またまた試飲会に行ってきたオッサン・・・(えぇカモやな。エ●テカさんの。by妻)
今日もやる気が蒸発しそうなほどの熱波の関東地方南部でした。朝8時の出勤時には
もう危険なほどの暑さ。帰宅は午後10時でしたが、全く涼しくなりません。今からこれ
ではこの先が思いやられますね。明日は在宅勤務で一歩も家から出ないで済むように、
今日のうちにできる仕事は片づけてきました。
さて、今夜は一昨日の試飲会の記事です。日曜日にお盆行事で帰省するため、土曜日
はそのための準備の買い物をしていたのですが、夕方からはいそいそと銀座に出向きま
した。またしてもエノ●カさん(GINZA SIX店ではなく銀座店です)で有料試飲会に参加
してしまいました。😆 (つい数週間前にボルドーワインの試飲会に行ってきたばかり
やん。もうえぇ加減にせぇよ。by妻)
今回は、イタリア中部トスカーナ地方のシエナ県にある、キャンティ・クラッシコ
という伝統的ワインの代表的生産者、カステッロ・ディ・アマの試飲会です。しかも
当主のマルコ・パッランティさんが来日され、解説をしてくださるというのです。
会費は絶対額は安くはありませんが、試飲させて頂く予定のワインのレベルの高さと、
生産者の方のお話を聞かせて頂けるということで、料金に見合った価値のあるイベント
だと思いました。
しかし、カステッロ・ディ・アマはキャンティ・クラッシコの伝統的生産者ではあり
ません。むしろ新参者、革新的生産者なのです。と言いますのも・・・
キャンティといえば、かつては不本意ながらイタリアの安い赤ワインの代名詞でした。
本来は優れたワインを生むサンジョヴェーゼというブドウを使うのですが、1970年代の
後半までは、品質はお構いなしで生産量を極限まで増やして大量に売っていたのです。
しかもサンジョヴェーゼ以外のブドウを混ぜることも認められ、最後には赤ワインなの
に白ブドウも一定の割合まで混ぜてしまうことまで法律で認められていたのです。
そんな時代のキャンティを代表するのが、このフィアスコと呼ばれた「藁で包まれた
ボトル」です。昔はこんなワインが世界中に大量に流通していました。日本でも、よく
目にしました。色は薄く、苦くて渋いだけで深みのない平凡な味のワインでした。食事
と一緒ならばまだしも、ワインだけで楽しむにはかなり無理のある品質レベルでした。
(随分はっきりと酷いことを書くのぅ~ by妻)
ただし、中にはサンジョヴェーゼ以外のブドウを混ぜずに、生産量を落として高品質
なワインを造る優れた生産者もいました。そのような志の高い生産者のワインを選ぶ
事が重要でした。
しかしボルドーやブルゴーニュの高品質なワインが(まず米国で)脚光を浴びて評判
になった1980年頃から、一部のイタリアの生産者が刺激を受けて、ワイン造りの改革を
始めました。トスカーナ地方では一部の伝統的生産者が、サンジョヴェーゼ主体の従来
の伝統的ワインではなく、ボルドーワインに使うカベルネ・ソーヴィニヨンを主体にし、
伝統的なイタリア系品種サンジョヴェーゼを少しだけ混ぜ、生産量を落として高品質な
ワインを造り出しました。いわゆる「スーパー・タスカン(トスカーナ)」と呼ばれる
新しいワインです。サッシカイヤ、ソライアなどに代表される高品質(高価格)ワイン
の誕生です。そして、これが(米国をはじめとする)世界に受け入れられ、高級ワイン
としての確たる地位を短期間のうちに築いてしまったのです。
こうした動きは、世界の流れから取り残された冴えない田舎ワインの産地に成り下が
っていたキャンティ地区にも影響を与えました。そこで新たな動きを始めたのが、この
カステッロ・ディ・アマなどの新参者たちなのです。彼らはあまり品質に関心がない、
昔ながらのキャンティの生産者から畑を買い取り、大胆な改革を始めたのです。つまり、
つまらないワインを山ほど造るのはやめて、品質を高める方針に180度変更したのです。
まさしく、マルコさんがおっしゃっていたのですが、改革の柱は次の通りとのこと。
①品質の高いワインを生むサンジョヴェーゼ以外のブドウは引き抜き、植え替える
②優れたブドウを生む土地にのみブドウを植える(その他の土地はオリーブ用に)
③生産量を落とし、品質を上げるためにブドウの樹を密植状態にする
(ブドウの樹同士が争って根を深く下ろし、過酷な状況でパフォーマンスを上げる)
④醸造・熟成過程も品質向上のために方法を見直す(先進地域の方法を取り入れる)
結果、大半をサンジョヴェーゼに植え替えるのですが、カステッロ・ディ・アマ
では一部で新たな「実験」も並行して行いました。それは、ボルドー系の品種を植える
という「スーパータスカン」の成功例を学ぶことでした。しかしここで採用した品種は
カベルネ・ソーヴィニヨンではありませんでした。メルローという、ボルドーワイン
では補助品種として使われる品種でした。その理由をマルコさんはこう言いました。
(だみ声の強烈な関西弁のオッチャンが通訳してくれました。)
「カベルネ・ソーヴィニヨンは強すぎて、サンジョヴェーゼの特長が消されてしまう
と考え、より柔らかく肉付きの良いメルローを合わせることにしたのです。」
そして、その取り組みと実験は成功しました。サンジョヴェーゼ100%で優れた土地
で品質重視のキャンティ・クラッシコが誕生しました。いや、本来のポテンシャルを
いかんなく発揮したワインが蘇ったのです。(ただし、植え替えたブドウが十分な品質
になるまで20年はかかったそうですので、地道な努力の積み重ねだったようです。)
さらに、実験として植えたメルローがとても良い出来になったそうで、あまりに良か
ったのでメルロー100%のワインを醸造したのです。これは元あった樹を引き抜かず、
接木をしたそうですが、その方が品質の高いブドウが早くできるのだそうです。
そしてこれが、当時の(米国など)世界のワイン通や評論家から絶賛されました。
「ラッパリータ(イタリア語で「出現したもの」)」と名付けられたそのワインは、
キャンティ・クラッシコの復活よりも先に、
カステッロ・ディ・アマの名を高めること
になりました。これ ↓ ですね。
さらに、キャンティ・クラッシコの最上の畑のワインにメルローを少し混ぜることで、
サンジョヴェーゼ100%のキャンティ・クラッシコとは一味違う、独創的で特別なワイン
ができたのだそうです。その名もキャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ・
ヴィニェート・ラ・カズッチャです。
うひゃぁ、お値段もキャンティ・クラッシコのレベルを突き抜けているやん。
あ、能書きが長くなってすみません。(いつものこっちゃ。by妻)
しかし実はこれまでオッサンは、ここのワインを飲んだことがないのです。ですので
今回、この優れた革新的生産者(と言っても既に成果を出してから20年以上過ぎていま
すので、もはやその実力と名声は広く世界に知れ渡っています。)の代表的なワインを、
しかも2007年というバックヴィンテージで、イタリアワインにとっては素晴らしい年の
ワインを比較試飲できるというので、すかさず申し込んでしまったのです。😆
それでは試飲会のスタートです。会場は広くないのですが、約20人ほどのカモの方、
いやお客さんが押し掛けています。😆(あんたもそのカモの一人やで。by妻)
試飲会に提供されたのは以下の6本です。
左端は珍しいサンジョヴェーゼのロゼ。セニエ(血抜き法)という手法で、赤ワイン
用の搾汁から少しだけ抜き取ったジュースを、分けて軽く醸造したものだそうです。既
に空になってしまっています。グラスに注ぐと、こんな色 ↓ でした。淡い桜色が美しい
のですが、味は意外としっかりしていました。なかなか面白いワインでした。
その右の2つは、カステッロ・ディ・アマの主力商品。キャンティ・クラッシコの
スタンダード・ラインです。2019年のモンテブオーニという銘柄は、自社畑だけでなく
購入したブドウも混ぜて造るキャンティ・クラッシコです。もちろんサンジョヴェーゼ
100%の高品質ワイン。うわオッサンがこれまでに口にしたキャンティ・クラッシコとは
レベルが段違い平行棒です。(アホ) 香りからして素晴らしく、キャンティとは思え
ないです。いや、これこそが本来のキャンティ・クラッシコの姿なのかもしれない。
その隣はさらにワンランク上の優れたキャンティ・クラッシコ。2018年のグラン・セレ
ツィオーネ、「サン・ロレンツォ」という畑のワインです。これはキャンティ・クラッ
シコの畑の中でも特に優れた区画(グラン・セレツィオーネ)のブドウで造られます。
こちらは100%自社畑ですので、自ら手をかけて品質重視で造られたブドウのみを使って
います。こちらはさらに凝縮感と高級感が備わっていて、堂々たる風格です。まだ飲む
には早いのですが、既に美味しく感じてしまいます。これは飲んでしまうな・・・
そして残る3種は、この試飲会の目玉でした。なんと2007年の三役そろい踏みです。
まずは小結格のキャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ、ヴィニェート・
ベッラヴィスタです。直訳すると「良い眺め」?、きっと見晴らしの良い高台にある
優れた区画なんでしょうね・・・こちらはサンジョヴェーゼにほんの少しイタリア系の
品種マルヴァジーア・ネーラというブドウを混ぜているそうです。17年経過しています
が香りも味もまだまだ若々しく、まだまだ成長しそうです。ただ角は取れていて丸みを
感じますので、味わうと美味しいです。余韻も長い。これは高級ワインの味わいです。
続いては関脇のキャンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ、ヴィニェート・
ラ・カズッチャです。これが一番オッサンの好みでした。メルロが入っていると聞いた
のでちょっと先入観があったかもしれませんが、確かに前銘柄より豊満で艶やかな感じ
です。もう十分に美味しいですが、まだまだ保ちそう。マルコさんに、あとどのくらい
楽しめますか?と(通訳さんを通じて)尋ねると、「10年は大丈夫。だけど、人により
好みが違いますから一概には言えないですね。例えば洋ナシでも、熟したものが好きな
方だとまだ待ちたいでしょうし、硬い歯ごたえがある方がいい方は早めに飲んでも美味
しいと感じるでしょうから・・・」とのお答えでした。なるほど~。
ラストは、カステッロ・ディ・アマの名を世に知らしめた大関?、ラッパリータです。
うわ、これは確かに全然違うぞ。サンジョヴェーゼがゼロ、100%メルローですからね。
キャンティ・クラッシコの特長である赤いイメージよりも、紫のイメージです。香りは
ややソヴァージュというか野性的な感じですが、口当たりは思いのほかソフト。しかし
タンニン(渋み成分)が多めなので、これもまだまだ保ちそうです。
うん、これは興味深い試飲会でした。生産者の貴重なお話もうかがえ、その熱い語り
にはワインづくりに賭けた並々ならぬ情熱と誇りを感じました。しかも、滅多にお目に
かからないワインたちを比較しながら味わうことができましたのでね。エノテ●さんの
企画にも感謝ですが、やはりセレクトは生産者マルコさんのアイデアでしょうね。
こんな蒸し暑い日本までおいで下さり、貴重な機会を作って頂き有難うございます。
あ、オッサンは、まんまと●ノテカさんの策略?にはまり、記念にワインを1本購入
してしまいましたぁ😝 (カラーン・・・匙を投げた音。・・・by妻)
そしてサービスで、ボトルにマルコさんのサインをしていただきました。😀
この後、マルコさんと一緒の記念撮影もしていただきました。😀
(ホンマにもう完全に調子に乗ってるな。でもオッサンのにやけ顔が見苦しいので写真
は割愛や。by妻)
ということで、やっぱり「こりない君」のオッサン。カードの支払いの時になって、
反省会となることでしょう。😆 (いや、だから笑うとる場合とちゃうつうの。by妻)
この後、突然雷鳴がとどろき、東京都心地方をゲリラ豪雨が襲いました。オッサンは
折り畳み傘を持っていたので助かりましたが、滝のような雨が短時間で降り注いだため
銀座四丁目交差点付近も水浸し状態になりました。日本の気候に慣れていない外国人の
方々は傘を持っていない方が多く、途方に暮れた顔でビルの軒先で雨宿りをしていまし
た。あんなにカンカン照りで暑かったのに、突然こんな荒天になるとは・・・
(あまりにもオッサンが調子に乗っているから、神様も怒っとるんや。by妻)
またまたアホでマニアックな記事でスミマセン。(そっちも反省会やな。by妻)
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