Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

師走の京都 ⑫ラストは龍安寺 ~その1~

  鹿苑寺(金閣)を出て、お寺の観光ができるのは残り一時間弱。予定外でしたが近く
 にある龍安寺(りょうあんじ)に行ってみることにしました。ちょっと離れた金閣寺前
 のバス停まで行ってバスを待つのは時間がもったいないので、金閣寺の出口すぐにある
 タクシー乗り場からタクシーで向かいました。京都のタクシーは比較的安価なので有難
 いです。金閣寺からは、ものの5分で龍安寺に到着しました。 
  ここには妻と一緒に何回か来ました。久しぶりの訪問です。


  龍安寺は、臨済宗妙心寺派の禅寺であり、言わずと知れた枯山水庭園で世界的に有名
 です。その庭は「石庭」と呼ばれていますね。寺自体は1450年に守護大名の細川勝元が
 創建したそうですが、このオッサンは応仁の乱の東軍の総大将であり、時の京都を混乱
 に陥れ、ここを含めて多くの寺社を焼失させた責任者の1人です。西軍大将の山名宗全と
 ともに、大いに反省し給え!
  というわけで御多聞に漏れず、ここも応仁の乱後に再興されたものだそうです。細川
 オッサンの息子の代に再建され、その頃に石庭も作られたということです。
 (但し方丈等の建物は、江戸時代に消失して再び建て直されたとのこと。)
 そして現在の名声の契機となったのは、なんと英国女王エリザベスⅡ世様が来日した
 際にここを訪れ、石庭をご覧になって激賞絶賛されたこと、なのだそうです。さすがは
 英国女王様、お眼が高い。我々日本人としてもなんだか誇らしい気持ちになりますね。


  さて入口から入ってすぐ、鏡容池(きょうようち)と呼ばれる大きな池があります。
 金閣寺もそうでしたが、北山にある禅寺はどこも敷地が広く、自然をうまく利用して、
 見事な景観を見せてくれます。満々と水をたたえた鏡のような水面に、春には桜やツツ
 ジ、夏には睡蓮、秋には紅葉が美しく色どりを添えるさまは見事です。12月中旬でした
 が紅葉はまだ残っていて、たいへん趣がありました。

 広い境内には観光客はまばら。こんな写真 ↓ も撮り放題です。(アホ)

  
  かなり歩いて、ようやく方丈や石庭のある場所に近づいてきました。紅葉とススキの
 コントラストが印象的です。

     

  重要文化財である本堂(方丈)に向かう坂道の両側に、低い垣根があります。これは
 「龍安寺垣」と呼ばれているようですが、何か特別なものなのでしょうか?
  石段を登った先に本堂が見えるというのは視覚的にもインパクトがあります。
  この方丈は江戸時代の1797年の大火で焼失し、ここの境内にあった塔頭(たっちゅう)
 の西源院の方丈が移築され、現在に至るのだそうです。

 

  方丈にはかつては襖絵が70枚以上あったのですが、明治時代の廃仏毀釈(はいぶつ
 きしゃく)運動の頃に売られて散逸してしまったとのことです。ホンマにいつの時代
 でも芸術作品というのは政治の荒波の犠牲になってしまいがちですね。残念至極。
  現在あるものは、皐月鶴翁(さつきかくおう)が1950年代に5年がかりで描いたと
 される龍と金剛山の襖絵です。これはこれで見事ですね。

 
  さぁ、いよいよ次はエリザベス女王様のお気に入りだった、世界的に名高い石庭です。
  いいところで、次に続くというのが私の最近のパターンですね。スミマセン。
  (大した内容でもないくせに、勿体つけおってからに・・・by妻)