Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2022年夏:礼文・利尻島の旅 ⑮利尻島:雲丹御殿の夕食

  今日はおおむね涼しい一日だった関東地方南部。8月も終わりに近づき、そろそろ秋
 の気配が漂います。9月はまだ暑さがぶり返す日もあるかもしれませんが、確実に夏も
 終わろうとしていますね、なんだか寂しい気がします。


 夏の思い出じゃないけれど、7月の礼文・利尻島の記事を続けます。
  ようやく利尻島の旅館、その名も「雲丹御殿」に無事たどり着いたオッサン、気合い
 を入れて夕食に臨みます。(そんなこと言っても、出されたものを食べるだけやんな、
 気合いもへちまもあるかいな。by妻)
  
  夜の海と鴛泊の港を望むカウンターの特等席には、オッサンの他に単体のオッサンが
 3人ほどいました。それぞれ事情は違うと思いますが、3連休の中日(ちゅうにちじゃ
 なくて「なかび」ね)に、はるばる利尻島までやってきて、一人で黙々と食事をしてい
 るオッサンたち。まぁ私もそうなんですけどね・・・この日はカップルは少なく、子供
 を連れた家族が何組か宿泊していました。
  さて、既に席には食前酒と前菜などが並べられていました。数名の従業員もいますが
 基本は家族経営の旅館ですので、食事の支度や後片付けも大変だろうなと思いましたが、
 旬の地元の食材をきちんと美しく盛り付けてくれています。
  あっ、オッサンはもう既にグラスワインの白を注文してしまいました。😝 
  チリのシャルドネです。海鮮モノには合うかなと思いまして。

  この日のメニューが印刷された紙がありました。実は、メニューに載っていない品も
 サービスで出てきました。オーナーさんの心遣いがちょっとうれしいです。

  食前酒の山ブドウの果実酒が、ほんのり甘いのですが意外にすっきりしていて美味し
 かった。先付は雲丹の炙り焼き、ホタテの塩辛などの珍味。ウニは生が最高なのですが、
 炙り焼きも絶品です。旨味が濃縮されてむせかえるような濃厚さ。外は火が通っていて
 歯ごたえのある食感ですが、中は半分とろりとしたまま。ミステリアスな味ですね。

  冷鉢はツブ貝のはずだったのですが、蝦夷アワビとコンブの冷製澄まし汁に変更され
 ていました。これはグレードアップですね。アワビが大胆にもぶつ切りにされています。
 食べ応えがありました。煮込んでいるので食感は柔らかく、旨味がにじみ出てくる感じ
 です。オッサン、ぺろりと平らげてしまいました。

  お刺身の三点盛は、宗谷地方沿岸で獲れる魚介です。サーモン、ソイ、タコですね。
 庶民的なネタですが、やはり新鮮なお刺身は美味しいです。サーモンはコショウをまぶ 
 して少し炙ったものかな?そしてルイベのようなものを軍艦にしたものが付いていまし
 た。涼しげな一皿です。 

  おっと忘れてはいけない、生ウニもありますよ。濃厚なオレンジ色のエゾバフンウニ
 と黄色みを帯びたキタムラサキウニの盛り合わせです。一口味わうと、もう至福の瞬間
 です。ねっとりした濃厚な味わいなのに、生臭さはなく、磯の香りと旨味が波のように
 押し寄せてきます。うわっ、もう参りました。深めのガラス皿に入っているので、意外
 に量が多かったです。オッサン、あまり食べ過ぎると飽きてきますが、このくらいの量
 だとちょうどいいですね。

    

  続いては、旬の魚の煮つけということですが、頭を落としたニシンでした。かつては
 北海道の日本海沿岸にニシンの大群が押し寄せて、ニシン漁で巨万の富を蓄えた方々が
 豪奢なお屋敷や文化施設を建設したということですが、その栄光は今いずこ。かつての
 ような大漁はもう来ないようですが、それでも少しはニシンの水揚げはあるようですね。
 甘辛く煮込んであって、お約束の味ですね。なかなかボリュームがありました。

  お次は焼きホタテ貝にウニをトッピングした一品。ホタテ貝の貝柱がとても大きくて、
 甘みが強く、とても美味しいのです。青森県陸奥湾のホタテ貝もいいですが、宗谷地方
 もホタテ貝の名産地で、品質の高さは折り紙付きなのです。ウニソースがアクセントに
 なっていて、なかなか面白いです。 

  そして、食事が進んできたころ、オーナーさんが各テーブルを回って挨拶をしてくれ
 ます。そして手にしたバケツ?にはなんと黒い丸いものが! 一人に一つずつ、お皿の
 上に黒い球を置いていきます。なんと、これはホンモノの生きたウニではないですか!

  オーナーさんは「このところ海がしけていて漁に出られなかったから、小さいものし
 か出せなくてごめんね~」とおっしゃいます。イエイエ、十分ですよ。
  オーナーさんが手にしたナイフでつつーっと切れ目を入れると、ウニさんはパカッと
 真っ二つに割れてしまいました。うわぁ、ごめんね~

  いやぁ、なんだかまだ黒いとげがモゾモゾ動いているやん。オッサンは「踊り食い」
 はちょっと苦手で、かわいそうになってきますが、かくなる上は仕方ありません。意を
 決してスプーンでオレンジ色の身を掻き出します。そう、これはエゾバフンウニですね。
 6月に漁が解禁され、8月までの3ケ月しか生では味わえないのです。有難く頂きます。

  さぁ、これで終わりではありません。まだウニ尽くしの料理は続きます。
 お次は、蒸し雲丹の乗った茶碗蒸しですね。蒸したウニはちょっとズリズリした?食感
 になりますが、やはり濃厚さを中に閉じ込めていて得も言われぬ美味しさです。

  そしてオーナーさんは「雲丹が小さかったお詫びに・・・」と言って、追加メニュー 
 の生のホタテ貝を一つ開けてくれました。レモンを絞って新鮮なうちに頂きます。これ
 もちょっと食べたことのないような美味しさでした。貝紐がコリコリしてイケる。

  このあと天ぷらが出て、「雲丹の三平汁」が出てきました。澄まし汁の中に蒸し雲丹
 が入っていて、磯の香りが満載です。さっぱりしていて体に優しい感じがしました。

  そして最後に登場するのは、お待たせしましたの真打「ウニ丼」ですよ~💓

  

  コース料理の最後なので、どんぶり鉢ではなくちょっと大きめのお茶碗なのですが、
 そのご飯の上にびっしりとウニが~! 下段にエゾバフンウニ、その上にキタムラサキ
 ウニが乗っていて、ビジュアル的にも素敵です。もういろんな調理方法でかなりウニを
 頂いているオッサンですが、この生ウニ丼を前にして少し食欲が回復してきました。
 最後の力を振り絞って(おおげさやの~by妻)、チャレンジします。 
  いやもう、これは絶品です。食べても食べてもウニ・ウニ・ウニ。なかなか減りませ
 ん。この量だと、町中の食事処では5,000円くらいは取られるんじゃないかな?
 濃厚さではエゾバフンウニが勝りますが、とろけるような上品な味のキタムラサキウニ
 も捨てがたい。同じ味だといくら美味しくてもそのうちに飽きが来ますが、二種類だと
 違いを楽しめるのでなかなかイイ感じです。いやぁ、久しぶり?にウニをお腹いっぱい
 味わうことができました。ごちそうさまでした。


  デザートは自家製プリン。さすがにこれにはウニは入っていません。(当たり前)

 「ウニ尽くし」の夕食を堪能して部屋に戻り、今度は部屋で酒盛りです。(アホ)
 もうお腹はいっぱいなので、ワインだけ。持ち込んだのはブルゴーニュの安い白ワイン。
 モンタニという冴えない人気のない村のシャルドネですが、オッサンの敬愛するジョゼフ
 ・ドルーアン様がお造りになっているので、やっぱりこのクラスとは思えない素晴らしい
 出来栄えでした。お酒の飲み過ぎで、妻とアムル君(クマのぬいぐるみ)ににらまれて?
 いるような感じ・・・(前日にお風呂で転倒してけがをしたばかりやのに・・・by妻)

     


  でもこの日はさっと飲んで、少し早めに就寝しました。
 翌日はもう最終日です。最後に利尻島を一周観光してまいります。続きます・・・