Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

思い出の旅2007シチリア ⑳陶器の町カルタジローネへ

  突然、シチリアの旅に戻ります。(まだやっとったんか・・・by妻)
  タオルミーナ滞在3日目は、鉄道でシチリア東部の町を観光しに行きました。駅まで
 行くバスは、宿泊しているホテルからは街の反対側の郊外からの出発で、本数も多くは
 ありません。地図を見ると街の中心の4月9日広場近くから崖を下って降りていく道が
 ありました。ちょっと面白そうなので、この道を行くことにしました。こんな道です。

     


  最初のうちは階段が続き、瀟洒な住宅やホテルのような建物があってリゾート地の

 雰囲気がしました。眼下には青い海、なかなかの絶景です。


  しかし階段の坂道を下るうちに人家はなくなり、いつしか石段から剥き出しの土の道
 になりました。しまいにはちゃんとした道ではなく、けものみち?のように草ぼうぼう
 の中に人が踏みしめた跡がかろうじて残っているような道になりました。
  妻は訝し気に、「これ、本当に駅まで行けるん?」とオッサンに尋ねます。そんなの
 オッサンにもわかりませんけど。(なんちゅう無責任な・・・by妻)
  急な崖を降りていく、文字通り「道なき道」を、オッサンたちは転げ落ちそうになり
 ながらなんとか下り切りました。最後の方はもう道ではなかったな・・・


  ようやくタオルミーナ=ジャルディーニ駅に到着した頃には、二人とも汗だくでした。
 ヨーロッパの列車(電車ではなく機関車にけん引される客車です)では、ホームからは
 ステップでよじ登る感じになります。荷物が多いと大変ですが、この日は日帰り旅行で
 身軽なので問題ありません。翌日は大きなトランクを持って上がらないといけませんが。   

  ここから電車で一時間弱、シチリア東部の中心都市カターニャで乗り換え、シチリア
 島南部のジェーラという町まで行くローカル線のディーゼルカーに乗車します。
  役に立ったのは、以前行った時に購入していたイタリア鉄道の時刻表です。ローカル
 線を含めてすべての路線の列車が掲載されています。2001年当時で5,500リラ。多分300
 円くらいだったと思う。日本の時刻表小型版とほぼ同じかな。横長サイズで紙質は悪い。

  今回はかなり列車本数の少ないローカル線ですので、綿密な計画立案が必要です。

  タオルミーナ=ジャルディーニ駅を7:20分発、カターニャ中央駅には8:15分着です。
 乗り換えのディーゼルカーは8:40分発、91Km離れたカルタジローネには10:28着です。
 わずか25分の乗り換え時間の間に、妻は実家に電話をしていたようです。(日記より)
 ちょうど阪神対巨人の三連戦をやっていたようで、1勝1敗だということでした。
 シチリア島まで来ても、阪神の試合が気になるうちの妻です。😆 


  そうそう妻の日記に書いてあって思い出したのですが、この日は上りの列車(シラク
 ーザから来る列車)が相当遅れていたようです。これは、たぶん前日夜の本土から来る
 夜行寝台列車の到着が遅れたため、その折り返しの本土(ローマやミラノ)行きの列車
 のダイヤが数時間レベルで遅れているためのようです。翌日乗る予定の特急列車がカタ
 ーニャ駅に2時間以上遅れて着いていたので、オッサンは「明日の本土への移動は予定
 通りにいかないかもしれない。覚悟をしておかないといかん」と言っていたようです。
 (自分の言ったことも覚えとらんのかいな。私の日記のおかげやな。by妻)

  シチリア南東部はシチリアの中では肥沃な土地らしいのですが、少し乾燥しています。
  これはブドウの樹でしょうか? 

  うっすらとエトナ山が見えます。荒涼とした大地を、2両だけのディーゼルカーは
 山の稜線に沿ってクネクネと曲がっていく鉄路をゆっくりと走っていきます。これは
 日本だったら即廃止となるようなローカル線ですね・・・

  途中でかなり減速したり停まってしまったりしてやきもきしましたが、ほぼ定刻には
 カルタジローネの駅に到着しました。少し内陸部に入った場所なのでかなり暑いです。

  いやぁはるばる来たねぇ。(函館やないで、カルタジローネやで。by妻) しかし、   
 妻は写真を撮るとよく「ピース」をするんだよなぁ。昭和の女や。(ほっとけ。by妻)

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  ここから町の中心まではちょっと遠いので(イタリアにありがち)、バスに乗ろうと
 したのですが、バスが全く来ません。一日に数本しかない列車に、ちょうどよく接続を
 するバスがなぜないのか謎です・・・(日本人の感覚とは違うんやで。by妻)
  すると、途方に暮れていたオッサンたちを見かねたのか地元の爺さん(失礼)がやっ
 て来て、「どこまで行くんや?町の中心に行くなら乗せちゃるで(関西弁訳)」とおっ
 しゃるではありませんか! ありがたや、ここはひとつ甘えることに(妻の日記より)。
 
  オッサンは、こういう感じで地元のオジサンに車に乗せてもらうことが結構あります。
 最初はちょっと警戒していましたが、ドイツでもイタリアでもフランスでも、案ずるこ
 とはなく、目的地(町の中心)まで連れて行ってくれました。今回も車の中で爺さんが
 いろいろ話しかけてくれて、ちょっとした街のガイドをしてくれました。市立公園やら
 陶器博物館やら、そして駅のある新市街から町の中心部に入るところにあるフランチェ
 スコ橋を渡る時には、「あとでここはゆっくり見てね」と言いながらゆっくりと通って
 くれました。そして町の中心、あの有名な「スカーラ(階段)」の前で降ろしてくれま
 した。とても親切なお爺さんでした。どうも有難うございました!
  このお爺さん、自分の住む街をとても誇りに思っていることがよくわかりました。
 そんな自分の愛する街をわざわざ訪れてきた外国人に、少しでも良い思いをしてもらい
 たいという気持ちだったのだろうなと思いました。


  そう、この街に来た目的はこの「スカーラ(階段)」を見るためなのでした。

     

  ご覧ください。町の中心部の広場から丘の頂上にある教会のある旧市街に向かう階段
 に、陶器の模様が施されているのですよ。これが有名なカルタジローネの「スカーラ」、
 陶器の階段なのです。妻もこういう面白いものが大好きなので、ご機嫌でした。

  一段一段が違う模様の陶器のタイルで飾られていて、思わずガン見していまいます。
 妻は、自分が気に入った(面白いと思った)模様を写真に収めていました。

  ようこんな写真を撮っていたよな・・・(まぁえぇやん。楽しいやろ?by妻)
  
  ・・・ということで、次回は陶器の町カルタジローネをじっくりご紹介します。
 (あれ?これで終わりかいな・・・by妻)