スキージャンプ・ワールドカップ札幌大会初日・・・その2
っていうか、今日2日目の競技をやるのですが・・・(今更何を書いとるんや。by妻)
ビデオ録画をしていたはずが、容量が一杯のため録画に失敗していたことに気づき、
軽いショックを隠せないオッサン・・・忘備録を兼ねて続きを書きます。(アホ)
さぁ、勝負を決する二本目も残り10人、一本目のトップ10の登場です。二本目は
1回目の30位の選手から順番に飛ぶので、最後の選手は一本目1位の小林陵侑選手なの
です。さて最近FIS(国際スキー連盟)は、トップ10の紹介を映像で流してくれます。
なんと10位には小林陵侑選手の兄、潤志郎選手が食い込みました。2本目次第では、
初の世界トップ10入り、自己ベスト更新も期待できます。頑張ってほしい!
9位には、今シーズン絶不調のポーランド勢の中で唯一残った選手。ポーランド語は
発音が難しいので正確にはわかりませんが、ズニシチョルさんとアナウンスされました。
(わしゃ、出川さんかと思うたわ~ by妻)
8位にはオーストリアの実力者、ヤン・ヘール選手。年末年始のドイツ・オーストリア
ジャンプ週間の最終戦、地元オーストリアのビショフスホーフェン大会で優勝し、絶好調
をキープしています。
そしてノルウェー・チームの新鋭、21歳のヨルゲンセン選手が7位に食い込んでいま
す。彼はワールドカップ・ポイントではまだ50位程度で実績はまだほとんどないのです
が、今日は飛躍のチャンスです。ノルウェー勢では、昨年度王者のグランネルー選手が
絶不調で今回は出場せず、エース格のフォーファン選手(イケメン)が1本目の悪条件
にはまって下位に沈んだため、彼の活躍にチームの期待がかかっています。
そして、かつての世界王者、スロヴェニアのペテル・プレブツ選手です。まだ31歳の
若さで、早くも今シーズン限りでの引退を表明しました。17歳くらいで華々しく世界の
檜舞台にデビューし、弟たちも彼の後を追ってジャンパーになりました。最近では妹の
ニカ・プレブツさん(確かまだ10代)が女子ジャンプのワールドカップでトップに立つ
など、プレブツきょうだいは一体何人いるんだ?と思うほどです。
まだまだ世界のトップクラスの実力なのでもったいない気もしますが、ぜひもう一度
表彰台に立ちたいという思いで、残りの試合を頑張るそうです。確か、以前ここ大倉山
で優勝したことがありましたよね~
一本目5位はこれまたヴェテラン、オーストリアの38歳、マニュエル・フェットナー
選手です。イイ年のオジサンなのに、若い兄ちゃんみたいにカッコいいので人気です。
今シーズンはかなり上位に定着しており、まだまだ頑張っています。母国では「オース
トリアの葛西」と呼ばれているそうです。(あまり嬉しくないんちゃう?by妻)
そして現在ワールドカップの総合2位のドイツのアンドレアス・ヴェリンガー選手が
4位につけました。4位から1位の小林陵侑選手までは僅差ですので十分優勝を狙える
と思います。笑顔がステキなドイツの若者です。
トップスリーにはオーストリアの若手、21歳のダニエル・チョーフェニッヒ選手が入り
ました。発音がよく分からないのですが、某国営放送アナウンスの通りにしておきます。
そして2位には同じく強豪国オーストリアでトップを張る、シュテファン・クラフト
選手。昨年の大倉山3連戦でも1回勝っていますし、何より既に今シーズン8勝もして
いて、ワールドカップの総合順位はぶっちぎりの1位なのです。小林陵侑選手の最大の
ライバルであることは間違いありません。この人は身長が高くないのに、強靭な足腰の
力で力強く踏切り、空中でも完璧な飛行姿勢を維持できる体力の持ち主なのです。
それにしてもオーストリア勢がトップ10に4人もいるのか・・・
そしてお待たせしました、我らが小林陵侑選手です。二年連続での地元優勝を狙います。
今シーズンの年末年始ドイツ・オーストリアジャンプ週間では4戦連続の2位でしたが、
見事に4戦合計のトップとなり、同大会で初となる三度目の個人総合優勝を成し遂げまし
た。もはやヨーロッパでも世界のトップ選手として誰もが認めている、日本の至宝です。
どうでもえぇけど、選手名鑑みたいやの~、肝腎の試合はどうなったんじゃい!(by妻)
はい、二本目は白熱の好試合になりました。その中で、まず小林潤志郎選手が見事に
二本目もK点越えの124.5mを飛び、見事に10位に入りました。もちろん自己ベスト記録
を更新です。追い風の難しい条件の中で、2本ともK点(123m)を越える大ジャンプを
見せてくれました。この安定感が続けば、弟とともに世界のトップを狙えるはずです。
そして4位から6位をオーストリア勢が団子のように連なってきました。ヴェテラン、
フェットナー選手が2本目に135mの大ジャンプを見せて表彰台まであと僅かの4位。
若手のチョーフェニッヒ選手は2本とも129.5mにまとめて5位。ヘール選手は2本目に
133mを飛んで6位に上がりました。プレブツ選手は9位に終わりました。
優勝争いは、予想通り上位3人。現時点でのワールドカップ総合ポイントの上位3人
でもあります。大倉山の気まぐれで難しい追い風の条件でも、きっちり実力者は結果を
出してきました。まずはドイツのヴェリンガー選手。
134mを飛んで、フェットナー選手をわずかに上回りました。緑色のレーザー光線で
示した線を越えるとトップに立てるという目安になります。距離はほぼライン上でした
が、飛型点でフェットナー選手が55.5点なのに対し、ヴェリンガー選手が57.0点と上を
いきましたので、それが3位と4位を分けました。ヴェリンガー選手は美しいフォーム
と確実な着地(テレマーク姿勢)で飛型点を稼ぎました。これで3位以上が確定です。
そして世界トップに君臨するクラフト選手が飛びます。
鋭い眼光でジャンプ台を滑走します。まるで獲物を狙う鷲のようです。
力強い踏切りで高く飛び出しました(追い風の影響を避けるため)。頭から突っ込み
すぎないようにバランスを取ります。この人はご覧のように、飛びながら体がスキーと
平行になるくらいの姿勢を保つのですが、相当なパワーとバランス感覚、忍耐力と勇気
が必要なはずです。彼はそのすべてを、持ち合わせているということですね。
着地も決まりました。明らかにヴェリンガー選手を上回る飛距離です。なんと139m
の大ジャンプでこの時点でヴェリンガー選手を6ポイント上回りトップに立ちます。
うーん、さすが。小林陵侑選手にプレッシャーがかかるような素晴らしいジャンプです。
しかし我らがエース、小林陵侑選手は動じません。いつも通りの表情です。
行ったぁ~! 美しい飛行曲線を描いて、何事もなかったように見事な大ジャンプを
魅せてくれました。着地点はクラフト選手よりも少し上回ったように見えました。
小林陵侑選手も飛び終わった後に、勝利を確信したかのようでした。兄の潤志郎選手
の手荒い祝福を受けていました。記録は138.5mとクラフト選手に僅かに及びませんでし
たが、1本目の貯金もありますので逃げ切れるのではないか・・・
・・・と思いましたが、結果は僅か0.4ポイント、クラフト選手に及びませんでした。
飛型点の差(クラフト選手はほぼ満点の58.5点、小林陵侑選手は57.0点)が勝負を決めて
しまったようです。小林陵侑選手の飛型も文句なく美しく素晴らしいのですが、クラフト
選手が凄すぎるのでしょう・・・うーん、それにしても距離にして50センチの差ですから
ね~、小林陵侑選手もさすがにちょっと悔しそうでした。
しかし、その後は素直に勝者クラフト選手を祝福していました。世界のトップを争う
二人ですから、お互いに気持ちはわかっているのでしょう。
逆転優勝が決まった瞬間のクラフト選手の表情。
「いやぁ、勝てるとは思っていなかったよ~」、みたいな表情ですね。
「ほんのちょっとの差だよね~」、みたいに親指と人差し指で「僅かな差」を表現して
いました。
小林陵侑選手は、3位のヴェリンガー選手と談笑しています。総合優勝争いでは、
ついに小林陵侑選手がヴェリンガー選手をかわして2位に立ちましたが、お互い相手を
リスペクトしている感じがわかりますね。
表彰式の前には、クラフト選手とも談笑しています。
表彰台に上がった世界のトップスリー。今日の第二戦では、小林陵侑選手に真ん中に
立ってもらいたいですね~
そういえば賞金?を「祝儀袋」に入れて渡していましたよ。ヴェリンガー選手が、
「なんじゃ、これ?」みたいな表情で袋をみつめていたのが笑えました。
クラフト選手はベイジン五輪で金メダルを取った後、半年ほど競技を休んでリフレッ
シュをしていたそうです。その間、奥様と世界中を旅行したのだそうです。そんなにも
長い間競技(トレーニング)から離れていても、じっくり充電して、再び世界のトップ
に君臨できてしまうところが凄い。もちろん、たゆまぬ努力の賜物でしょうね。
最後に3人そろって、「イェーイ!」の掛け声(笑)。
セレモニーを終えて小林陵侑選手のインタビューです。もう、すっかり王者の風格。
2位という結果は少し悔しいが、それでもこの大勢のお客さんの前で表彰台に立てて
良かったです、とのこと。最後には「大勢の方に大倉山まで足を運んでもらい、大きな
応援を貰ったことに感謝しています、明日(第二戦)も日本チームの応援を、よろしく
お願いします。」と、爽やかに話してくれました。解説の原田さんも「世界のトップで
戦うようになって、人間的にもずいぶん成長しましたよね~」と言っていました。
そうそう、インタビュアーに「2本目の飛躍の前にクラフト選手の大ジャンプを見て、
どう思いましたか?」と訊かれて、「全然、気になりませんでした。このところ調子も
上がってきているし、楽しく飛んでいるので。」と答えていたのが印象的でした。確か
に全く緊張したり、ビビったりしている様子がありませんでした。平常心で世界の舞台
で戦える選手、なのでしょうね。「自分のジャンプをすれば勝てる」、と確信している
ようにも見えました。頼もしいな~ ぜひ、今日の試合では表彰台の真ん中を目指して
ください! あ、そうそう、この人 ↓ も頑張ってほしいですね~。
競技終了後の大倉山です。ジャンプ台の上から、会場と札幌の夜景が見えました。
・・・また今日もテレビにかじりつきだな・・・(暇やの~ by妻)
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