ロッシーニ・オペラフェスティヴァル(過去)
ようやく週末。天気も良く、暖かくてお出掛け日和ですが、今日は一日外出せず。
朝は日課のベランダの植物の手入れをし、面倒くさい家事を済ませた後は、ピアノの
練習をしたり、クラシカ・ジャパンで録画した未視聴の映像を見て過ごしました。たま
にはこんな日もいいよね。
目についたのがロッシーニ・フェスティヴァル40周年記念のガラ・コンサートです。
音楽史上最高のオペラ・ブッファ(喜劇)作曲家、ジョアッキーノ・ロッシーニ先生を
記念する音楽祭です。そう、「セビリアの理髪師」で有名な作曲家です。
音楽祭は彼の故郷、イタリア・マルケ州にあるリゾート地ペーザロで毎年夏に開かれ
ますが、今年はコロナのせいで中止でした。ロッシーニのオペラ(喜劇だけでなく悲劇
も)ばかりを上演するというなんともマニアックな音楽祭ですが、ロッシーニファンの
私は、いつか聴きに行きたいと思っております。
ちなみにこのガラ・コンサートは2019年8月の映像との事です。
ロッシーニさんは早熟の天才タイプの作曲家で、しかも世間慣れしていたので?商売
のためとあらば、なんでもチャチャっと作曲してしまい、非常に多くの娯楽オペラ?を
残したのですが、当時は大うけでも時代を経るにつれて忘れ去られた曲も多いのです。
ということで、この音楽祭では誰も知らない彼の埋もれたオペラの上演が多いのですが、
このガラコンサートでは、比較的有名な作品が多くて楽しめました。歌手も一流でした。
ピカイチだったのは、何と言っても当代一のロッシーニ・テノール、ファン・ディエゴ・フローレス様です。オペラ・ブッファの代表作「ラ・チェネレントラ(シンデレラ)」の
王子様:ドン・ラミロのアリアです。
シンデレラの残した腕輪(靴ではない)を見つけ、家来たちにこの腕輪の持ち主を探せ
と命じたあと、「私の妻となるべきこの女性を、どんなことをしても探し出すぞ」、と
ハイ・テンションで高らかに歌う場面です。素晴らしく伸びる高音に、拍手喝采です!
ちょっと音が小さくて聴きにくいのですが、こんな ↓ 感じでした。
続いてロッシーニの出世作、オペラブッファの傑作「アルジェのイタリア女」です。
ロッシーニが21歳の頃、他の作曲家の代役のため急場しのぎで27日間で作り上げた
と言われていますが、アホ全開のドタバタコメディーを見事に音楽で表現しています。
これ ↓ は第一幕フィナーレの大合唱。なにがなんだかよくわからないですが、歌手
たちの掛け合わせが楽しいです。ソプラノ、メゾソプラノ、テノール、バスの4人の
主役級歌手が、「頭が混乱して訳が分からない!」みたいな歌詞?を歌うのですが、
柱時計の鳴る擬音をそれぞれが使い分けて、面白おかしい合唱を作り上げています。
こちら ↓ が主人公のアルジェのイタリア女イザベッラ嬢。海賊にさらわれ、アルジェ
の太守ムスタファに献上されますが、その色気と才気でアホな太守を手玉に取り、奴隷
となっていたイタリア人たち(その中に彼女の恋人がいるという無理筋の設定)を救い
出すという、庶民のジャンヌ・ダルクですね。
ロッシーニのオペラの主役:プリマドンナは、メゾソプラノが勤めます。
スケベでアホな太守の気紛れで、捨てられそうになってしまう奥様はソプラノ役です。
イタリア女に懲らしめられた?太守ムスタファ様、最後には奥様の元へ帰ります。
めでたしめでたし・・・なのかな?(私だったら許さんで、by妻)
前半は、セビリアの理髪師、シンデレラ、アルジェのイタリア女という喜劇3部作から
の名場面。後半はロッシーニ最後の超大作(喜劇ではなくシリアスなオペラ)、かの有名
な「ウィリアム・テル」の抜粋です。あの、息子の頭に置いたリンゴを弓矢で射貫く、と
いうシーンですね。(写真無し)
領主に逆らうストーリーなので微妙ですが、19世紀だと大丈夫なのですね。18世紀の
モーツァルトは大丈夫ではなかったのかも(フィガロの結婚・・・)。
しかし200年も昔の作品がこうして今でも演奏され、聴くことができるのは有難いこと
です。全く古臭さを感じさせない、生き生きとした魅力にあふれていますね!
ロッシーニ様、万歳。しかし彼は40歳でもう満足して(飽きちゃって?)筆を折り、
後は社交界のスターとして華やかな人生を送られたそうです。芸能人、ってことよね。
しばらくオペラを観に行っていないなぁ。コロナが収まらないと、どうにもならんね。
しばらくは録画した映像で我慢するしかないですね・・・
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