Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

ブラーヴォ、MET!

  ※昨夜書いた記事ですが、誤字(かな漢字変換ミス)が多く、最後の方は支離滅裂な
   文章になっておりましたので、訂正いたしました。スミマセン。
   (酔っぱらって書いているからやで。by妻)


  今日は午後から東京・赤坂乃木坂にある国立新美術館まで行ってきました。
  目的はこれ ↓ です。

  ムラゴンのブロガーさんの記事で知った、米国NYの誇るメトロポリタン美術館展で
 す。いやぁ、さすがは現在世界最強の米国、この展覧会には参りましたよ・・・


  だって入館したらすぐ、いきなりフラ・アンジェリコですよ~
 15世紀前半のイタリア・フィレンツェで活躍した敬虔な修道士画家です。キリスト教の
 ことは若干胡散臭く感じなくもないオッサンですが、人類の歴史に残るほどの名画を残
 したこの方や、ブルゴーニュの銘醸畑を開墾した名も無き修道士たちには感謝です。
 (どこまで自分本位なオッサンなんや? by妻)
 あ、下の写真はいずれも図録から引用したものです。現地では写真撮影はOKなのかも
 しれませんが、日本で開催される展覧会では、ほぼすべてNGなんですよね・・・


    

  涙を流しながらキリストの生涯の絵を描いたというフラ・アンジェリコさん。いつ
 の時代にも純粋無垢な人っているんだな、と思った次第です。息子の無残な死に直面し
 気絶しているマリア様が痛ましい・・・
  この絵に描かれたキリストは、無敵の神に等しい神々しいキリスト像ではなく、人間
 の血が通ったルネッサンス時代の精神を表しつつ、画家の真摯な信仰が芸術に昇華した
 キリスト像なのでしょう。
 (また始まったぞ、オッサンの知ったかブリブリっ子の「ウンチク」が・・・by妻)


  はい、フラ・アンジェリコがあるのなら、この方の絵もありましたよ。さすがにMET
 だね。そういう配慮があるのは当然として、その絵が無ければ配慮しようもないからね。
  ということで、こちらは「生臭坊主」の修道士、フラ・フィリッポ・リッピさんです。
 (そういえば妻は彼のことを「タラった・ラった」と言っていました。意味不明です。)

    

  はい、聖母子像なのですが、なんだかアンニュイなマリア様と、小生意気そうなガキ、
 もとい聡明そうなイエス・キリスト様です。
  ちなみにフィリッポ・リッピさんは画才は優れていたものの、修道士としては失格で、  
 なんと修道女に恋をして、子供まで産ませてしまったのでした。😱
  戒律の厳しいフランスの修道院では無理でしょうが、そこはなんでもOKのイタリア、
 「まぁそんなこともあるよね」みたいなノリで?還俗できたのかもしれません。 
  ちなみに、生まれた息子フィリッピーノも優れた画家になりました。
 (オッサンはアンジェリコ様より、フィリッポ・リッピ派やろ?by妻)


  イタリア・ルネサンスをもう一枚。ヴェネツィアの画家、ティツィアーノさんの有名
 な「ヴィーナスとアドニス」の一枚です。たぶん、最も完成度の高い作品はヨーロッパ
 の著名美術館にあるのでしょうが、その模作というか習作のような感じです。

  ヴィーナス様は面食いらしく、美少年好みだったようですが、彼女が必死に止めるの
 も聞かず、ノコノコと狩りに出て行った美少年アドニス君は、森の中で偶然ディアナ様
 (男嫌いのアルテミス様)の水浴シーンを目撃してしまい、その罪?によって飼い犬に
 食い殺されてしまいました。おっかねぇ・・・(オッサンはおっ金ねぇ~やん。by妻)


  イタリア・ルネッサンスのあとはフランドル・ルネッサンスの特集です。
 まさか、こんな絵が来ているとは・・・

     

  世界にも30数点しか作品がなく、幻の名画家と呼ばれた、ヨハネス・フェルメール
 様の晩年の作品がありました。これはノーマークでした・・・
  この絵は「カトリックが世界を制覇する」ことを予言するものでしたが、フェルメ
 ールさんが暮らしていた当時のオランダでは国教がプロテスタントで、カトリックは
 認められていませんでした。カトリックの守護者を任じていた宗主国スペインとの間
 の血みどろの独立戦争を勝ち抜いたオランダの人にとっては、憎き敵国の宗教などを
 信じるやつは非国民扱いだったのでしょう。(ウクライナでも似たようなことになり
 そうですね・・・) でも地球儀を足で踏んづけるのは、ちょっとやり過ぎでは?
 
  お次はフランドルを代表する画家にして、フランドル公国の外交官でもあった人、
 ペーテル・パウル・ルーベンス様です。
  お題はお決まりの聖母子にあいさつする聖人(この絵では聖フランチェスコ)たち
 を画面に入れた、二重の意味で非現実的なシーンを表した絵ですね・・・
 重要な順に、聖母子(キリストとマリア)、聖家族(マリアの父母のアンナとヨゼフ)
 洗礼者聖ヨハネ(キリストと同世代なので赤ん坊の姿)、ここまでが新約聖書に登場
 する伝説?の聖人たちです。この方々に次ぐ存在として、後世のキリスト教会に貢献
 したとされる聖人が一緒に画面に登場するケースが多いのです。この絵の場合は、9
 世紀に実在した、アッシジの聖フランチェスコさんが登場しています。


 ルーベンスときたら、お次はこの方しかおらんわな・・・

   

  これはやっぱり妻のサスキアをモデルにした絵なのかな?題材は花の女神フローラ様。


  イタリア、フランドルときたら、続いてはフランスです。
  お次はこの展覧会のパンフレットに登場しているジョルジュ・ド・ラトゥールさんの
 作品「女占い師」です。詐欺女たちが窃盗を働く緊張の一瞬を切り取った絵ですね。

  うん、横目で見ている頭巾を被った女性は、パリのルーヴルにある「いかさま師」と
 同じ人のように見えます。


  お次はバロック時代を通り越して、18世紀のロココの時代へ・・・フランス革命が
 起きるまであと30年・・・こんな楽しそうな人生を送れる時代が来ますように。
  この絵はブーシェさんの手になる「ヴィーナス(ギリシア名はアフロディーテ)の
 化粧」のシーンです。       

    

  この後も美術史をたどるような、質・量ともに素晴らしい作品が目白押しです。
  最後は印象派の巨匠たちの作品がいっぱいありました。マネ、モネ、シスレー、
 ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン・・・ 一通りありました。    

  上はクロード・モネさんの晩年の連作「水連」です。似たような絵が世界にたくさん
 ありますが、ここのはまだなんとか水連の姿が保たれているようです。


  このほか、スペインの画家(ギリシア人のエル・グレコ、ムリーリョ、ベラスケス、
 ゴヤ)、英国の画家(ターナー、レイノルズ)もあり、さながら西洋美術史を、時代を
 追って辿っていくような感じの展覧会でした。
  いやぁ、さすがは世界に冠たるメトロポリタン美術館。まさかこのように凄い作品が
 来日しているとは・・・世界最強の米国の底力を見せつけられました。ぜひこの調子で、
 ウクライナの人たちを助けてあげてくださいよ。VIVA! U.S.A!
 (でもオッサンはどっちかっつーと、米国嫌いだったよな・・・by妻)