Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

静岡から箱根へ寄り道  ➁箱根ガラスの森美術館

   箱根の宿泊施設の近くにある観光スポットを捜したところ、車で数分のところに
  「ガラスの森美術館」というの施設がありましたので、早速行ってみました。有名
  な「彫刻の森美術館」とは関係あるのかな?箱根にはいろいろ美術館がありますね。
   行ってみると、なんと駐車場は有料(300円)、そして入場料は1,500円ですよ。
  結構強気な価格設定ですね。まぁいいか。入口からしてなんとなくおしゃれな感じ。

 

  そして中に入ると・・・あ、突然思い出した。ここは昔、妻と来た覚えがある!
  いつだったかな?まだベゴニア園があった頃なので、2000年以前(20世紀)かな。
 そうか、妻はガラスのオーナメントなどが大好きだったので、ここに行きたいと言って
 (渋々)来たような気がするなぁ・・・この風景 ↓ を見て思い出しました。

  記念に?妻の写真とアムル君とも記念撮影です。(アホ)
  なんだか妻が「ここへ連れてけ~!」と誘導していたみたいな気がします。

  この光るガラスのシャワー?はなかなか美しいです。暗くなってライトアップを
 したらもっと綺麗に見えるかもしれません。この光のシャワーの間の橋を通って、
 早速美術館を見学します。何があるんだったかな?
 (なんや、肝腎なことは忘れているんかいな。えぇかげんやな。by妻)

  おお、これはびっくり。ほぼヴェネツィア・ガラスの美術館ではないか!それも、
 かなり充実した品揃えです。また展示のセンスもかなりいいですし、建物自体が西洋
 のお屋敷みたいな造りになっていて、とても雰囲気があります。ヴェネツィア貴族の
 ちょっとしたパラッツォ(宮殿)を真似たみたいな感じですね。
  この手の美術館は写真NGのところが多いのですが、ここはフラッシュは禁止だけど
 写真撮影はOK。有難いね。今度は忘れないように写真を残しておこうっと。
 まずは入ってすぐの大広間。天井からヴェネツィア・ガラスのシャンデリアが吊られ
 ています。結構な大きさで迫力があります。
  由緒ありそうな調度品や暖炉、貴族(ドージェ:ヴェネツィア共和国の総督?)の
 肖像画、ヴェネツィア共和国の象徴である有翼の獅子像など、本当にヴェネツィアの
 宮殿の一室みたいです。 

     

   この後は、順路に沿ってヴェネツィア・ガラスの展示品を見学していきます。
  仕切られた小部屋の中だけでなく、廊下や階段の踊り場にもさりげなくすばらしい
  作品が展示されています。相当な数ですね。当然ですが、全てホンモノ。しかも、
  年代物の貴重なコレクションもあったりして、思わず見入ってしまいました。
   これ ↓ は19世紀ヴェネツィアで作られた、花の装飾脚ゴブレットのペアです。
  左側の方は、青い花の上にアヒル?みたいな鳥の飾りがあって可愛らしいです。

  

  次はバラの装飾脚のワイングラスです。こちらも19世紀ヴェネツィアの工房の作品。
 いやぁバラの花をイメージした淡い色合いが美しいですね。パステルカラーのグラデー
 ションのような感じです。相当な工夫が要るのではないかと思います。
 工法が書かれているけど詳しく知らないのでコメントできません。「宙吹き」というの 
 は、熱したガラスを風船のように息を吹きかけて膨らませる例のアレかな? あとは、
 「モール装飾」「烙着装飾」とあります。 

     

  
  こんな ↓ ガラスで出来た人形も面白いですね。これはイタリアの伝統的仮面風刺劇
 (コメディア・デラルテ)の典型的な登場人物たちのシリーズですね。
 抜け目のないアルレッキーノ、おきゃんなコロンビーナ、道化師プルチネッラ・・・
 どれも楽しそうです。これも19世紀、1850年代の作品だそうです。 

 

  
  そして、古くは16世紀の作品もありました。ここまで来ると貴重な芸術品レベルです。
 舟形の水差しで、アルミニア・ヴィヴァリーニさんという方の作だそうです。こんな昔
 の作者の名前が残っているなんて凄いですね。 

      

   そして同じく16世紀の作品。繊細なレース・ガラスの蓋付き容器です。見事。 

     

  さらに1500年頃の作品、点彩花文蓋付きゴブレットです。これも凄いですね。

     


  歴史的な作品ばかりでなく、現代風の作品も展示されています。こちらは、ガラスで
 出来た赤い帽子。もちろん実用品にはなりません(当たり前)。観賞用ですね。

     

  テイル・チフーリさんという現代芸術家の作品コーナーです。海の生物をイメージ
 した作品の数々です。これも面白いですね。 

  素敵な作品が多すぎて、とても掲載しきれません。カタログを買えばよかったな。
  私はスルーしてしまいましたが、ちゃんと解説ビデオを流してくれるコーナーも
 ありますし、そこまで関心がない方でも純粋に見て楽しめる美術館だと思います。
 いやぁ、これなら1,500円でも納得です。作品の購入や維持管理だけでも大変ですよ。
  ただ、経営上は施設内にあるショップやレストランでの収入も当てにしているので
 しょう。ショップは手ごろな普及品からクリスタルガラスの高級品までかなりの品揃
 えでした。お客さんはちらほらでしたが、かなりの方がショップでじっくり吟味され
 ているようでした。私は・・・購入せず(ケチめ。by妻)。でもね、展示品が素晴ら
 しいので、ショップで売っているものが見劣りしてしまうんだよね。(当たり前やん)


  おまけに、なんとここでクラシックのミニ・コンサートが開かれるようです。休み
 の日だけのようですが、なかなかいいですね。この日はイタリア人のテノール歌手に
 よる声楽コンサートでした。イタリア歌曲やオペラの有名な作品を数曲披露してくれ
 ました。しかも、美術館のバルコニーから歌うという演出です。

  最後はイタリアのオペラ作曲家、プッチーニの「トゥーランドット」より、有名な
 「誰も寝てはならぬ(Nessun dorma)」でした。観客は僅かでしたが、拍手喝采です。 
 歌手は日本在住のイタリア人なのかな?お疲れ様です。
     
  いやぁなかなか面白かった。ここはお薦めです。(興味のない方にはつまらないかも
 しれませんが・・・)