Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2017年夏、北欧&ドイツの旅 ㊽ヴュルツブルクを二時間で観光 ~1~

  年末も押し迫ってきましたが、ドイツ旅行の記事を追い込みに架かります。(別に
 今更どうだってえぇやん・・・by妻)
  ローテンブルクから、ロマンティック街道の北の入口であるヴュルツブルクに戻って
 きました。再び駅のコインロッカーに荷物を預けて、約二時間の市内観光に出かけます。
 人口1万人にも満たない小さな城壁の町ローテンブルクから、人口10万人のヴュルツブ
 ルクにやってきますと、とても大きな町に来たという感覚になります。ここは中世から
 ヴュルツブルク大司教のおひざ元として栄えた町で、カトリックの町です。大司教様の
 居城であったレジデンツ(宮殿)のほか見所がたくさんありますが、オッサンに残され
 たのは二時間のみですので、テキパキと効率よく観光しなければ・・・(そんな観光の
 仕方をしてたら楽しくないんちゃうか?by妻)
  駅前から延びるカイザー(皇帝)通りを路面電車に乗って中心部に向かいます。 

  路面電車に5分ほど乗っていると、町の中心街のシェーンボルン通りに入ってきます。
 ここはオシャレなお店が続き、人通りがとても多くてにぎやかです。ここは路面電車と
 歩行者・自転車だけしか通れないのかな?ヴィデオの画像なのでちょっとボケています。

  このショッピング通り沿いに、著名な教会がありますので最初にそこを見学しました。
 ノイ(新)ミュンスター教会です。ここはヴュルツブルクの守護聖人である聖キリアン
 様のお墓の上に11世紀に創建されたというロマネスク様式の教会です。しかし18世紀に
 大改築され、大きなドーム屋根と赤い砂岩でできたバロック式のファサードを付け加え
 たそうなので、そんなに昔の教会のようには見えませんでした。入口がちょっと道路よ
 りも高いところにありますので、脇の階段から登っていきます。 ちょっと真ん中部分
 が凹んでいるようなファサードですね。     

     

  内部は白を基調にした壮麗な感じで、主祭壇はキンキラキンです。かなり大きな教会
 です。天井からキリストの磔刑像が吊る下がっています。

  この教会の宗教画はちょっと油絵のような彩色で、キリスト教美術の絵画とは思えないモダンで斬新さを感じます。

  中央祭壇の彫刻は普通っぽい感じですが、大理石柱に囲まれててゴージャス感あり。

     

  しかし、ここで最も有名なのはリーメンシュナイダーさんの木彫「聖母子」像です。
 やっぱり表情が生き生きとしていますし、とても自然な感じがします。

  もうひとつ、珍しいキリストの磔刑像があります。十字架に釘で打ち付けられている
 はずの両手が外れていて、胸の前で折り曲げています。かなり陰惨な彫像ですね。

  そしてこのノイミュンスター教会には12世紀の回廊が残っている中庭があります。

  ここには、ほとんど観光客らしい人がいませんでした。かなり空いていました。
 そして、続いてすぐ隣にある大聖堂(ドーム)に参ります。あ、これはちょっとツルン
 として新しい感じがします。第二次世界大戦後に修復されたものでしょうか?
  創建は11~12世紀頃のロマネスク様式らしく、この時代からヴュルツブルクが繁栄を
 し始めたということではないかと思います。司教座がおかれたのもこの頃なのかな?
 調べたところ、司教座がおかれたのは8世紀ですが、ここの大司教が世俗権力としての
 力を持つようになったのが12世紀の頃らしいです。その頃から町の発展がはじまったの
 でしょう。しかし、中世カトリックでは司教も世俗権力者になれるのですね。

     

 内部はシンプルですが、所蔵品は一流のものがあります。

  この教会の身廊の柱部分には、歴代のヴュルツブルク大司教様の彫像が刻まれた墓碑
 があります。そのうちもっとも有名なものは、やっぱりこの街出身の天才彫刻家である
 リーメンシュナイダーさんの作品です。ローテンブルクの聖ヤコブ教会の祭壇彫刻ほど
 高名なものではありませんが見どころの一つとなっています。大司教はこの街の支配者
 ですから、リーメンシュナイダーさんも頼まれたら断れなかったのでしょう。やっぱり
 聖書の著名な場面を描写したものと、権力者の彫像では気合の入れ方が違うようですね。
 (そんなことないと思うで。さすがにいい加減なものは作らんやろう。by妻)

    


  続いてもう一つこの街の有名な教会、マリエン教会を見学しました。大きなマルクト
 広場に面した、これまた巨大な教会です。しかし市の立つマルクト広場は非常に広いの
 で、建物の全景を写真の収めることができました。この教会は14~15世紀に建てられた
 後期ゴシック様式で、少し時代が新しいようです。赤レンガを積み重ねた高い塔が目立
 ちます。ここの入口にはリーメンシュナイダーさんの「アダムとイヴ」のコピーが飾ら
 れているそうです。

    

  オッサンは気が付かずにスルーしてしまったので写真を撮っていませんでした。
 ネットに写真がありましたので、参考までに掲載いたします。

      

  この教会は窓からの光が堂内を照らしていて、明るい雰囲気がしました。

  

  教会を3つもハシゴしてしまいましたが、どれも特徴があって面白かったです。
 この後はマイン川にかかるアルテ・マイン橋に向かいます。あ、その途中にひっそりと
 佇む市庁舎がありました。「ラートハウス」と書いてあるのでわかりました。人通りの
 少ない路地裏みたいなところにありましたが、こんな目立たないところで大丈夫なので
 しょうか?あ、やはりここにも地下に「ラーツケラー」という宴会場があります。今は
 観光客向けのワイン酒場になっているようです。惜しいな、もう一泊したら寄れたのに。
 (無理無理!by妻)

     

  アルテ・マイン橋のたもとに着きました。あ、先ほど見てきた大聖堂からまっすぐに
 来ればよかったのですね。この辺りでは観光客が増えてきました。

  おお、なかなかいい眺めです。マイン川(ライン川の支流)の対岸の丘には、大司教
 の昔の居城であったマリエンベルクの城塞が見えます。ここはマイン・フランケン博物
 館になっていてリーメンシュナイダーさんの傑作彫刻(マリエン教会の「アダムとイヴ」
 のオリジナルなど)を鑑賞できますし、高台からヴュルツブルクの町を一望できるそう
 です。オッサンもぜひ行きたかったのですが、坂道をエッチラオッチラ片道30分以上を
 かけて行かなければならないそうなので、観光する時間の足りないオッサンは泣く泣く
 諦めました。そういえば学生時代の卒業旅行で来た時にも雪が降っていて寒いからって
 行かなかったな・・・(オッサン、苦労するのが嫌いやからな・・・by妻) 
  要塞の下の斜面にもブドウが植えられていますね。さすがフランケンワインの産地。


  この橋も由緒あるものらしく、欄干には12体もの聖職者の像が飾られています。
 (行ったことはないですが、有名なプラハのカぺル橋みたいな感じです。)   

  一番真ん中にあった偉い人っぽいのが、聖キリアン様かなぁ。はるばるアイルランド
 から7世紀にやってきて、この辺りを闊歩していたゲルマン民族のフランク族に布教を
 した方だそうです。おかげでこの地はキリスト教の信仰の中心地になったのですね。

  アルテ・マイン橋の上はこんな感じです。ここを渡ってマリエンベルク城塞まで行く
 観光客が多いようです。オッサンもあと2時間くらい時間があれば行ったのにな・・・


  さて、ここまでで約1時間費やしてしまいました。残り1時間はヴュルツブルクの最大
 にして最高の見どころ、歴代大司教の居所であった大宮殿のレジデンツ(世界遺産)を
 見学に参ります。2017年夏の北欧・ドイツの旅も、レジデンツを見学してフィナーレと
 なる見込みです。(なんや、見込みって?もう終わりちゃうんか?by妻)