秀山祭九月大歌舞伎・・・二代目中村吉右衛門丈追善
昨日は歌舞伎を観劇に行っていました。久しぶりの銀座です。
まだ外国人の入国制限があるので、C国人の姿はあまり見かけません。3連休の中日
ですが、台風の後なので人出は今一つのようです。
久しぶりの銀座なので、またGINZASIX内にあるエノテカさんに行き、ワインの試飲
をしてしまいました。😆 (こるぁ!、また調子に乗ってェ!by妻)
今日のワインは白(シャルドネ)の魅力的なセットをオーダー。ブルゴーニュの白
(ムルソーの1級)と、米国カリフォルニア・ソノマ・コーストの名門キスラーの入門
編?のノワゼッティエールです。この飲み比べは、オッサンには興味津々です。
50mlずつで2,750円でめちゃ高いのですが、まぁ昨今の高級ワイン高騰、いや暴騰に
あっては仕方がないでしょう。ヴィンテージは2020年なので、まだまだ若いのですが。
ブルゴーニュの方は少しまだ苦味があって硬い感じがしますが、それでもそのうちに香
りが開いてきて、ふくよかさも出てきました。一方カリフォルニアのシャルドネはもう
既に大きいイメージ。ボリュームとパワーはこちらの方があるのですが、奥行き感?に
少し乏しいかな。ムルソーの方が立体的で、カリフォルニアはやや平板なイメージです。
まだ若い段階なので一概に言えませんが、なんとなくイメージ通りの結果のようです。
たぶんカリフォルニアのほうがブドウが健康にすくすく育つのに対し、ブルゴーニュは
天候不順で気温が低くて霜にあたることもあったりするので、過酷な環境を生き延びた
選び抜かれた高品質のブドウから醸造されるということですので、その違いからワイン
のキャラクターに違いが出るのかもしれません。(また始まった、ウンチクが。by妻)
そうそう、この日オッサンのすぐ近くの席で、英語が堪能なチャイナのオッサンが
奥さんと思しき女性とテイスティングをしていました。一般的な外国人がまだ入国に
制限がある中ですので、なんらかのコネがある方だろうと思われます。彼らのテーブル
を見ると、ずらりと赤ワインのグラスとボトルが並び、どうも一杯1万円するボルドー
1級格付ワインの飲み比べと、イタリア・トスカーナの高級ワイン:サシカイアのヴィ
ンテージ違い飲み比べを楽しんでいるようです。失礼ながら、見たところチンチクリン
のオッサンで身なりもさほど上等には見えないのですが、うなるようにお金をお持ちの
ようで、おそらくこうした方々が現在の著名な高級ワインを根こそぎ買いあさっている
のでしょう。悔しいけれど、一般の日本人では全く勝負にならない感じです。
かつて日本人がフランスや米国でやってきたことを、今この日本でC国人に10倍?の
規模でやられているのです。日本に入荷した数少ない高級ワインは、一般的な日本人が
購入を躊躇しているうちに、転売目的のC国人ブローカーが根こそぎ購入してしまうの
だそうです(某情報筋より)。そしてある日、1万円のワインが10万円になり、5万
円のワインが40万円に値上げされるのを見て、オッサンたち日本人給与所得者のワイ
ンオタク連中は絶望して肩を落としているのが現状です。(情けな~。by妻)
まぁ、お金のあるところに高級品が流れるのは世の常。日本の国力が、相対的に大きく
後退していることをここ10数年で実感しているオッサンです。(僻んでるな。by妻)
というか、歌舞伎の鑑賞はどうしたんじゃ?・・・あ、スミマセン。つい、いつもの
ような展開になってしまいました・・・
GINZASIXから地下鉄銀座駅までは地下通路が通じていますので、雨に濡れずに駅に
向かうことができます。しかし、この連絡通路には全然人がいません。なんでだろう?
銀座駅から東銀座の歌舞伎座までも地下通路を通っていくことができます。歩いて約
10分、歌舞伎座地下に到着しました。
あれ?こんなもの ↓ を売っていましたよ。
妻がいたら絶対に購入していたな・・・(それがどしたん?by妻)
さて今月の歌舞伎座は、昨年惜しまれながら亡くなった二世中村吉右衛門さん(播磨
屋)の追善記念公演です。吉右衛門さんが養父でもある初代吉右衛門の芸を伝えるため
に毎年開催していた「秀山祭」の3年ぶりの復活にあわせての公演なのです。吉右衛門
さんゆかりの俳優たちがこぞって出演しています。
オッサンのお目当ては第三部。片岡仁左衛門丈の演ずる大星由良助、仮名手本忠臣蔵
の祇園一力茶屋の場です。日本人のメンタリティにこれほどまでに合致する演目はない
と思われます(除く勧進帳)。通し狂言「仮名手本忠臣蔵」の白眉ともいわれるのが、
この祇園一力茶屋(ぎおんいちりきぢゃやのば)なのです。
話の筋は、ご存じ赤穂浪士の討ち入り物語。しかし江戸時代に起きた現実の討ち入り
事件では、幕府の裁定で討ち入りを果たした義士たちは切腹を命ぜられていますので、
幕府の摘発を恐れて時代設定や役の名前を変えて制作されました。でも大星由良助が、
大石内蔵助を表しているのはどんなアンポンタンでもわかりますけどね・・・でもそれ
をおとがめなしとした江戸幕府もなかなかですよね。少なくとも某Pとかいう独裁者の
政府とは大違いですね。(またちょい脱線しとるで。by妻)
さて、歌舞伎座の中に入りますとロビーには二世中村吉右衛門丈の遺影が飾られてい
ました。オッサンは静かに手を合わせてから席に向かいました。
3連休ですが、天候が悪いせいかお客さんの入りは今一つ、八割くらいですかね。
見たところ若い女性が目立ちますね。コロナ後は、世代替わりしているのかも。
さてお芝居の方は、やっぱり仁左衛門の存在感が抜群です。その立ち姿、声音(こわ
ね)、立ち居振る舞い、どれをとっても絵になる。主君の仇を討つために、敵を欺き、
敢えて放蕩三昧しているように見せかけつつ、実はその時を周到に準備をしている忠臣
なのです。あぁもう書いているだけで涙がにじんできます。(オッサン、メンドクサイ
奴や。by妻)
写真は、筋書(プログラム)に掲載されていたものです。20日を過ぎる頃になると、
筋書にその月の舞台写真が入ってきますので、自分の観た舞台の写真が見られるのです。
これはなかなか良いサービスですね。舞台写真は個人で撮影できませんのでね・・・
そしてもう一人注目は、この人 ↓ です。11月と12月に2年半延期された團十郎の襲名
披露公演を控えた、市川海老蔵です。
足軽の身分ながら、討入りに参加させてほしいと懇願する血の気の多い若者、寺岡
平右衛門を演じます。狂言回しの役まわりの妹「遊女おかる」(雀右衛門)との絡みも
あって、準主役なのです。いろいろと物議をかもしている海老蔵ですが、仁左衛門丈、
そして玉三郎さんも襲名披露公演への出演(口上での盛り立て)を承諾したとのことで
すので、歌舞伎界きっての名跡にふさわしい舞台を見せてほしいものです。
祇園一力茶屋の場、といえばこのシーンですよね。密書を読む由良助、それを床下で
盗み見しようとする裏切り者の斧九太夫、隣の楼上で手鏡に写して同様に盗み見をする
遊女おかる(こういう「必要以上に事をややこしくする女」って昔からいるのですね)。
イヤ、必要以上に話をこじらせるどうしようもないオッサンが身近におるわ。(by妻)
最後は悪事がばれて裏切者の斧九太夫は手討ちされ、おかるの命は助かり、平右衛門
は討ち入りに参加を認められるという、まさにあっぱれの幕切れとなります。
終幕は、二世吉右衛門が創作を委託したという比較的新しい芝居です。
昇龍哀別瀬戸内(のぼるりゅうわかれのせとうち)、藤戸(ふじと)という芝居です。
源平合戦のさなか、源氏方の勇将佐々木三郎兵衛盛綱が、功を急いで平家を追い詰める
ために海を渡る浅瀬を漁師に尋ね、その秘密を聞き出した後に(他の人に知られないよ
うにするために)漁師を惨殺したという話から始まります。
その漁師の母が、新たな領主となった盛綱のもとに現れ、息子を返せと迫ります。
盛綱は又五郎、漁師の母:藤戸は尾上菊之助(菊五郎の息子)が演じます。
盛綱は自らの行為を認め、漁師の供養のために念仏を唱えるべく寺に向かいます。
その間、地元の漁師夫婦とその子供の踊りが繰り広げられます。子供役は菊之助の息子
丑之助君が演じました。小学校低学年と思われますが、さすが歌舞伎役者の子ですね、
結構セリフも踊りも複雑なのですが、見事に演じ切り、拍手喝さいを浴びていました。
まぁいずれは尾上菊五郎家を継ぐ身ですからね。がんばってほしい。
盛綱たちが念仏を唱えているさなかに、急に空が暗くなり怪しい雰囲気が漂います。
そしてまもなく花道のスッポン(床下)から、おどろおどろしい化け物が!
殺された漁師の怨霊が龍神の姿となって盛綱たちに襲い掛かります。
しかし、一心不乱に盛綱たちが唱える念仏の前に龍神はたじたじ・・・(ホンマ?)
結局成仏した龍神は、飛び六法(勧進帳の弁慶みたい)で引っ込みます。
そうそう、言い忘れましたが、この役は菊之助の一人二役です。前半で老婆役、後半
で荒れ狂う龍神という対照的な役柄を見事に演じ切っていました。
いやぁ、なかなか見ごたえがありました。
午後5時45分開演、終幕は午後8時50分頃でした。久しぶりの歌舞伎、堪能しました。
さぁ次はいよいよ團十郎襲名披露公演、どうしようかな・・・
(イヤ、チケット取れないやろ。by妻)
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