分ありました。皮が苦手なオッサンはぴり~と上手に皮を剥いて、身だけをおいしく  
 いただきました。パスタはフンギ・ポルチーニなどのキノコを生クリームで和えたもの。
 パスタの麵が太目でソースがよく絡み、ポルチーニの妖しく芳しい香りがムンムン。
  付け合わせはリゾットのコロッケ「アランチーニ」とホタテとエビのハーブ焼き。
 アランチーニは本場シチリアで食べた時はテニスボールくらいの大きさで、中はトマト
 味のミートソースとモッツアレッラチーズ、グリーンピースなどが入っていて、一個で
 お腹がいっぱいになるほどでしたが、ペックのものはピンポン玉くらいの大きさです。
 中身はモッツアレッラチーズのみ。ちょっとしたおやつレベルですね。 


  そして、この日の記念日のためにストックしておいたワインを抜栓しました。銘柄は
 私の崇敬するブルゴーニュ白の最上の造り手の一人、エティエンヌ・ソゼさんのグラン
 クリュ(特級畑ワイン)、バタール・モンラシェの2003年です。
  見てください、この黄金の輝き。もはや白ワインではありません、金ワインです。

      

  コルクを抜いた瞬間に、なんだこれは!本当に瓶口から妖しい香りが漏れ出てきます。
 冗談ではありません、開けた瞬間に花のような香りが湧き出てくるんですよ。マジか。
 まるで香水だ。少し経つと弱まってきますが、涼し気な心地よい香りが残ります。
  色は御覧の通り、琥珀を液体にしたかのような黄金色。白ワインがこのような色になっ
 ている場合、ピークを過ぎて辛くなってしまうことが多いのですが、口に含むと、なんだ
 これは!(そればっかりやん、さっきから。by妻)
  辛くないどころか、甘い。いや甘いわけではないけど、あまりにまろやかで甘く感じて
 しまうのです。たとえるなら、甘くないハチミツ(なんじゃそら。by妻)そして、酸味も
 果実味もタンニンも溶け込み、渾然一体となってまるで水のよう。水っぽいという意味で
 はなく、何の要素も突出することがなくバランスが取れているのです。上善如水(じょう
 ぜんみずのごとし)というウィスキーがあったけど、あんなイメージかもしれない。
  ゆっくり舌の上で転がすと、意外にコクがあって酒質は強い。20年近く経つ白ワインの
 場合、ヤワなワインだと抜栓後すぐに萎えて衰えてしまうのですが、このワインは抜栓後
 一時間経過しても全く衰えません。飲み口がよくて愛想がよいのかと思いましたが、鋼の  
 ような強靭さも兼ね備えています。これは凄いワインだ。
  まぁエティエンヌ・ソゼの熟成したバタール・モンラシェだから当たり前か・・・
 たぶん私がこれまでに飲んだ(ブルゴーニュに限らず)最高の白ワインの一つ(ベスト・
 スリーに入る)です。いやぁ参った。妻も飲みたかったと思う。すまんな、オッサンだけ
 で・・・(許っさん!by妻&桃太郎侍・・・古っ)
  そうだ、今思い出した。いまだにベストの地位を保っているのは、同じエティエンヌ・  
 ソゼさんのピュリニ・モンラシェ一級畑のレ・コンベットの1985年。1992年の新婚旅行
 でパリのワインショップで購入し、翌年の妻の誕生日に抜栓したものです。確かその時
 もこんな感じの色で、最初は「腐っているんちゃうか?」、と妻と顔を見合わせたのを
 覚えています。しかし口に含むととんでもない豊潤さで、口の中が「旨味の波状攻撃」
 で麻痺してきました。たぶん今回のバタールよりも熟成の早い段階だったので、分厚い
 果実味が残っていたのでしょう。その時までは白ワインといえば酸っぱいシャブリか、
 ミュスカデ、甘いドイツワインしか飲んだことがなかったので、衝撃的な味わいでした。

  その後、妻と一緒に初めてブルゴーニュに行った1996年、ピュリニ・モンラシェ村に
 あるエティエンヌ・ソぜさんの自宅の前を偶然通りかかりました。オッサンは、番犬に
 吠えられてしまい、それを見ていた妻が「やっぱり犬猿の仲やな」と言っていました。
  昔はちょっと古風で郷愁をそそるエチケット(ラベル)だったのです。懐かしい。


  おお、そういえば、エティエンヌ・ソゼさんの当時の当主、ジェラール・ブドさんが
 日本屈指のワインショップ・エノテカさんの招きで来日した時、その試飲販売会にも妻
 と一緒に行きました。そういうご縁?もあって、エティエンヌ・ソゼさんはオッサンの
 お気に入りの生産者なのです。(どうでもいいけど、独走し過ぎて誰もついてこれんの 
 ちゃうか?by妻)・・・スミマセン、また調子に乗ってしまいました。


  食後はチーズプレートで。これも久しぶり。アンデルセンのクルミパンと、枝付きの
 ドライレーズン、シーズン最後の和梨(南水)を合わせて。
  チーズは左から、ヤギの乳から造るシェーブル、スイスのハードタイプチーズ、珈琲
 で表面を味付けしたハードタイプチーズ、ノルマンディーのカマンベール、羊の乳から
 造る青かびチーズのロックフォールです。どれも熟成のピークなので、匂いがすごくて
 食べごろです。妻はトロトロのウォッシュタイプと、凝縮したシェーブルが好きでした。
 熟成したシェーブルは縮んで小さくなりますが、旨味が凝縮されて塩キャラメルのよう
 な味わいです。外皮は苦いので、取って食べたほうが無難でしょう。(オッサンは皮が
 苦手だから、なんでも剥いて食べるんやな。by妻)

   

  結婚記念日ももう29回目。一人で過ごすようになって9回目か。
  ワインに興奮してアホな記事を書いてしまったけど、やっぱり毎年この日は特別だ。
 今更何をどうするわけでもないけど、大切にしていかないとね・・・
  さぁ明日は墓参りに行こう。(たまには美味しいもん持って来い!by妻)