Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

いきなり鳥取県 ⑥倉吉:赤瓦・白壁地区 その1 

   鳥取県の観光記事も終盤に入ってきました。今日から歴史ある町、倉吉市です。
  それでもこの期に及んで「その1」かい!(by妻)。
   
   倉吉は元々城下町でしたが、江戸幕府になって「一国一城」制度によって伯耆の
  国のお城は米子城※一つとなったために、城は取り壊されて城下町でもなくなって
  しまいました。
  ※注 当初間違えて「鳥取城」としていましたが、鳥取は因幡の国でしたので誤り
     でした。正しい情報を頂きましたので訂正させて頂きます。すみません。
   それでも商業の町として時代を乗り越え、今でも鳥取県中央部の中心地となって
  います。(こういう、トップになれなかったけど頑張っている町が、私は好き。)


   さてJR倉吉駅のコインロッカーに荷物を預けて、駅前からバスに乗って倉吉市の
  旧市街に向かいます。中心街は倉吉駅から南に4Kmほど離れています。昔は倉吉
  駅から倉吉線というローカル線が走っていましたが1985年に廃止となり、今では
  バス・タクシーしか交通手段はありません。実は、三朝温泉から倉吉旧市街に直通
  するバスもあったのですが、便数が少ないのでJR倉吉駅まで来て、ここからバスに
  乗ります。約15分で到着です。
   余談ですが、昔は倉吉線の2つ目の駅「打吹(うつぶき)」が倉吉駅で、現在の
  倉吉駅は「上井(あげい)」駅と呼ばれていました。中心市街地が鉄道の幹線から
  外れていた駅としては、青森県の八戸などがありますが、いずれも現在は幹線鉄道
  の分岐点だったところに町の名前を冠した駅ができています。歴史のある地方都市
  は案外今の駅は町はずれというか、町の外だったところのようですね。熊本駅とか
  酒田駅とか、岡崎駅とか。まぁ京都とか横浜もそうかな。


   倉吉の中心市街地は「赤瓦・白壁地区」と呼ばれる歴史的町並み保存地域であり、
  渋い観光名所となっています。1時間半ほどの時間でちょっと寄り道してみました。
  ほとんど予備知識がないので、まずは観光案内所で地図付きのパンフレットを貰い、
  主な見どころを訊いてから、観光に出かけます。
   昔ながらの古い白壁土蔵(赤い瓦屋根)や町屋が建ち並び、レトロな雰囲気満載
  です。観光客も年配の方が多いようです。赤瓦屋根の建物は「一」号館から「十六」
  号館まであり、いずれも観光名所となっています。驚くのは、記念館のようなもの
  ばかりではなく、今でも現役のお店やレストランなどに活用されていることです。
  つまり、観光客相手ではありますが「今でも生きている」町なのです。凄いです。
  
   まずは観光案内所から最も近い四つ辻にある「赤瓦七号館」です。典型的な町屋
  で、江戸時代末期の嘉永時代に創業した酒屋さんだそうです。今でも営業中です。
  赤い(赤茶色)瓦屋根と漆喰の白壁が特徴で、風格がありますね。


  この四つ角を右手(東側)にしばらく行くと、「赤瓦十三号館」の白壁倶楽部と呼ば
 れる建物があります。なんとここは人気の高いフランス料理店です。
  交差点に向かって斜めに店の入口があり、ちょっと変わった洋風っぽい建物ですが、
 旧国立第三銀行の倉吉支店だった建物だそうです。なるほど、やっぱり銀行系ですね。
 明治四十一年建造で、国の有形文化財です。
  時間があればここでゆったりランチをしたいところでした。(無理やな、by妻) 

  少し戻ると、一見普通の住宅のような建物ですが面白いところがありました。倉吉
 出身の第五十三代横綱、琴櫻関の記念館です。入場無料なので、相撲好きのオッサン
 は早速入館します。私が小学生の頃、大関から横綱に昇進した記憶がありますね。

  中に入ると、やる気のないお姉さんが1人。それでもお客(私)が来ると、館内案内
 のビデオを流してくれました。琴櫻関はかつての佐渡嶽親方、娘さんが現佐渡嶽親方の
 琴ノ若に嫁ぎ、今ではその息子(琴櫻関の孫)の現・琴ノ若関が幕内で活躍しています。
  しかしホンマに外観は普通の家。実家なのかな?


  収蔵品はなかなか興味深いものでした。昔の土俵入りの写真が飾られていますが、
 左が琴櫻関、右が北の富士関(今でもNHK相撲解説で活躍中のダンディなオジさま、
 御歳78歳。昭和に引退した横綱でたぶんただ一人、ご健在ですね)。

  こちら ↓ は琴櫻関の化粧まわしです。桜の花が織り込まれていますね。

    


  はい、あまり時間がないので先を急ぎます。もう少し行くと、赤瓦六号館の建物。
 明治十年創業の桑田醤油醸造所さんです。醤油アイスなんかも売っているそうです。
 しまった、食べ損ねた!(別にいいんちゃうか・・・by妻)

  そしてこちら ↓ がお屋敷の後ろにある蔵ですね。きっとお商売上手で、儲かっていた
 んだろうね。 

 
 さらに左(西側)に向かうと、お目当ての場所が・・・(ハン、どうせ・・・by妻)
 高田酒造改め倉吉ワイナリーさんです。やっぱりか・・・

  中に入ると、小さなワイナリーです。でもここで醸造から瓶詰を行い、試飲・販売
 もしています。お店番の若いお兄さんが1人、お客さんは私のほかはいません。
  小さいながらもステンレスタンクが置いてあり、あぁここで作っているんだなと。

 ワイナリーのホームページから抜粋させて頂きます。


 ”私たちは「鳥取の葡萄から至高の日本ワインをめざして」という思いから、その最適
 地として鳥取県中央砂丘地で2010年より葡萄栽培に取り組んできました。この間、多く
 の方々のご支援・ご協力をいただきながら、2017年12月に倉吉市・北栄町・湯梨浜町の
 1市2町の広域ワイン特区の認定を受け、2018年7月に㈱いまむらワイン&カンパニーを
 設立して倉吉市西仲町に「倉吉ワイナリー」を創業し醸造を開始しました。”


  有料試飲(2杯で500円)もあるので、早速テイスティングをさせて頂きました。
 「幸葉(こうよう)」という地元の北栄町で作られる有機栽培のマスカットベーリーA
 でつくられるワインです。御覧のように薄めの明るいルビー色で、ロゼワインといって
 もいいくらいです。令和元年仕込み(2019年産)と表示されています。
  ワイナリーのガイドによりますと・・・
 『鳥取県北栄町産で化学肥料や農薬を一切使わずに栽培されたマスカットベーリーA種
 を100%使用し、3か月間ステンレスタンクで発酵させて清澄剤を使用せずに瓶詰めした、
 甘い香り、ソフトなタンニンと程よい酸味と、苺のニュアンスが特徴のライトボディの
 赤ワインです。』

    

   口に含むと、甘酸っぱい!でもしっとりした感じがあり、飲み心地が良いです。
  薄くて酸っぱいかなと思わせる色でしたが、さにあらず。さすがに有機栽培の葡萄は
  活力があるね。生き生きとした酸味とほのかな渋み、口の中でふくらむほんのりした
  甘み(甘いというと語弊があるけど、甘みと表現するしかない。)のバランスが絶妙。
   このあとメルローというヨーロッパ品種のブドウによる赤ワインも試飲しましたが、
  やはりこちらのマスカットベーリーAのほうが印象的でした。山梨県をはじめ日本各地
  で栽培されるワイン用品種ですが、普通はもっと紫がかって粗野なところも感じられ
  ますが、このワインはノーブルでした。
   ということで一本お土産に買いました(¥2,800)。ワインをボトルで購入すると、
  試飲は無料になりました。そうか、いいアイデアだね。試飲しながらこのワイナリー
  のことをお兄さんに教えてもらいました。話しぶりからして、この方は共同経営者で 
  あるのかもしれません。ワイン造りに情熱を燃やしているイケメンでした。なんだか
  私も応援したくなりますね。 


    


  おっと、ここだけで20分近く要してしまいました、帰りの11:23発のバスの出発時刻
 まで、残り40分強しかありません。・・・その2に続きます・・・