Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

今日もバタバタ・・・〆はサントリーホールで・・・

  今日は午後から天気が崩れるとの予報でしたので、午前中早いうちに洗濯・布団干し、
 10時を過ぎてから掃除機をかけ、昼までに家事を一通り済ませました。ちょっとごちゃ
 ごちゃした家の中が少しすっきりしてきました。(イヤ、全然まだまだやな。by妻)


  慌てていたのは、午後から都心へ出かける用事があったからです。12時過ぎの電車に
 乗って、表参道で銀座線に乗り換えて銀座へ。そういえば営団地下鉄(東京メトロ)が
 コロナ後の乗客減に対応するため、大幅に電車の本数を減らしているときいていました
 が、確かに電車がなかなか来ない。ホームにはかなりの人があふれています。到着した
 電車は、予想通り始発の渋谷駅から既に激混みでした。人出もだいぶ回復してきている
 ので、もうちょっと本数を増やしてもいいのではないでしょうか、せめて休日は。


  さて午後1時過ぎに銀座に着き、ちょっと遅めの昼食をいつもの(イヤ3ケ月に一度)
 の天ぷら屋さんで頂こうとしましたが、あれ?お店のあった場所が工事中になっている
 ではないですか!😱 二子玉川店が撤退してしまったので気になっていたのですが、
 まさかついに銀座本店もつぶれてしまったのでしょうか?・・・オッサン、ショックで
 思考回路が飛んでしまい、スマホでネット検索して確かめることもせずに、銀座の街を
 お昼ご飯を求めて徘徊するはめになりました・・・(アホ)
  ちなみに、帰宅してからちゃんと調べたら、一本となりの通りに店舗が移動したよう
 です。銀座は地価が高いから、ほんの少しの差でもだいぶ違うのかもしれません。でも
 よかった・・・「ハゲ天」さん。オッサンは「●ゲ」という言葉にシンパシーを感じて
 いるわけではないですが、ここの天ぷらは衣が薄くて脂っこくないのでオッサンも妻も
 贔屓にしていたのです。つぶれていなくて良かった・・・(失礼な!by妻)


  ふらふらと銀座の裏通りを徘徊していたオッサン、きらびやかなブランドショップの
 ウィンドウには目もくれずに、手ごろなお昼ごはんのお店を探しました。しかし、その
 ようなお店は異様なほどに長蛇の列。洋食屋さんや、親子丼の店?、こんなに行列して
 まで食べたいくらいスゴイものなのかな? あ、ちょっとどこかで見た看板が・・・

  ここは広島で有名な牡蠣料理のお店です。確か川岸に係留された船がお店になってい
 ると聞いていました。広島の本店は、昔に接待で一度使ったことがあったけれど、東京
 のこんなところにもお店があったのか・・・見たところ、めちゃくちゃ高い銀座価格と
 いうわけでもなさそうでしたので、お腹もすいてきたしここに入ることにしました。

     


  この時期は生牡蠣のシーズンですので、広島から直送の生牡蠣が味わえるそうです。

     

  お昼のピークを外していますが、店内はほぼ満席。オッサンは入口近くのカウンター 
 席に案内されました。煮アナゴやスッポン、しゃぶしゃぶやすき焼きもありましたが、
 やはりここは牡蠣づくしの定食と、広島湾の生牡蠣3点盛を注文しました。
 (オッサン、ちょっと前に宮島で牡蠣を食べてきたばっかりやのに・・・✖! by妻)


  はい、生牡蠣が登場。スゴイです。なんとセットでドリンクがついていたので、酒飲
 みのオッサンは、迷うことなく白ワインを注文しました。(やっぱりな・・・by妻)

  一番右の小さいものが「ヴァージン・オイスター」というらしく、生育が一年未満の
 まだ卵を産んだことが無い若い牡蠣なのだそうです。そのため小ぶりなのですが、甘み
 が強くてとても美味しいです。こんなのは現地でないと味わえないのかも・・・
  真ん中は、最近ちょっと有名になった「先端(せんたん)」という牡蠣です。これは
 もう少し生育が進んでいますが、それでもまだ若いのでフレッシュさと濃厚さの中間点
 くらいの、やや引き締まった味わい。それでもイソノカオリさんが口中を満たします。
  そして左側のデッカイやつが、「牡蠣小町」です。小町っていうから、もうちょっと
 かわいいのかと思ったら、デカいです。見事です。岩ガキじゃないけれども、岩ガキと
 同じくらいの大きさです。もうこの大きさに参りました。一口では食べられないのです。
 オッサン、なんとかちゅるりんと食べてしまいましたが、いやぁこれは凄い。濃厚さや
 イソノカオリさんはありますが、生臭さはなくてまるで乳製品のようです。海のミルク
 とはよく言ったものですね。そして後味が長い! しばらくそのまま余韻を楽しみたい
 感じです。うーん、そして辛口の白ワインが牡蠣の旨味を引き立ててくれますね。  


  フランス人も牡蠣が好きで、パリジャンもパリジェンヌも冬になると一人で1ダース   
 (12個)くらい食べるのだと聞きます。日本の牡蠣も、ブロンの牡蠣には負けていない
 と思いますけどね。(イヤそのブロンの牡蠣を食べていないオッサンに、判定する資格
 はないで~。by妻)
  そして牡蠣尽くしの「かなわ御膳」様が登場。

  メインは牡蠣の天ぷら。ぷっくらした牡蠣の天ぷらが3個。その他は牡蠣の炊き込み
 ごはん、牡蠣の酢和えのカクテル、牡蠣の茶碗蒸し。どれも小ぶりの牡蠣を使っていま
 すが、とても美味しいです。お刺身は鯛と炙ったサワラという、これまた瀬戸内の魚。
  お昼から結構贅沢をしてしまった・・・天ぷらよりは高くついてしまいましたが、まぁ
 これだけのものを頂きましたので、満足です。


  それで、なぜ銀座に行ったかというと・・・アレしかないやろ、どうせ(by妻)。
 この駄ブログをご覧いただいている皆様にも、たぶんお察しが付くかと思いますが・・・

  はい、またGINZA-SIXにあるエノテカさんの有料試飲に申し込んでしまいました。😝
 この日はドイツ・モーゼル地方で最高の甘口ワインを造る、名門エゴン・ミュラー様の
 シリーズです。かの有名な畑シャルツホーフベルガーを所有する超一流の作り手

 です。ドイツの甘口ワインは長い歴史を持つ優れたワインのカテゴリーなのですが、

 食事と一緒に飲むのは稀であるため、世界的にはあまり人気がなく、従って価格も

 抑えられています。しかし、このシャルツホーフベルガー様は別格なのです。喩えは

 悪いですが、「ドイツのロマネ・コンティ」という人もいるくらい、希少で高価な

 ワインなのです。もちろんブドウ品種も造りも違うので、ロマネ・コンティとは全く

 味の傾向は違いますが、品質の高さと値段の高さが比例するという点では、よく似て

 いるのかもしれません。あ、さすがにロマネ・コンティ程の高値ではないですが。
  いずれにしても甘口ワインを一本開けるのはなかなか気が進みませんが、このように
 試飲で一杯30mlだと、無駄なくテイスティングができます。この日のラインナップは、
 本家シャルツホーフベルガーのカビネット(格付ワインの中ではもっともお手軽なもの)
 とシュペートレーゼ(遅摘みのブドウから造られるやや甘口)、そして畑は違いますが、
 同じエゴン・ミュラーが所有する畑「ヴィルティンガー・ブラウネ・クップ」のアウス
 レーゼ(房で選別しているのでさらに熟度=甘さが増すワイン)です。年号はいずれも
 最新の2019年です。いやぁ久しぶりに見たなぁ、このボトル。次にお目にかかれるのが
 いつなのかは定かでないですね・・・

    

  まだ若いヴィンテージなので甘みよりも酸味の方が強くて、鋼のようなポテンシャル
 を感じさせます。カビネットとシュペートレーゼでは、当然糖度=甘さが違うので、味
 は全く違いますが、それでもこのコンセントレーション(凝縮した集中力)、酸っぱく
 はない強靭な酸味、そしてクリアな透明感と健全な甘みがせめぎ合うところは似通って
 います。これはその土地の持つポテンシャル×生産者の力なのだろうと思われます。


  そしてあまり知られていない畑ヴィルティンガー・ブラウネ・クップのアウスレーゼ。  
 基本的なトーンはシャルツホーフベルガーと同じように感じますが、でもアウスレーゼ
 で残留糖分が多いので当然甘さは強い。でも甘いだけではない何かがある。

     

  これもまだ若いので、パツンパツンの快活さ(酸)と、ポテンシャルの高い甘さが喧嘩
 中なのかもしれない。20年、いや30年、ひょっとすると50年後がピークかもしれない。
 甘口白ワインの寿命はものすごく長いのだそうです・・・


  そういえばGINZA-SIXのブランドショップには、かなりの行列が目立ちました。日本の
 経済が沈滞し、一般的な日本人の可処分所得が減り続ける一方なのに、意外にも羽振りの
 良い方は一定数いらっしゃるようです。銀座の街を歩いていると、オッサンには縁のない
 超高級ブランド(鞄が50万円、服が80万円とかいう異常なお店)のビルが目立つよう
 になりましたし、GINAZ-SIXをはじめテナントで入っている高級ブランドも多いですね。
  いやオッサン。ワインかて50万とか200万とかになっとるから一緒やで・・・(by妻)
 そうなんですよね・・・オッサンが今、購入できるのはせいぜい2万円まで。もう手が
 届かないワインがエノテカさんにはいっぱいありました・・・目の毒やわ・・・


  久しぶりに?試飲を楽しんだ後は、六本木ヒルズのサントリーホールへ移動です。

  午後4時開演ですが、開場時刻前3時15分には到着しました。毎回毎回、場所と時間を
 間違えていないかいつも気になるオッサンは、万一会場を間違えていても間に合うように
 コンサートの時には早めの行動を心がけております。(それ、ただのアホやで。by妻)


  サントリーホールの開場時間には、仕掛け時計?が音楽を演奏してくれます。

  今日の演目はコレ ↓ アンドリス・ネルソンスさん率いるボストン交響楽団です。

    


  サントリーホールは久しぶりのような気がする・・・いつ見ても斬新的なホールです。

     

  今日の演目は、グスタフ・マーラーの交響曲第6番イ短調・・・
 マーラーの交響曲は声楽(独唱、合唱)が入った曲と、純オーケストラ曲が半々くらい
 ですが、合唱付きの曲は原価が上がるので、ちゃう上演が難しいので日本ではなかなか
 演奏を聴く機会がないのですが、オーケストラオンリーの曲(第1番の巨人、第5番、
 先日オッサンがブロムシュテットさんのN響で聴いた第9番と、この第6番)のほうが
 よく演奏されます。 オッサンは第3番と第4番も好きなんですけれどね・・・


  さて、今日の演奏ですが、まずは注目すべき点は・・・
  なんと第2楽章と第3楽章を入れ替えているとのこと。そんなことしても大丈夫なの?
 はい、大丈夫です。作曲者自身がブレていたそうです。一般的には第2楽章がアンダン
 テ(緩徐楽章)、第3楽章がスケルツォ(三拍子のややコケティッシュな曲)なのです
 が、ネルソンスさんはこれを逆にしています。実は調性の面ではこのほうがしっくりと
 するという意見もあるのですが、オッサンはやはりスケルツォが後の方が自然かなと。
 案外、このネルソンスさんのパターンの演奏があるようです。 
  ということで、マーラーを得意としていたレナード・バーンスタイン様がウィーン・
 フィルハーモニー管弦楽団と演奏したライブ録音をご参考までに・・・


 


  いやぁ、やっぱりすごい曲だなぁ。
  マーラーの交響曲は、きっちりとした古典的要素と、そこからはみ出したデモーニッ
 シュなおどろおどろしさがあるのですが、この曲はまさしくその典型ですね。
  軍靴の響きのような陰鬱な行進曲で開始されるオープニングで、すでに「悲劇的」と
 いうタイトルを予感させます。ウクライナ侵略を思い浮かべる方も多かったのでは?
  しかし、途中でこのネクラなモードを一変させるような、無邪気なメロディーが出現
 します。まるで「アルプスの少女ハイジ」が登場したかのようです(アホ)・・・
 これは作曲家が自身の妻アルマをイメージしたモチーフなのだそうです。たぶんオース
 トリアの山中にある山荘で作曲中のマーラーが、息抜きに奥様の淹れたコーヒーを飲ん
 でいる時に思いついたのではないかと(嘘ね)。しかし、マーラーが妻アルマに求めた
 ものが、まさしくこのように無邪気で、戦う男に安らぎをもたらし、ある時には作曲家
 に天啓をもたらすミューズの女神のようなものであったということです。天才作曲家

 たる自分に尽くしてくれる最良の妻、として・・・        


  でもアルマはそのような存在だけではなかった。彼女自身も有能な音楽家だったので
 す。あるいは彼女はマーラーに対しては「同志」でありたかったのかもしれない。それ
 なのにマーラーは「絶対的な天才である自分に奉仕する」ことだけをアルマに求め続け
 たそうです。そう思うと第一楽章第2主題の「無邪気な」アルマの旋律を、当人アルマ
 がどのように聴いていたのか・・・それはさておき、この第一楽章の構成は見事です。


  第2楽章と第3楽章が入れ替わっていたのでちょっと混乱したオッサンですが、どちら
 の楽章も魅力的ですね。スケルツォはまさしく、これから起きる悲劇を予感させる悪魔
 どものざわめきにも似た嘲笑、アンダンテは迫りくる「死」を心の奥底で予感しつつも、
 まだ精一杯何かできることをしようと、もがく姿が感じられる・・・と言うとキザです
 か? (誰も聞いとらんから、一人で勝手にしゃべっとけぃ! by妻)
     
  そして運命の第4楽章。いつ聴いても脳天をかち割られたような衝撃を受けます。
 そう、本当に曲中に木製ハンマーが登場しますからね。ドカーン!(アホ)
  ちなみにカウベルも出てきますけど、やっぱりアルプスの少女ハイジなのか?すると
 やはりヨーゼフ(犬)やお爺さんが死んでしまうのか。

 (えぇ加減にせぇよ、アホ。by妻)   
  しかしこれは本当に「死への旅路」だなぁ・・・途中で天国の美しさを思わせる部分
 もあるけど、天国って本当にあるのかなぁ・・・(それは秘密や。by妻)
  紆余曲折もあって、そう簡単にくたばりはしないけど、最後はやはり力尽きて・・・
 チューバ、ファゴット、コントラバスと低音楽器が最後の呻き声を発した後、断末魔の
 叫びのようにすべてが断ち切られるようにして、衝撃の終焉を迎えます。ヤバイ・・・


  演奏終了後はまたしても放心状態のオッサン・・・(帯状疱疹の間違いでは?by妻)。
  
  しかしよく見るとステージいっぱいに奏者がいますね。ホルンが9本、トロンボーン
 が5本、ティンパニが2台・・・そら迫力が出ますわ・・・
  カーテンコールは指揮者ネルソンスさんのスピーチ。英語なのでオッサンはよく聴き
 とれませんでしたが、会場には英語にご堪能な聴衆が多いようで、問題なくコミュニケ
 ーションが取れていたようです。(でもオッサンは蚊帳の外。by妻)
 まぁ、マーラーの交響曲第6番の後でアンコール曲はできませんからね・・・


  さて、今日も充実した一日だった・・・ということにしておこうか。