Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

思い出の旅 2007年:番外編ナーポリ周辺③国立考古学博物館 ~その3~

  すっかり忘れかけていました・・・ナポリの国立考古学博物館の続きです。
 (もうどうだってえぇやろ・・・しつこいな。by妻)


  二階にあがりますと、ありましたよ。あの有名なモザイクの大作が!

 

  ところどころ剥げ落ちて(ハゲ?by妻)しまっているのが残念なのですが、この壮大
 なモザイク画が残っているだけでも奇跡と言えるでしょう。あのポンペイの火山灰の中
 に埋もれていたおかげで、2000年近くの時を経て現代の我々も鑑賞することができるの
 ですから有難い。
  かの有名なギリシア・マケドニアのアレクサンダー大王が、攻めてきた大国ペルシア
 のダリウス王の大軍を果敢な騎兵戦で撃破した、歴史的なイッソスの戦いを描いたもの
 と言われています。西洋史の英雄5傑には必ず入る、といいますか西洋世界ではナンバ
 ーワンの存在ですね。今でも西洋各国は、アレクサンダーさんの名前を男の子に付ける
 伝統?が続いていますからね。イタリア人はアレッサンドロ、フランス人はアレクシ。
  アップにするとこんな感じ ↓ です。20代のイケメン・・・なのかな?

     


  ナーポリ国立考古学博物館の、モザイク画のコレクションは圧巻です。どこかで見た
 ことのある有名な作品がたくさんありました。この貴婦人 ↓ は昨年、日本で開催された
 ポンペイ展にも出展されていました。
 (ということは、その期間は現地に行っても見られへんちゅうことやな。by妻)

    


  もうひとつ有名なのが、これ ↓ 「辻音楽師」という名で知られています。古代ローマ
 時代の風俗がうかがえますね。笛とお盆のようなタンバリンと、カスタネットのような
 ものを使っています。 (写真はネットから拝借です。妻は変てこりんなものばかりを
 撮影していて、こういう作品をスルーしていました。🤒 悪いか?by妻)


  この博物館の収蔵品は、ポンペイやエルコラーノなどの遺跡から発掘された保存状態
 の良い芸術的価値の高いものが多いので、とても見ごたえがあります。
  続いてはなんと古代の絵画です。よくぞ2000年近い歳月を生き延びてくれました。

     

  かなり傷んではいますが、ちゃんと色が残っています。構図もすばらしいですね。
  中世には絶対にこのような絵画はありませんでした。


  おぉ、これ ↓ も有名な作品です。古代ギリシアの女流詩人サッフォーだと言われてい
 ますが、本当かどうかはわかりません。しかし古代ローマでは女性も一定の教養を身に
 つけ、男性と対等に話ができる人も多かったようです。 

  古代ギリシア神話をモチーフにした作品もありました。これ ↓ は、タウリケのイピゲ
 ネイアの話かな?(父アガメムノンのせいで生贄にされた娘イピゲネイアの物語です。)
 上に見える神様アルテミス(ローマではディアナ)が、助けてくれるのですけどね。

  


  順番に見学をしていますと、おや? 「秘密の部屋」と書かれた展示室があります。
 なんだろうと思って入ってみますと・・・

  うわ、これはちょっとヤラシイ絵画や彫刻を集めたコーナーでした。確かオッサンが
 学生の頃は立入り錦糸町(アホ)だったので見ていないのですが、この時は普通に鑑賞
 できるようでした。
  意外に妻はこういうのも面白がって写真を撮っていました。古代ローマ人も好きもの
 が多かったのね・・・ま、古今東西、例外はないでしょうけれどね。


  あ、ポンペイの金持ちの館から出土されたと思われる展示品もあります。紀元1世紀
 ですから日本では縄文時代、せいぜい貝塚ができているくらいの頃に、このような洗練
 された文化が存在していたのですね。もう参りました・・・

    


  そうそう、もう既に金貨や銀貨も流通していました。古代ギリシアから学んでいるの
 ですが、ローマの天才カエサルが貨幣を広告宣伝に使うというアイデアを生んでからは、
 もっぱら題材は皇帝の横顔と、その皇帝の業績を表すものになっていったそうです。
  まずは古代ローマの基軸通貨、デナリウス銀貨です。初代皇帝アウグストゥスの横顔
 と、裏面には古代ローマの軍団兵士(串差しの焼き鳥のような軍団旗を持っている)の
 図柄ですね。きっとどこかの戦争で勝利した記念なのでしょう。
  古代ローマファンのオッサンは、1枚でもいいのでデナリウス銀貨を入手したいもの
 だと思っています。実は古代ローマの銀貨は大量に存在するので、数万円程度で入手が
 可能らしいです。(ワインをしばらく我慢したら買えるで。by妻)


  そして一般に流通しているわけではなかったようですが、アウレウスと呼ばれる金貨
 も鋳造していました。なお元素記号の金がAuとなっているのは。このアウレウス金貨の
 頭文字を取ったのではないかと思われます。こちらも図柄は初代皇帝アウグストゥス。

  このほかにも、有名なカメオの装飾品もありました(これはすごい芸術品です)。
  写真を撮っていなかったので、ネットから拝借しました。


        
  要するに、紀元1世紀には既に高度な文明が栄え、一般の人たちもその文化的な生活を
 享受できていたようですね。はっきりいって21世紀の地球上では、この古代ローマ時代に
 遠く及ばない悲惨な暮らしをしている人たちもいるのですよね・・・そう思うと複雑だ。


  さて、一通りの作品を見たはずですが・・・いや、肝腎なものをまだ見ていません。
 オッサンはそれがどこにあるのかわからず、あせって学芸員の方に尋ねました。すると、
 「一階の反対側にありますよ・・・」とのこと。それを聞いた妻は後で、「オッサンは
 やっぱりアホやな。あんなデカいものが2階にあるわけないやんな~」と日記に書いて
 いました。ギャフン(死語)😝


  ・・・ということで、最後にそのどデカい作品を鑑賞します。スミマセン、もう1回
 続きます。(まだ続くんかい・・・えぇ加減に終わったらどうや?by妻)