Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

ちょっと国際政治的な話題・・・(嫌味なオッサンや。by妻)

  またまた頭でっかちの記事になりますので、苦手な方はスルーしてください。


  暴虐国家によるウクライナへの侵略は、ようやく事態が好転してきているようです。
 暴虐国家の支配層が何を言おうが、奴らの行動、そしてそれを見切ったウクライナや
 西側諸国の言動が、オッサンに「分水嶺を越えた」と思わせるのに十分になりました。
 もはや暴虐国家が劣勢を跳ね返すことはなく、奪ったウクライナの領土をウクライナが
 取り戻すことを止める手立てはなく、今保持しているクリミアなどの占領地をいつまで
 維持できるかも定かではなく、そして虎の子の核兵器ももはや戦略上の判断で使うこと
 ができない、ということをウクライナも米国もEU諸国も見切っています。(その理由
 は長くなるので、またの機会に・・・) 


  本日、ウズベキスタンの歴史あるイスラム都市サマルカンド(オッサンも行ってみた
 いと思っている魅力的な町の一つ)で、中国と暴虐国家が主導するアンチ西側諸国同盟
 になりそうな国々の国際会議が開催されました。そこに習近平さんとP珍、加盟各国の
 元首や、ここになんとかして加わりたいイランの元首が集まりました。注目はもちろん
 暴虐国家のウクライナでの非人道的な活動に対する中国の支持があるかどうかでした。
 
  ※写真はサマルカンドのイスラーム寺院、神秘的ですねぇ。イランのイスファハーン
   と、ここには一度行ってみたいと思っているオッサンです。


  さてそのサマルカンドで開催された習近平氏とP珍の会談の結果は・・・
  習近平氏はまともでした。いや、そのようにふるまうことが国益にかなうこと、国内
 政治において自らの立場を危うくしないこと、を正確に理解していました。
  能力はないのにプライドだけは高いP珍も、その悪辣な本性はさておき、このような
 ことは十分予測できたと見え、「中国が(暴虐国家のウクライナ侵略に対して)バラン
 スの取れた対応をしていることを賞賛」し、一方でそのことに対しては「疑問と、懸念
 を感じていることを理解している」と表明しました。
  その意味するところは、つまりP珍は、自国の暴虐なふるまい(P珍は十分自覚して
 いる。だってテメェが指示しているからね)に対して、中国が表立っての抗議はせず、
 あまつさえ直接軍事的なことでない限りは可能な限り協力していることを理解し、それ
 に感謝する(これからもよろしくお願いね!)ということが第一。
  しかしながら、やり過ぎて米国に揚げ足を取られ、これ以上敵対モードで臨まれるの
 は勘弁してほしい(中国としては、米国や西側諸国に暴虐国家と同列視されて、同様の
 制裁をされては困る=国内政治的には習近平さんが失脚する理由に十分なりうる)と
 いう中国いや習近平氏の立場も理解し、(表立った)軍事支援にOKをもらえないこと
 はP珍もわかっていた、というのが第二。低い能力に比べてプライドだけは異常に高い
 P珍とすれば、結果がわかっている以上「お願いして断られる」よりは「お願いしない」
 ほうがマシ、だということはよくわかっていたと思われます。もっと言えば、さらに踏
 みこんで、「中国は暴虐国家のウクライナ侵略に困惑している」ことをP珍が認めたと
 いうことは特筆に値します。なぜ中国(習近平)が困惑しているかという理由は、人道
 的なことを懸念しているわけでは全くなく、自国の今後の活動を考えた場合に、このよ
 うな展開、シチュエーションは非常によろしくない、ということです。
  ちなみに中国サイド(習近平氏)からは、ウクライナの「ウ」の字も一切出なかった
 ということです。中国にとっては、この問題が米国や西側諸国に「台湾問題と同列」視
 されることを徹底して避けたいという思惑があったようです。  


  ということで中国と暴虐国家の間では、(表面上は)何一つ進展はなかった。米国も
 西側諸国も(おそらく我が国の為政者も)それは十分予想ができたと思われます。だか
 らニュースヴァリューとしては(会談前から)さほどでもない状況でしたよね。



  そしてもう一つ。暴虐国家の凋落が確定し、その余波が周辺エリアに及び始めた、と
 いうことです。たくさんあるので列挙します。


 ①アルメニア(ロシアが軍事支援)とアゼルバイジャン(同民族トルコが支援)の紛争
  におけるアゼルバイジャンの地滑り的勝利の予感
   アルメニアが占領した、アゼルバイジャン国内のアルメニア人居住地域ナゴルノ・
  カラバフ州をめぐる戦闘が再燃(トルコがアゼルをけしかけている)し、アルメニア
  の敗北で終わる気配が漂う 
   → かつての「アルメニア人大虐殺」事件以来、トルコを最大の敵とみなしていた
     アルメニアが、皮肉なことにトルコ(エルドアン)に許しを乞うことになる。


 ②キルギスとタジキスタンの紛争が表面化
   暴虐国家の睨みがきかなくなり、元々国境地域の土地をめぐって小競り合いが絶え
  なかった両国が、本格的な軍事的対決に至る恐れが高まる。
   → まぁそんな不毛の土地を争っても仕方ないと思うのは豊かな国の発想。そんな
    土地にも執着して戦争を辞さない両国には、当面平和は訪れないでしょう。
    中国はおそらく中立の立場で、勝敗の帰趨が見えてきたときに仲介によって両国
    への影響力拡大を狙うでしょう。   


 ③カザフスタンの独自路線(中国への傾斜)がさらに進行
   カザフの大統領は、前任者の弾劾に至った民主化運動を暴虐国家の軍隊に支援要請
  をして抑圧した後に大統領に就任した(暴虐国家に借りがある)にも関わらず、P珍
  の求めるウクライナ侵略への協力を一切拒んでいたのですが、さらに一歩踏み込んで
  暴虐国家の言いなりにはならず、むしろ中国との関係を強化する方針を打ち出した。
   → 旧ソ連構成国家の三番手(三男)ですらそっぽを向くということで、暴虐国家
    の求心力が地に落ち、むしろ遠心力が働いているという感じ。おそらく四男坊の
    ウズベキスタンも似たような政策をとるでしょう。
    しかし相対的に中央アジアに中国の影響力が強くなるということは、中国がさら
    に国際社会における発言権と自信を強化することを意味します。失敗の雰囲気が
    漂い始めた習近平氏肝煎りの「一帯一路」政策を盛り返すきっかけになるか?


 ④シリア内戦の勢力図がいったんトルコ主導にシフト
   暴虐国家が軍事的に介入し、おそらくウクライナよりもっと非人道的なことが起き
  ていても不思議ではないシリア(なんせ支配者のバッシャール・アサド自らがP珍と
  同類で、しかも西側諸国の干渉がほぼ無い状況なので)において、支配者のアサドを
  無条件で支えてきた暴虐国家の軍隊が、ウクライナ侵略戦争を優先するためにシリア
  から手を引く動きが出ています。
   イスラム教スンニ派の住民が多いシリアなのに、支配者アサドはシーア派の流れを
  汲む亜流の宗派ということもあり、スンニ派(だけど、やや世俗主義)のトルコとは
  敵対していてトルコはこれまで反政府ゲリラを支援していました。一方、イラクに近
  い北東部ではトルコを仇敵とみなすクルド人勢力が一定の領土を確保している状況。
   この状況において、暴虐国家が手を引き、その後始末をなんとトルコに託すべく、
  協議しているということです。あの、トルコはNATO加盟国ですよね・・・
   そのレシピを想像するに・・・
   
   → アサドは、トルコの言い分をある程度承認する。すなわち、北部のトルコ国境
     地帯の非武装化(トルコが治安維持軍を置くはず)、そのエリアからのクルド
     人勢力の一掃・・・これは米国が許容するかどうかは微妙ですが、米国の優先
     順位を考えると、バイデンはエルドアンに譲歩しかねないと想定。
     そして北西部の反(アサド)政府勢力支配地に対しては、一定の自治を認める。
     (トルコの実質的な支配エリアの拡大)
     最後に、暴虐国家の次にアサド応援団を送り込んでいるイランの影響力排除。
     トルコも暴虐国家も、イランがシリアをコントロールすることは絶対に認めな
     いと思われます。でもしたたかなアサドが、後ろ盾になってくれていたロシア
     が手を引き、本質的には味方ではないエルドアンの保証する安全保障体制にて
     満足するとは到底思えません。この状況で頼るとしたらイランしかありません。
     暴虐国家とトルコが仮に合意しても、おそらくイランの影響力を完全に排除す
     ることはできず、むしろ隙をついてイランが(対イラク同様に)シリアを納得
     ずくで篭絡する可能性が高いと想定します。
    
 ⑤カフカス(コーカサス)地方の不安定化 
   ウクライナ以前に暴虐国家に侵略され、いわゆる「親暴虐国家人居住区」を暴力に 
  よって奪われたジョージア(グルジア)や、①で述べたようにじり貧に陥るアルメニ
  アで、反暴虐国家の動きが先鋭化し、もはやそれを暴虐国家が暴力で抑え込むことが
  できなくなると思われます。元ジョージアのアブハジアと南オセチアが、暴虐国家の
  庇護を受けられなくなったときに、ジョージアが領土奪回に動かないはずはない。
  また暴虐国家に裏切られて「ババをつかまされた」と感じているアルメニアが、どこ
  にも向けようのない怒りを何かで発散するおそれもないとは言えない。


  ・・・オッサン、鼻息荒くダラダラ書いていても、もう誰も読んでへんで(by妻)
  あ、そうですよね。スミマセン、もう終わりにします。お休みなさいませ・・・