大相撲秋場所千秋楽と、T-G決戦・・・その3
すみません、大相撲秋場所千秋楽の後半戦の記事です。賞味期限切れですが・・・
あ、その前に、昨日早くも来場所(11月の九州場所)の十両昇進力士の発表がありま
した。今場所は十両から陥落する力士が多いため、新十両3人+再十両3人という大盤
振舞いです。新十両は、昨日のブログでも取り上げたウクライナ出身の安青錦(あおに
しき・・・フリガナを振ってもらわないと読めんぞ。)、親子二代の関取となる19歳の
若碇(わかいかり:父ちゃんは大碇)、そして琴手計(ことてばかり)改め琴栄峰です。
琴栄峰は幕内琴勝峰の弟で、今ではもう珍しくない兄弟関取がもう一組誕生です。
再十両は栃大海、千代丸、生田目(なばため)の3人。栃大海は、十両の碧山の幕下
陥落により90年近く続いた春日野部屋の関取消滅の危機を、間一髪で救いました。
千代丸は、寝顔がカワユイと女子に人気の癒し系の力士です。(顔はコワいけど)
なかなか魅力ある力士が十両に上がりますので、また楽しみです。
さて、千秋楽幕内後半戦の取組です。注目は人気力士の宇良(うら)ちゃん。時間前
の仕切りで、目を閉じて瞑想しながら右手を胸の前でヒラヒラさせる仕草をします。
額に手を当てて瞑想する哲学者こと北勝富士に続いて、瞑想力士第二号となります。
(ええ加減なこと言わんときや。by妻)
前頭5枚目に落ちましたが今場所はここまで9勝5敗と久々の勝ち越しです。10勝目
をかけた千秋楽の相手は、これまた前頭3枚目に下げていた実力者の若元春です。こち
らは既に10勝をしています。どちらが勝ち星を積み上げることができるでしょうか?
結果は若元春がスピードを生かした上手い攻めで完勝。食いつかれるとしぶとい宇良
ちゃんを懐に入れさせないように、離れて相撲を取りましたね。若元春は11勝を挙げま
したので、他の力士との兼ね合いはありますが三役返り咲きが濃厚になりました。
続いても、幕内上位で勝ち越した力士同士。元大関のベテラン正代(マサヨさん)と
角界のサラブレッドその1(祖父が大横綱大鵬)の王鵬の対戦です。マサヨさんは長い
間、元大関とは思えないような不甲斐ない相撲が続いていましたが、先場所から調子を
取り戻しており、今場所はここまで10勝と本来の力を取り戻してきた感じです。来場所
は熊本出身の彼にとってはご当地場所となる九州場所ですから、勝って三役復帰で凱旋
したいところでしょう。
一方の王鵬も前頭2枚目で8勝と勝ち越していますので、あと1番勝って念願の新
三役を狙いたいところでしょう。そう、三役を賭けた一番と言えるかもしれません。
注目の一番は、立ち合いから終始攻め続けた王鵬が、粘るマサヨさんの反撃を許さず
巧みな取り口で完勝しました。先場所辺りから、ちょっとずつ力強さと上手さが増して
きたなと感じさせていましたが、今場所は両大関を撃破して幕内上位で9勝6敗です。
2つ空くと思われる三役の座を、若元春、王鵬、マサヨさん、そして若隆景の4人が
争うと思いますので、来場所の番付編成会議は悩ましい状況になってきたと思います。
そして「善戦マン」が定着してしまった、オッサンが贔屓にしている熱海富士。毎回
頑張って土俵を沸かせてくれますが、三役目前で足踏み(7勝8敗の負け越し)が続き、
大の里や同部屋の尊富士に後れを取っています。優勝も先を越されたし、たぶん大関も
先を越されると思われます。人がいいのか、優しすぎるのか、琴櫻とともに実力が勝ち
星に結びついていないもどかしさを感じさせます。来場所は、新入幕の頃を思い出して
再ブレイクしてほしいところです。
千秋楽の相手は、体格を生かした相撲ができずに今場所大敗している湘南ノ海。勝ち
はしましたが、土俵際の詰めの甘さは否めない。思えば初日、九分九厘勝ったと思われ
た大の里戦で物言いがつく相撲で敗れたのが象徴的でした。勝ち星を拾った大の里は、
その後破竹の11連勝で、二度目の優勝と大関を(ほぼ)手中にしましたからね・・・
まぁ悔しいでしょうが、もう一度出直しです。
この後は幕内上位で奮闘むなしく負け越した力士同士の対戦が続きました。人気者の
翔猿(とびざる)は、鋭い出足で一気に土俵際まで攻め込む明生(めいせい)に敗れて
ともに5勝10敗。どちらも大きく番付を下げそうです。来場所は大勝ちして、また幕内
上位に顔を出してほしいところです。
序盤は好調だった小結の平戸海と元大関御嶽海(みたけうみ)の対戦は、本当に海の
ある長崎県出身の平戸海が、海のない長野県出身の御嶽海を破り7勝8敗となりました。
残念ながら小結の地位は明け渡さざるを得ませんが、力をつけてきたことは間違いない
平戸海ですから、三役復帰は難しい事ではないでしょう。
そして残り3番。これより三役です。
東方は扇の要に大関琴櫻、左に関脇霧島、右に関脇阿炎(あび)という顔ぶれ。
対する西方は扇の要に小結大栄翔、左に大関豊昇龍、右に関脇大の里です。本来ならば
ここからの取組で優勝力士が決まるはずですが、今場所は両大関が不甲斐ないため14日目
で関脇大の里の2回目の優勝が決まってしまっていますので、やや盛り上がりに欠ける。
ますは霧島対大栄翔。どちらも勝ち越しを決めていますが、今場所は本来の動きを取り
戻した霧島が素早い動きで大栄翔の勢いを封じ込め完勝しました。霧島は、大関陥落後の
先場所で10勝以上すれば大関復帰できるチャンスを逃し、一から出直しとなっていました
が、体調が戻ってきたのか今場所は12勝を挙げました。若隆景と並んで準優勝に相当しま
す。これを足掛かりに、再度の大関への挑戦権を得ることが出来たと言えるでしょう。
大栄翔は8勝7敗にとどまりましたが、来場所は関脇貴景勝が引退、阿炎が大負けしてい
ますので関脇復帰が確実視されています。彼も、大関へのチャレンジを継続できますね。
そして、既に優勝を決めている大の里と、今場所は体調不良なのか、いつになく元気が
なく、ここまで4勝10敗と大きく負け越している阿炎の対戦。勝って優勝に花を添えたい
大の里ですが、阿炎の注文相撲にはまってあっけなく土俵にはたき込まれました。(決ま
り手は「引き落とし」。銀行口座じゃないですけどね・・・アホ)
大の里はちょっと油断したかな。阿炎も先輩大関候補としての意地があったのかも。
しかし、あっけなく勝負が決まってしまい、館内はちょっとガッカリムードでした。
そして結びの一番。不甲斐ない大関二人の対決ですが、一番注目浴びたのは力士では
なくこの人・・・
なんとこの日が正真正銘の65歳の誕生日で、文字通り最後の勤務日(定年退職日)と
なっていた、立行司の木村庄之助さんです。庄之助を名乗るのは結局2場所だったかと
思いますので、オッサンとしてはその前の名跡の式守伊之助のイメージが強いのですが、
現役の行司の最高権威である木村庄之助としての最後の裁きなんですよね。
故郷からも応援団?が駆けつけていて、最後の大仕事を見守っていました。
結びの一番は、期待を大きく裏切った大関同士、どっちがだらしないかを決める取組
のようになってしまいましたが、結果は負けたら負け越しとなる危機感があった豊昇龍
が琴櫻を下して、結果はともに8勝7敗となりました。これじゃダメじゃん・・・
横綱照ノ富士不在の直近3場所で、いずれも格下力士に優勝を許しているようでは、
大関の面目が立たないでしょ・・・琴櫻はまだ優勝経験もないですからね。優勝できな
かった大関なんて、数えるほどしかいませんからね。そんな不名誉なリストに名を連ね
ることがないよう、来場所に向けては並外れて桁外れの奮起が必要でしょう。
そして行司人生50年。見事に勤め上げた庄之助さん、引き揚げる花道で大きな花束を
手渡され、この笑顔です。土俵上の仏頂面しか見たことがないので驚きました。
長い間、お疲れさまでした。
でもオッサンは、イノスケ時代の差し違えや、動きが鈍くてたびたび力士とぶつかっ
てしまったシーン(土俵上を俵伝いに逃げ回ることの多かったマサヨさんが特に被害を
受けて、ある時なんかは睨みつけていました)を思い出してしまいました・・・
水を差すようなコメントでスミマセン・・・でも、やっぱり50年もの間、行司一筋で
したから、中学生の頃からですからね・・・お疲れ様としか言いようがありません。
この笑顔は、緊張の連続だった厳しい土俵から解放された安堵の表情なのかも・・・
そうそう、もう一人。関脇に陥落した貴景勝。長年横綱不在の時代を、一人大関とし
て孤軍奮闘してきました。ケガが多く、たびたびカド番を迎えますがなんとか毎回乗り
切ってきたのですが、首のケガからの回復が思わしくなく、今場所での大関復帰は叶わ
ないうえに来場所は幕内下位に落ちる状況のため、本人も限界を感じて引退を決意した
ようです。まだ29歳と若いので寂しいですし、惜しまれますが、仕方がありません。
「手を思いっきり伸ばして横綱の地位を掴もうとしたけれど、届かなかった」「横綱
(になった時)の景色を見て見たかった」という言葉には無念さを感じるものの、度重
なるケガを克服しつつも大関になり、幕内優勝も4回成し遂げたのですから、立派です。
年寄湊川を襲名し、今後は後進の指導に当たられますが、これまでの土俵人生本当に
お疲れさまでした。しばらくは体を休め、今後も相撲界に貢献を続けてほしいです。
今場所もいろいろなことがありました。しばらくは大相撲ロスのオッサンですが、
11月の九州場所が待ち遠しいところです。(仕事もちゃんとせいよ。by妻)
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