Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

最終回:黒部峡谷トロッコ列車に乗って・・・

  そろそろ読まれる方も飽きてきただろうと思いますので、今回で飛騨地方+富山の
 旅日記は最終回にします。長くなるかもしれませんが、ご容赦くださいませ。


  宇奈月温泉に泊って翌朝、朝7時に朝食を取り(旅館の方を急かしてしまい申し
 訳ございません)、7時50分発の黒部峡谷鉄道に乗り、黒部川上流の欅平(けやき
 だいら)に向かいます。
  この鉄道は、関西電力が黒部川に水力発電用ダムを建設するために作ったものを、
 観光需要を見込んで一般に開放したのがはじまりなんだそうです。ですので、今でも
 沿線にあるダムや関電の設備に勤務する方々が普通に利用されており、観光シーズン
 だけは一般人が大挙して訪れる観光路線となるという感じのようです。
  昔から「トロッコ列車(ひょっとしたら元祖かも?)」で有名でしたが、現在では
 屋根のある特別車両も何両化連結されて、13両の長大編成になっています。これを
 二台の電気機関車がけん引して、約20Kmの区間(標高差365メートル)を一時間
 20分かけて(自転車並みのスピードで)登っていきます。線路幅は新幹線の半分位
 と言っていました。ナローゲージっちゅうやつですか?だから車内もやや狭いです。 

  朝いちばんの列車なので、宇奈月温泉に泊っていた方と、関電に勤務する方々しか
 乗ることはないのでたいへん空いています。行きは屋根のある特別車両に乗って、朝
 から宇奈月ビールをぶしゅ!オイ! 爽やかな清々しい空気を満喫できます。

  宇奈月温泉駅を出てすぐ、黒部川にかかる赤い大きな橋が見えます。やまびこ橋と
 いうそうです。橋の上からトロッコ列車に向かって手を振る人が見えました。

  
       ほどなく黒部峡谷の絶景が現れます。まずは「🐵の吊り橋」↓ 。え? おサルさん
 専用の橋なんて、聞いたことがないですね。これは、上流にダムができたことで川幅
 が広がってしまったので、サルが行き来できなくならないよう配慮して作られたそう
 です。(ホント? アンタ=おサルさん、試しに渡ってみたらええやん! By妻)

  確かに凄い絶景で迫力ある車窓風景が続きますが、途中でなんの脈絡もなく?突如
 として大きなダムが現れるのでびっくりします。そうなのです、ここには厳しい自然
 のなかに、人間の技術と労苦によって驚嘆すべき近代的な設備がつくられているわけ
 です。つまり人工的なものが加わったうえでの姿になりますね。そこが、絶景は絶景
 でも、白神山地と根本的に違うところです。こんなところにまで線路を敷いて、木を
 切り出してダムを作って・・・ついでに温泉も引いて、人間ってすごいね。

    


  あ、言い忘れましたが、このトロッコ列車では、観光客向けのアナウンスとして、
 富山出身のタレント室井滋さんがハイテンションでいろいろ解説をしてくれますので
 (ちょっとやかましいけど)、参考になります。


  途中、スイッチバックの駅もあったりして、鉄ちゃん&鉄子も盛り上がること請け
 合い。しかし後半は山深く分け入るのでトンネルも多くなってきます。この路線は、
 冬は豪雪のため運休になるのですが、途中の橋などの一部は、雪崩対策としてなんと
 線路をいったん撤去してトンネルも封鎖するということです。うわぁ維持管理費用も
 大変なことになるでしょうね。さらに驚くのは、冬の間鉄道は運休でも、関電の方々
 は勤務継続なのだそうです。下の方ではこの鉄道の線路を歩き、途中からは線路に沿
 って建設された地下道を通って歩いて終点の欅平まで行くのだそうです。えぇ~!
 なんと所要10時間。頭が下がります。電気、無駄遣いしたらあかんな・・・
  そんなことを考えながら、終点の欅平駅に到着。標高は600メートルとさほどでは
 なく眺望が開けた台地のようですが、それでもかなり山深く登ってきた感じがします。
     

    


     ここからハイキングコースとして、猿飛峡や祖母谷(ばばだに)まで行く
    道がありますが、先月の大雨の影響で通行止めや工事をしている場所があり、
    アクセス可能な範囲で見て回ることにしました。


     最初に行こうと思っていた猿飛峡という観光名所は通行止めで行けず、手前
    の河原まで行って引き返すことになりました。それでも十分ワイルドで迫力が
    ありました。観光客はちらほらです。時間が許せばいつまでも見ていたい風景。

     

   とはいってもそうはいきません。引き返して、祖母谷方面へ。距離はありますが
  道は緩やかなので万人向けのハイキングコースですね。しかし私は時間がないので
  人食い岩から名剣温泉まで行って引き返すことにしました。
   人食い岩は、崖が道の上を覆いかぶさるようになっているところが、道行く人を
  食べてしまうようにみえることから名づけられたそうですが、万一の災害時には危
  険なので現在工事中です。たぶん、かつてのようなワイルドさは失われてしまうで
  しょう。安全確保と、絶景を堪能することの折り合いをどうつけるのか?    

  
  名剣温泉まで約30分歩き、揚げたての山菜の天ぷら蕎麦を頂いてから 欅平まで
 戻ります。 なかなか美味しかった。ウド、コゴミ、ゼンマイとか・・あとは忘れた。


        帰りは途中の鐘釣駅で降り、有名な河原の露天風呂に行ってみます。
  途中、「万年雪の展望台」というところがありましたが、予想通りこの猛暑なので
 万年雪は消失してまんねん(アホ)。消失してマンニネン(フィンランドのノルディ
 ックスキーの選手。日本選手の良きライバルでした。どうでもいいか)・・・
  写真では滝のようになっているところが、マンニネン雪のあったところだそうです。

  
  しばらく歩くと道は行きどまり。ここから河原に下っていくと、渓流の河原に温泉
 が沸いているところがあるのです。下りはいいですが、帰りの上り道がしんどそう。
 でもここまで来たら行かずにはおれない私、足元に注意しながら河原までたどり着き
 ました。なんと崖の上に監視員のいる小屋があって、すかさず監視員さんが近寄って
 きました。奥の洞窟のようなところが温泉になっていること、今日は川の流れが急で、
 水量も多いので大きな岩より先には行かないことなどを教えて頂き、それを厳守して
 温泉を楽しむことにしました。ちなみにオープンバスなので水着着用です。(そんな
 の持ってきていたんか、そういうことだけは準備ええな・・・By妻) 
  御覧の通り、日の加減で水が青いんです。でも温泉です。いい湯加減です。あぁ、
 めっちゃ気分えぇ。
   

   

   私の他には子供連れの家族が一組だけ、見物だけのカップルが何組か現れました
  が、温泉に入る人はいません。なんか自分がアホみたいに思えましたが、まぁええ
  か。本当なら(コロナの影響がなければ)かなりの観光客でひしめきあっているの
  でしょうが・・・イヤ、変なオッサンが一人お湯に浸かっているので、皆な引いて
  しまったのが実態かな。妻がいても、この環境ではきっと入らなかったでしょう。
  「おサルさん一人で入っとき」、と言われているのは間違い有馬温泉(アホ)。

      


   野趣あふれる渓流間際の露天風呂をしばらく楽しんでいましたが、名残惜しや、
  そろそろ本当に帰る時がやってきました。ここから6時間後には家に着いてしまう
  なんて、びっくりですが便利な時代になりました。
   
   にわかに思い立って決行した3泊4日の旅。コロナの影響が大きく普段の姿とは
  違っているところも多かったのではないかと思いますが、限られた条件のなかで、
  今許されていることを自分なりに取捨選択し、楽しむことができたように思います。
   妻も許してくれる・・・かな? イヤ、飲み過ぎは許さん(桃太郎侍モード)!


   こんなしょうもない旅ブログにお付き合いいただき有難うございました。
   次はいつ、どこへ行こうか・・・(知らんわ、By妻)
   その頃には、普通に誰もが行きたいところに行けるようになっていてほしいです。