2023年GW:会津の旅 ㉔會津藩校日新館の続きです・・・
今日は午後から出社。積っていた雪もかなり解けていたので心配はありませんでした
が、相変わらず寒い。ということで、2日連続で夕食はお鍋です。景気づけに清涼飲料
水もね・・・(こるぁ~😠、平日はアルコール無しやったんちゃうんかい! by妻)
買ってきた具材で海鮮鍋(ミニ)とブリのりゅうきゅう(大分県の郷土料理で、魚
の切り身をタレに付けたもの。元は漁師飯といわれています)です。お鍋は面倒くさい
のでガスコンロの上で土鍋をぐつぐつ煮込んで、一度に食べる分だけ器に盛ってきまし
た。これを3回繰り返す・・・(アホ)
エビの出汁が出てなかなかいい感じでした。余り物の野菜もネギ以外は使い切りました。
少し前に試した下仁田ネギが抜群に美味しくて(甘くてトロトロ~)グンマーもなかなかやるな~と思った次第ですが、最近はスーパ
ーでは売っていなくて(デパ地下にはあるけど)、深谷ネギで我慢です。いや深谷ネギ
もかなり美味しいのですが。
そうそう酒税がまた変わって、ビールが少し安くなっていますね。(今頃気づいたん
かい。by妻)しばらく買っていなかったからな~ しかし、ワインと日本酒に慣れてし
まったオッサンには、紛う事なきただの清涼飲料水でした。うーん、物足りん。金麦の
方がおいしく感じてしまうな~、だったら金麦の方がお得だよな~(アホ)
・・・とアホな記事で終わってしまうのもアレなので、久々に会津の旅行記事を再開し
ます。それにしても、かつてない程のスローペースになってしまった・・・
今では会津若松市の郊外に移築された、かつての會津藩校日新館の見学の途中でした。
會津藩校のルーツは江戸時代初期、つまり會津藩ができて間もない頃に、日本で初めて
民間により創設した庶民のための学問所といわれる「稽古堂(けいこどう)」とされて
います。元々はなんと藩校ではなかったのですね。會津藩の宿敵となってしまう長州藩
の萩の松下村塾に先立つこと約180年、1664年のことだそうです。会津藩初代藩主 保科
正之はこの学問所に対して税金を免除し、大いに奨励したということです。
時は下って江戸時代後半の18世紀末、東北地方を襲った天明の大飢饉による社会混乱
や、社会風紀の乱れなどで武家社会に緩みが生じて武士の生活が堕落し始めたために、
會津藩では支配階級である武士に対する教育の強化に踏み切りました。その最大の施策
として鳴り物入りで1803年に誕生したのが、名高い會津藩校:日新館だったのです。
ここでは上級士族の10歳以上の子弟は入学を義務付けられ、基本的な道徳教育と文武
両道の會津藩士を育成すべく当時最高の教育水準のカリキュラムが導入されたのです。
そもそも有名な「什の掟」は、日新館に入学する前の10歳未満の子供のためのもので
日新館で学ぶ子弟には、さらに厳しい道徳的な決まりごとが課せられていました。
その一部を抜粋します・・・
一、毎朝、早く起きて顔や手を洗い、歯を磨き、髪の毛を整え、衣服を正しく着て、
父母に朝のご挨拶をしなさい。そして、年齢に応じて部屋の掃除をし、いつお客
様がお出でになってもよいようにしなさい。
~ 中略~
十六、年上の人から何かを聞かれたならば、自分から先に答えないで、その場におられ
る方を見回して、どなたか適当な方がお出でになっていたら、その方に答えても
らいなさい。自分から先に、知ったかぶりをして答えてはいけません。
十七、みんなで集まってわいわいお酒を飲んだり、仕事もしないで、女の人と遊ぶいか
がわしい場所に出かけるのを楽しみにしてはいけません。特に男子は、年が若い
頃は女子と二人だけで遊びたい本能をおさえることは、なかなか難しいとされて
います。だからといってそのような遊びを経験し、癖ともなれば、それこそ一生
を誤り、大変不名誉な人生を送ることになりかねません。だから、幼い頃から男
と女の区別をしっかりし、女子と遊ぶ話などしないことが大切です。あるいは、
下品な言葉を発して回りの人を笑わせたり、軽はずみな行いをしてはいけません。
なお、喧嘩は自分で我慢ができないから起こるものであって、何事にも辛抱強く
我慢して喧嘩をしないように、いつも心掛けなさい。
うーん、オッサンには無理だぁ。毎日掃除はできないし、父母に挨拶なんてしたこと
ないし、そもそも「知ったかぶりぶり」だし、みんなとワイワイお酒を飲んだり女の子
と遊んじゃダメなんてそら厳しいわぁ。そもそもアホな冗談も言えないなんて・・・
(やっぱり逆立ちしても會津藩士にはなれんのう。by妻)
でも、ここで学んでいた10代の少年は、こうした教えをきっちり守っていたのですね。
下の写真のモデルになった、白虎隊の少年たちも15~17歳くらいだったはずですよね。
日頃の生活態度や武士としての心構えは立派と言えば立派ですが、やっぱり切腹はダメ
ですよ~(オッサン、毎回そればっかりやな。by妻)
會津藩士の子弟たちがこのような学び舎で切磋琢磨していたのはいいのですが、やは
り何事も中庸が大切です。「ならぬことはならぬ」で徹した会津藩士、人間として立派
なことは間違いないですが、少しは妥協の余地というか「遊び」の部分があっても良か
ったんじゃないかな~、と思ってしまうオッサンでした。(オッサンはいい加減すぎる
から、逆に少しは見習った方がえぇと思うけどな・・・by妻)
少年たちが学ぶ「素読書」はいわば一般教養課程で、そこを修了した後で優秀な子は
「講釈所」という高級教育機関に進みました。今でいう「大学」に相当します。その中
からさらに優秀な者には、江戸や他藩へ勉強をしに行くことが許されました。大学での
学習は生徒の自主的な研究や討論が主なもので、全国に数ある藩校の中でも屈指の教育
機関であるそうです。(この文章はオッサンお得意の「受け売り」やな。by妻)
ここまでは「文」の教育ですね。その他、日新館では「武」の領域を学ぶ場所も充実
していました。まずは「武講」という、兵法というか軍事知識を学ぶ場所があります。
今は、当時をしのぶ貴重な資料を集めたコーナーとなっています。しかし内部は写真
撮影禁止なので、見るだけです。
撮影OKのところだけご紹介します。藩主松平家にちなんだ展示もありました。日新館
には藩主の滞在する場所もあったようです。
下の写真右の青年が、最後の會津藩主松平容保(かたもり)です。戊辰戦争では意に
反して幕府の片棒を担いだとして朝敵とされ、将軍家からも責任転嫁されてしまったと
いう悲劇の主人公ですね・・・現代風に言えば、「濡れ衣」以外の何物でもない。江戸
幕府と幕藩体制に幕を引き、新たな日本の時代を造るためのスケープゴートにさせられ
てしまったのだと思います。松平容保と、それに従った會津藩士の無念の思いは推して
知るべし、です。(オッサン、また思い入れがひどくなっているでぇ。by妻)
武具や、武術の様子を描いた襖絵などもありました。
武家屋敷にあるような、枯山水庭園もありました。あ、庭園の借景になっているので
しょうか、背後に山が見えます。磐梯山なのかなぁ。もっともこの場所はオリジナルの
場所ではありませんので、日新館を復元する時に意図して設計されたものでしょう。
続いて敷地内の中央に構える「大成殿」に行ってみました。(下の写真中央の建物)
ここは、日新館における教育の中心思想となった儒教にちなんだもののようで、中国
風の内装でした。
孔子様の像が祀られていました。儒教の祖ですからね。「師、のたまわく~」かな。
こんな立派な壺も展示されていました。ホンモノかな?(そらそうよ。by妻)
広い敷地内には立派な「弓道場」がありました。
しかしこの日は高校生たちが部活で使っているためか、入場できませんでした。
仕方ないので外から様子をうかがっていたら・・・
見張りの先生?に、「おーい、ここでは撮影禁止だぞ」と叱られてしまいました。
どうも袴姿の女子高生を盗撮するスケベなオッサンと思われたようです。失礼な~ 😠
(まぁ疑われても仕方ないのぅ、オッサンの場合は。by妻)
ということで、内部はネットの写真で代用させて頂きます。
おや?この池は・・・水練水馬池?・・・なんとプールだったのだそうです。しかも
武具甲冑をつけたまま泳ぐという・・・戦のための訓練場だったのです。もちろん復元
されたものですが、日本最古の人工的なプールなのだそうです。
このほか、「砲術所」という銃や大砲を使った訓練を行う場所もありました。
さらに武道場も第一から第三まであります。
中には會津藩士の人形が置かれていました。ちょっと不気味な感じ・・・
内部は白虎隊の記念館のようでした。鶴ヶ城の模型や、白虎隊や戊辰戦争にまつわる
展示がありました。下の写真左奥には、鶴ヶ城落城の際に自害した家老や重臣の妻や娘
たちの展示がありました。もう、こういうのは見るのが辛いですね・・・
また第二武道場では弓道の体験、第三武道場では會津の民芸品である「赤べこ」や、
「起き上がり小法師」の絵付け体験もできるそうです。ちょっと面白そうでしたが、
オッサンはやはり時間がないのでパスです。
ということで、約1時間で広い日新館を駆け巡ってきました。当時としては画期的な
学問所だなぁと思いましたが、やはりこの広さを再現するには市内では無理ですね。
本来の場所であった、鶴ヶ城のそばに再現できたら雰囲気もさらに良かったと思いま
すが、まぁ復元していただき、当時の様子を偲ぶことができるだけでも十分有難いなと
思います。會津藩ひいきの方でなくても、見どころ十分なのでぜひ見学して頂きたいと
思います。
ちょっと長くなりましたが、ひとまずここで今回は終了いたします。
会津の旅もようやく残り少なくなってきました。あと少しです。(長いわ!by妻)
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