Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

ワインの量り売り(なんじゃそら? by妻)

  今日もオッサンはワインの話です。(もうどうしょうもないな。不治の病や。by妻)
 午後5時に業務終了、新橋と虎ノ門の間にあるワインショップに突進しました。(アホ)

     

  ここはオッサンが数年前まで長らく愛用していたお店です。かつて、やまや池袋西店
 の店長をされていた某氏が独立して開業したお店で、財布のひもが固い、ちゃう財布の
 中身が乏しいワインファンの聖地になっていました。しかし、そのワインファンの心を
 よく理解していたオーナー氏が一線を退いて若い人たちに運営を任せると、一気に商売
 っ気が現れ、価格もじわじわ上がってデパート並の価格になりましたので、最近は敬遠 
 しておりました。ただ、いまだに登録していたメールマガジンがパソコンやスマフォに
 届くのですが、昨日のメルマガに面白い企画があることに気が付きました。


  「ワインの量り売り・・・」なんじゃそら?


  はい、お店で試飲する感覚で、ミニボトル(65ml入り)にワインを詰めて、数種類を 
 販売してくれるそうです。ボトル1本を複数種類買うのはしんどいですが、ちょっと良い
 ワインだけどボトルで購入するには値段がネックという、ちょっと気になっていたけど
 いまだに手が出なかったワインをお試しできるのです。しかも持ち帰って自宅で楽しむ
 ことができるのです。これは考えましたね・・・実はこの「量り売り」という企画自体
 は少し前から知っていたのですが、今日オッサンが業務終了を待ちかねたように駆けつ
 ける気になったのは、もちろんその中身がすばらしいからなのです・・・

  はい、この日の量り売りワインは、日本では滅多に見かけることがない南アフリカの
 優秀な生産者クリスタルムの最新ヴィンテージ2021年の赤・白飲み比べなのです。うわ、
 こんな企画は多分日本で初めてではないでしょうか?英国のワインの権威の一人ティム・
 アトキンさんの南アフリカワインの格付では常に第一級の地位をキープしていて、現地
 の高級レストランやお得意様の個人向けの販売が主で、一般にはなかなか出回らないと
 いう「幻のワイン」なのです。日本で販売される時には上級キュヴェは瞬間蒸発(すぐ
 に売り切れること)してしまうので、存在を目にすることすら稀なのですよね。
  産地は西ケープ州というのでしょうか、ウォーカー・ベイ地域のハマナス(輸入元の
 資料ではヘルマナスと記載あり)地区で、標高が高く冷涼な気候の畑なのだそうです。


   さて量り売りのワインは白ワインが2種、赤ワインが4種です。そのうち赤ワインの
 スタンダード・キュヴェである「ピーター・マックス」のみ複数の畑のブドウを混ぜた
 もので、そのほかは特定の畑で獲れたブドウを使った高級キュヴェなのです。 控えめな
 ラベル(エチケット)ですが、上品で高品質なワインのように見えますね。


  下の写真の左から、ピノ・ノワール種(ブルゴーニュの赤ワインと同じ)の普及品、
 ピーター・マックス(クリスタルムにブドウを提供してくれた生産者の名前にちなむ)
 真ん中は白ワインの特定畑クレイ・シェルス、右は同じくフェラム。ブルゴーニュの
 白ワインと同じシャルドネ種のワインです。

  赤ワインの3つの上級キュヴェは、あたかも相撲の三役そろい踏みのような感じ。
 左から「ボナ・ファイド(ラテン語で「良き信頼」の意味)、真ん中はキュヴェ・シネ
 マ(ナポレオンの生涯を描いた映画のロケがこの畑で行われたことにちなむ)、右端は
 マバレルという、最も標高の高い冷涼な畑のワインです。


  さて、量り売りってどうなっているのでしょうか・・・え?これ ↓ ですか!

  このミニチュアボトル(65ml入り)が面白いのですが、なんだか化学の実験に使う
 液体のようです。赤ワインだと、なんだか採血の保管容器みたいな感じ。

  なんだかカワユイ小瓶を6本紙袋に入れてもらい、料金を支払ってお店を出ました。
 ちなみに料金は6,000円。めちゃ高いですが、6本のうち5本の上級キュヴェは9千円程
 のボトル価格ですので、まぁこの値段もやむなしです・・・


  帰るころには午後6時過ぎ。既に暗くなりかかっていましたが、おっ、東京タワーが
 見えます。ライトアップされて美しいですね・・・

    


  帰宅して、夕食の準備をしながらテイスティングを実施しました。2021年というのは 
 南アフリカのワインでは最新ヴィンテージなのでしょうが、北半球よりも半年収穫時期
 が早いのです。(だからどうした?by妻)

  白ワイン2種類は畑名がついた上級キュヴェです。どちらも清冽で水のようなピュア
 さがあり、まだまだ飲むには早いのですが今飲んでも大丈夫なくらいの果実味と酸味が
 あります。いや、それらの要素が見事に調和しており、若すぎる今の段階でも、きっと
 熟成したら凄いワインになりそうだ、という予感がします。


  続いて赤ワインのスタンダード、ピーター・マックスを試飲します。色は明るめの

 美しいルビー色、香りには活力?があって、イキイキしています。舌触り派滑らかで、

 さすがに味はまだ硬くて開いていませんが、

それでも旨みが感じられます。イイね!


  そして赤ワインの畑名付き上級キュヴェの飲み比べです。(贅沢やの~ by妻)

  右端のマバレル、真ん中はキュヴェ・シネマ、左側はボナ・ファイド。壮観です。

 ちなみにマバレルだけは標高が高くでブドウが成熟しにくいので、あえて除梗(じょ

 こう。ブドウの実がつながっている枝部分を除外するのこと)することにより、果実

 味を強調しつつも全体的にノーブルで美しい造りを志向しています。
  そして100%除梗することで、アルコール度数が上がります。ブドウの果肉の比率

 が高まると、相対的にアルコール度が上がるのですね。


  共通しているのは、若い最新の年にも関わらず、意外に明るい色をしており、香り

 は華やかで、舌触りは滑らか。さすがの品質です。ブルゴーニュの一流生産者の著名

 銘柄にもそんなに負けていないと思います。


  上の写真右のマバレルは、100%除梗(ブドウの軸を取り除く)のためアルコール

 度が高く、ピュアな果実感が残ります。冷涼な地域のブドウにも拘わらず、美しく、

 華やかに仕上げられている感じです。既に美味しく感じます。色は一番明るい!


  真ん中はキュヴェ・シネマ。ちょっとマバレルよりも複雑さが増していて、肉付きも
 よい。しかしほんの少し苦味やざらつきを感じますので、まだまだ若い証拠。リリース
 直後とはいえ、ここまで仕上げて来るとはさすがクリスタルム様。


  左端はトップキュヴェと目されるボナ・ファイド。もっと複雑で一筋縄ではいかない

 雰囲気を醸し出しています。力強く、輝かしいのですが、まだまだ発展途上の段階です。

 ただ少し時間をおくと開いてきて、華々しさが感じられるようになりました。熟成後は

 凄いワインになりそうな予感。


  この後は夕食。今日も寒いのでお鍋(豚しゃぶ)です。野菜は残っていたものを投入。
 スーパーで数日前に安売りしていて、賞味期限は今日(😅)。宮崎の黒豚と、神奈川県
 のブランドポーク;高座豚の切り落としです。どちらも300円を切る税込価格!

    


   南アフリカの一流生産者のワインは、相当なレベルにあると見ました。
   クリスタルムさんのワインは高品質ですが、それに比例して価格も上昇している
  ので、要注意です。今後の動向をじっくり見て行きましょう。


   ちなみにこのミニチュアボトルは、次回持参すれば一本あたり110円引となるよう

 です。そうか、瓶のコストもそれなりになるのですね。
  なかなかオモシロイ企画で楽しめましたが、昔のように旨安ワインをもっと提供して
  ほしいなぁ~(勝手なこと言うたらアカン。by妻)