Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

2020年3月 京都 ➂醍醐寺 三宝院庭園


  今日は出勤日。電車がかなり混んでいて、いつもより人通りが多い気がしました。
 来週から首都圏の緊急事態宣言が解除されることもあり、通常モードに戻りかけている
 のでしょうか?夕食を取ろうと駅ビルのレストラン街に行くと、どの店も長蛇の列です。
 なのに7時には酒類販売停止、7時半ラストオーダー、8時閉店ですから、危うく晩御飯
 を食べ損ねるところでした。(結局、雑居ビルに入っているリンガーハットでした。)
  ところで週末は天気が崩れてくるとのこと、特に日曜日は大荒れのようです。
 ちょっと予定が狂うなぁ・・・


  さて、昨年の京都の旅を続けます。このペースだとまた3月には終わらない可能性大。
 先を急ぎます。醍醐寺の三宝院の庭園に参ります。
  ここは池泉鑑賞式の庭園としては最大規模を誇り、かの豊臣秀吉が設計したと言われ
 ています。春と秋の特別公開時には、三宝院の通常非公開のエリアからも眺めることが
 できるので、庭園全体をいろいろな角度から楽しむことができます。
  庭園は安土桃山時代(1598年)、秀吉の設計に基づき、小堀遠州の弟子である作庭家
 賢庭(けんてい)らによって造園されたものだそうです。完成は1624年だそうですが、
 時は既に徳川の世。秀吉自身も子孫も、この豪壮な庭園を見ることはありませんでした。
 きっと秀吉は自分の目で見たかったでしょうね。
  そんな庭園を我々はじっくり見させて頂けるのですから、なんとも有難いですよね。

 

  まずは先ほど見てきた国宝の表書院の前の「賀茂の三石」と「亀島」「鶴島」を見学
 します。上の写真で、池の向こうに見える石と松の木の島は、中央左が亀島、中央右が
 鶴島だそうです。


 

  亀島・鶴島が見える表書院の建物手前は小さな枯山水庭園のようになっており、そこ
 に大きめのタイプの異なる3つの石が組まれています。これが「賀茂の三石」です。
  向かって左の石は、賀茂川の「流れの速いさま」を、中の石は「川の淀んだ状態」を、
 右の石は「川の水が割れて砕け散る様子」を表しているそうです。
  ふーん、ちょっと見ただけではよくわかりませんねぇ。でも言われてみれば・・・

 


  そして池の奥に控えるのが「亀島」です。写真はネットから借用です(秋ですね)。
  左側の赤い印のある石が亀の首、右側の赤い印のある石が尻尾だそうです。甲羅のよう
 な五葉松が面白いです(樹齢600年らしいですが、どこかから持ってきたのですね。)
  これは珍しく写実的ですね。精神世界の心眼で見ずとも、なんとなく亀だなってわかる
 気がします。(こういうところがシロウトの設計かな? あ、秀吉はん、スマン。)

 


  そしてこちら ↓ が鶴島のアップ。(ネットから借用。これも秋ですね。)
    松の麓には鶴の羽に見立てた鶴羽石(赤い印)を据えており、左手には今にも折れそう
 な華奢な石橋が配置してあります。これが鶴の首に見立てた鶴首石(かくしゅせき)だ
 そうです。なるほど、そんなふうに設計しているのか。


  さて、謎解きはこれくらいにして・・・庭園全体をゆっくり見て回ります。通常では
 この表書院の前からしか庭園は見られないのですが、春と秋の特別公開の時には、追加
 料金を払って通常は非公開のエリア(純浄観:じゅんじょうかん、本堂)からも庭園を
 見ることができます。参考までに三宝院・庭園の見取り図を掲載しておきます。



  まずは表書院から純浄観に向かうところからの眺めです。純浄観は一段高い場所に
 ありますので、視界がさらに広がります。


  下の写真中央右手、池の背後に立っている縦長の石は、三宝院の主石となる「藤戸石」
 というそうです。天下を治める者が所有される石として、室町時代から歴代の権力者に
 よって引き継がれてきた天下の名石だそうです。藤戸石を引き立てるため、両側2つの
 脇侍石は低く伏せる三尊石手法をとっており、賢庭が作庭したといわれています。
  時の天下人、秀吉はんの設計らしいですからね、この石が必要だったのでしょう。
  そして「藤戸石」の右手には「須弥山の石組」があり、その背後の写真右上には太閤
 秀吉を祀る「豊国大明神」があります。ちょっと見づらいですかね・・・

し 

  これ ↓ が純浄観から見た庭園です。変化に富んでいるので見ていて楽しいですね。
 苔むした土橋の対岸には枕流亭という茶室があります。そして土橋の右手(写真中央)
 には、三段の滝が見えます。ちょっと小さめですが、三段の滝から水が池泉に流れ込ん
 でいるのがわかります。右端に見えるのが「藤戸石」ですね。

    

  
  一方、純浄観の反対側はこのような眺めです。庭園の池の水が引き入れられ、左手に
 は重要文化財の「奥宸殿(おくしんでん)」が、正面には小さな茶室「松月亭」が見え
 ます。なんとも風流です。松月亭の手前には池泉に直接置かれた可愛らしい?手水鉢が

 あります。このようなタイプを「流れ手水鉢(ちょうずばち)」と呼ぶそうです。

 
  そして純浄観を回り込んでさらに奥の「本堂」に参ります。こちらも重要文化財です。
  本堂から純浄観と庭園を見るとこんな感じ ↓ です。本堂の前は、小さな枯山水庭園に
 なっています。まぁ芸が細かいこと。

  再び純浄観に戻り、違う角度から庭園を眺めます。遠くに桜の木が見えますね。

  さらに戻り、純浄観から表書院の方を見るとこんな感じ ↓ です。少し上から目線?で 
 見ているようで気分がいいですね。(アホ)


  いやぁ、ここは追加料金を払っても絶対に見に行くべきでしょう。素晴らしい。
 ちなみにここは特別名勝と特別史跡の両方に指定されているそうですが、特別名勝かつ
 特別史跡の庭園は全国に8つしかなく、京都ではここ醍醐寺三宝院の他、天龍寺、鹿苑寺
 (金閣寺)、慈照寺(銀閣寺)の4つだけだそうです。知らなかった・・・


  三宝院をじっくり見るだけで、たっぷり一時間かかりました。でも醍醐寺の見どころ
 はまだまだあります。はい、明日に続きます、ゴメンナサイ。
  今日の記事は真面目やったのう、チャチャ入れる隙がなかったわ(by妻)。