Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

思い出の旅2007シチリア ㉑陶器の町カルタジローネを散策

  あっちにいったりこっちにいったりでスミマセン。
  自分でも、何をどこまで書いていたのかよくわからなくなりつつありますが(アホ)、
 シチリア旅行の記事を続けます。
  
  宿泊していた島東部のリゾート地タオルミーナから列車を乗り継ぎ、南東部の内陸の
 町カルタジローネに来ていました。町の中心広場から町の上部につながる坂道に設けら
 れた陶器の大階段(スカーラ)の前で記念撮影をした後、その階段を登っていきます。
  階段の両側はびっしり建物が並んでいます。階段に面した1階部分には陶器のお店や
 レストラン、バール(立ち飲みコーヒー屋)が入っていますが、その上は民家です。
 階段の上に張り出したバルコニーから、このスカーラを行く人々を眺めることができる
 ようになっています。こんな家に住むのも悪くないかもしれません。

     

  面白いのは、下の段から上るにつれて、タイルが時代順に新しくなっていくことです。
 階段を上るにつれて、カルタジローネの歴史をたどるように、アラブ時代(11世紀まで)
 →ノルマン王朝時代(12世紀)→ドイツ系のホーエンシュタウフェン家時代(13世紀)
 →フランスのアンジュー家・スペインのアラゴン家時代(14世紀)→キアラモンテ家の  
 時代→スペイン王国支配時代→ルネサンス→バロック→17・18世紀風→現代風と、作風
 が変わっていくそうです。
  上の写真は下の方ですから、アラブ風の模様、ノルマン風の文様なのかな?
 ちなみにこの「大階段:スカーラ」は1606年に作られ、1953年に溶岩石(エトナ山の
 噴火で噴出したものかな?)を用いて作り直しされたものだそうです。


  天辺の辺りまで来ると、ちょっと手の込んだ模様や風景画のようなものになります。
 一段一段のタイルの絵模様が違うので、見ているだけでも楽しいですね。

   

 
  142段の階段の登りきると、こんな感じ ↓ です。かなりの高低差があります。内陸
 の町なので海沿いのタオルミーナより気温が高く、この石段を登るだけで疲れました。

  うっかり転んでしまったら、そのまま下まで転げ落ちそうな感じですね。
 カルタジローネの町はこの大階段の下の広場と階段上のエリアが旧市街で、遠くに見え
 る大きな教会のあたりが新市街のようです。鉄道駅とバスターミナルは、その新市街の
 はずれにあるようです。歩いてくるのはちょっと大変です。      

    

  階段の上、丘の頂上周辺も狭いながら家々が立ち並ぶちょっとした街になっています。
  カルタジローネの町は、7~8世紀頃にシチリアを征服したアラブ人が丘の上に建て
 た城塞が起源のようで、シチリア島全土がキリスト教徒の手に戻った12世紀のノルマン
 王朝時代には既に繁栄していたようですが、17世紀後半の大飢饉と大地震の影響で壊滅
 し、現在の町の姿はその後に当時のバロック様式で再建されたものなのだそうです。
 (以上ウィキペディアより。またしても手抜きか・・・by妻)


  スカーラの上には、巨大な陶器タイルの絵がありました。カルタジローネの歴史を
 飾る記念碑のような感じですね。しかし、いつ頃のどんな場面なのかは不明でした。

    

  陶器の壁画(タイル画)なのですが、かなり大きくてなかなかの力作ですね。


  このバルコニーのような一段高い場所から下を見ると、こんな感じ ↓ です。左に見え
 るのが、丘の上のサンタ・マリア・デル・モンテ教会、12世紀の創建だそうです。この
 街がアラブ人からキリスト教徒の手に戻った時代に建てられた、歴史的な教会ですね。

  教会のファサードの写真を撮り忘れてたので、ネットの写真を掲載いたします。
 あまり特徴のない、シンプルなファサードですね。17世紀末の地震で崩壊後に再建され
 たはずですが、12世紀の創建当時のロマネスク風を再現しようとしたのでしょうか? 

    

  内部は窓から明るい光が差し込み、荘厳な雰囲気です。あまり大きな教会ではなく、
 装飾も比較的シンプルですが、美しい内装です。床面のタイルもきれいです。  

    

  ステンドグラスは比較的最近造られたような感じです。

    

  教会の周りをちょっとウロウロした後、再び大階段を下って広場に向かいます。
  せっかくカルタジローネに来たので、ちょっと陶器のお店を覗いてみました。
 アラブ人から伝えられた伝統的なマジョルカ焼の陶器は、ここカルタジローネが本場の
 産地なのだそうです。タオルミーナにも観光客用のお店がたくさんありましたが、大半
 はここカルタジローネで生産されたものなのでしょう。
  商店のショウウインドウにはオーソドックスな絵皿や壺、陶器の飾りなど多彩な作品
 が展示されています。伝統的な作品を中心としたお店、現代的な作品の多いお店など、
 たくさんお店があってどこに入ろうか迷います。
  

  松ぼっくりのような飾りをよく見かけましたが、これは幸福のシンボルなのかな?
  結構リアルな人面デザインの壺もたくさんありましたが、ちょっとな~

  何かあまり嵩張らないで記念になるものを探そうと思って、品ぞろえが多そうなお店
 を選んで入りました。写真を撮り忘れたのでネットから借用しますが、こんな感じの店
 だったと思います。床面も陶器でできていますね。

    

  こんな色模様のお皿 ↓ が有名ですね。普段使い用に少し買っておけばよかったかな。 

  

  結局、こんな絵皿を購入しました。妻がリビングの壁に飾りつけたままです。
 いかにも観光客がお土産に買ってきました~っていう感じのものですね。(笑)
  今思えば、もっと本格的なものを買って来ればよかったかな~と。でも持ち運ぶのに
 重いし、旅行の途中で割れてしまったら大変ですからね。これでよしとしよう。 

  買い物の後、広場近くのバール(立ち飲みコーヒー屋)で軽く昼食を済ませます。
 この頃はお店の写真を撮るという意識が無くて、どんなお店だったか忘れてしまって
 います。確かシチリア名物のアランチーニ(ライスコロッケ)を食べたと思います。
 外観がオレンジ(アランチャ)に似ているので、そのように名付けられたみたいです。
 中にはモッツアレッラチーズと挽肉(ミートソース)が入っていて、当時約150円強。
 デカいので1個でお腹がいっぱいになります。最近日本の洋風総菜屋でも見かけます
 が、あんなピンポン玉サイズではなく、野球のボールくらいの大きさですからね。
  外はサクサク、中はアツアツでジューシーなのです。安くてお腹がいっぱいになると
 いうシチリア庶民の味。油で揚げていますから、手づかみはしない方が無難です。

  さて、一息ついてからカルタジローネの駅まで向かいます。
  しかし、駅と町の中心街を結ぶバスは本数が少ないので、覚悟を決めて炎天下の中を
 歩いていきます。来るときに車に乗せてくれたお爺さんが勧めていた観光名所が途中に
 ありますので、せっかくなので立ち寄って行こうと思います。
  あ、カルタジローネは今回で終わらせるつもりだったのですが、長くなりましたので
 もう1回続きます。(相変わらず行き当たりばったりなオッサンやな・・・by妻)