久しぶりに関西の旅 ⑤奈良:興福寺の駆け足観光~2~
今週はちょっと疲れたけど、なんとか無事終了。日曜日には今年最後の墓参りの予定
です。いや、年末にも行く予定だから最後ではないかな・・・
さて、今日はいつものノリ?で関西の記事を続けます。奈良の興福寺の途中でした。
前回記事にした南円堂、北円堂、三重塔は前座です。(失礼なこと言うたらあかんわ)
次はどちらも国宝建築である有名な五重塔と、唯一通常公開されている東金堂を見学
します。写真左が東金堂、右の塔が五重塔です。
その前に、最近解体修理された「中金堂」という大きな建物がありますが、こちらは
内部見学できませんでしたので、外観だけです。元々は奈良時代の創建時に、興福寺の
主たるお堂として建てられたものですのでとても大きく立派な建物ですが、江戸時代の
1717年に焼失した後は財政難のため再建できず、小さな仮の金堂を建てて代わりとして
いたそうです。ようやく平成の時代になって仮金堂を解体し、発掘調査を経て奈良時代
の創建当時の姿に復元することになり、平成30年(2018年)にこのように ↓ 再建された
のです。復元されたことは良かったとは思いますが、綺麗になり過ぎてなんとなく有難
みがなくなった感じ。(古いもん好きなオッサンやからな。でもそんなことを言うたら
修復してくれた人たちに失礼やで。by妻)
さて、それでは国宝の五重塔をじっくり眺めます。(パンダはいらんやろ。by妻)
私の写真もえぇっちゅうの。(by妻) これがないと、ちょっと寂しいからね。
五重塔は奈良時代、興福寺創健者である藤原不比等の娘(皇后になった人)の発願で
建造され、何度か焼失と再建を繰り返したそうで、現在の建物は室町時代の1426年に
創建当時の場所に再建されたそうです。もう600年近くこの地に建っているのですね。
日本で二番目に高い塔で(一番はどこや?)、南都奈良を代表する建築となっています。
※日本一 はたぶん京都の東寺の五重塔ではないかな?
ここも残念ながら内部は見学できませんが、外観を見学するだけでも十分素晴らしさ
を感じます。奈良時代の優美な様式を再現しつつも、再建当時の特徴である豪壮さとを
併せ持つといわれています。そういわれると、なんとなくそうかなと思いますね。
さて、建物自体も素晴らしいとはいえ、やはり内部の見学ができないとやや欲求不満
になってきます。現在、興福寺の伽藍の中では、東金堂(とうこんどう)だけが一般に
内部公開されています。奈良時代の726年、聖武天皇が叔母様の病気快癒を祈って建造
されたといわれており、現在の建物は1415年に再建されたものだそうです。
前面を吹き放しとした寄棟造で、やはり創建当時の様式を残しているそうです。地味
な建物に見えますが、近くでよく見るとなかなか優雅な感じがします。
では、入場料を払って内部を見学いたします。内部は撮影禁止ですが、国宝の仏像が
本来あるべき場所に設置されているので楽しみです。祭壇画が教会にあるのと同じ感覚
だと思います。
東金堂内部には、ご本尊である薬師如来像をはじめ、国宝・重要文化財の仏像があり
ます。薬師如来像は銅製で、重要文化財に指定されています。東金堂が再建された室町
時代の作品です。キンキラキンの大きな後背にも、仏様の浮彫が施されています。
あ、当然撮影禁止ですので、ネットにある写真を掲載させていただきます。
薬師如来様の両脇に立つ、日光菩薩・月光(がっこう)菩薩の銅像も重要文化財です。
実はこのご本尊様たちを差し置いて、ここでは脇役のほうが国宝に指定されています。
まずはこちらから見て薬師如来様の右側にある小さな木像の「文殊菩薩」です。
小さいといっても高さは1mくらいあります。それだけ薬師如来様が巨大なんですね。
智慧・学問をつかさどる仏様ということで、とても理知的なお顔をされていますね。
しかも若者のような風貌をされています。文殊様は、お釈迦様の実在の弟子のひとり
なんだそうで、この仏像は古くから学問僧の信仰を集めていたそうです。鎌倉時代の
著名な仏師、定慶(じょうけい)の作と言われているそうです。檜材の寄木造りです。
続いては薬師如来様の向かって左側の木造彫刻、維摩居士(ゆいまこじ)像です。
こちらは壮年のオッサン(失礼)のようで、ちょっと気難しいお顔ですね。こちらも
鎌倉時代の定慶さんによって作られたもので、国宝に指定されています。像の中から
出てきた墨書の記載によると、1196年に定慶が53日かけて彫ったということです。
こちらも同じく檜材の寄木造です。
「ちょいとお前さんたち、よく聞きなせぇよ!」と声をかけられそうな感じです。
とてもリアルで人間的な表情豊かな仏様ですね。でもオッサンの説教はイランけど。
続いては四天王像、持国天、増長天、広目天、多聞天の木像で、すべて国宝です。
堂内の須弥壇の四隅に配置されています。平安時代の作品だそうです。頭上から足元に
至るまで、檜の一木造りの豪壮な彫像です。
増長天さんと広目天さんのお二人に登場いただきましたが、いずれも法輪の後背には
火焔をつけ、鉾や刀のような武具を持ち、足元の邪鬼を踏みつけながら鋭く睨みをきか
せています。このすべてが一本の木から彫り起こされているのですね。凄いです。
最後は十二神将像です。薬師如来様をお守りする武将様たちで、薬師如来様の左右に
6体ずつ配置されています。そのうちの一人、伐折羅(ばさら)大将は草履を履いてい
て、とても躍動的な像となっています。ちなみに12人それぞれに干支(えと)が表現
されており、伐折羅大将は「戌(いぬ)」なんだそうです。
小さくて見づらいですが、12神将様たちが勢ぞろいです。オッサン、もう誰が誰なの
かわかりませんが、皆さん豪壮で迫力がありますね。これも平安時代の作です。
さらに見づらくてすみませんが、簡単な配置図を載せておきます。薬師如来様を囲む
仏像の一覧です。全部が国宝・重要文化財です。凄いお宝の集まる空間ですね。
奥の方にある像はよく見えませんでしたが、それでも十分素晴らしかったです。
東金堂の正面の吹き放し部分です。扉を開けるととても開放的です。
東金堂と五重塔を一緒にパチリ。なかなか絵になりますね。どちらも築6000年です。
興福寺の見学はこれで終わりではありません。興福寺にはまだ、大事なものが残って
います。最後に、国宝館という博物館のようなものがありますので、それを見学します。
東金堂とセットの割引入場券でした。そこで、あの有名な国宝に出会えます。
いいところで、「続く」やろ?(by妻)・・・スミマセン。
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