Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

終了間際のマティス展に行ってきました・・・

  今日は台風の影響で、曇り空でしたが生暖かい湿った空気が吹き込んできている関東
 地方、不快指数MAXでした。家にいても冷房なしでは汗だくになるので、出かける前に
 冷水シャワーを浴びました。これでちょっとスッキリ。
  そう、今日は久しぶりに都心へ。来週20日まで開催のアンリ・マティス展に行って
 来ました。入場料は2,200円とかなり高くなりましたが、それでもホンモノを生で鑑賞が
 できるので、考えようによっては有難い価格ですね。(ワイン1本飲むよりな。by妻)
  大井町線直通の急行に乗って、京浜東北線に乗り換えて上野までは約一時間ちょっと。
 日時指定のチケットを事前購入していたので余裕の入場です。あ、でも突然のにわか雨
 が降ってきましたので、上野駅の駅ナカの書店で時間つぶしをしました。😆
 (何も買わないケチなオッサンや。by妻)


  雨上がりの上野公園は、夏休み中の日曜日ということでかなりの人出。しかも外国人
 の方が多いようです。しかしほとんどが家族連れかカップルです。そのようなことには
 もはや関係のない単体のオッサンは、わき目もふらずに都立美術館に直行です。

   


  え?時間指定チケットを持っているのに、会場は長蛇の列です。やはり人気があるの
 ですね。しかも若い人が多いですね。やはりちょっとポップな感じが受けるのかな・・・

 
  アンリ・マティス・・・19世紀から20世紀前半に活躍したフランスの画家です。分類
 的にはフォービズム(野獣派)とされていますが、実際はそんな簡単なものではありま
 せん。画家の生涯をたどるように年代別の作品が網羅されたこの展覧会は、画家の作風
 の変遷をうかがい知ることができる、たいへん興味深いものでした。
  展覧会の看板に使用された絵画は、まるで後期印象派の点描派、スーラかシニャック
 が描いたのでは?というようなタッチの作品です。しかし、既に原色を多用した明るい
 色彩の感じが、やはりマティスらしさを感じさせますね・・・
 (能書きはえぇから、早う観に行かんかい!後ろが詰まっているでぇ~! by妻)
  
  初期の作品は普通と言うか、印象派チックな作品のようでした。しかしびっくりした
 のはその卓越したデッサン力(りょく)です。ピカソもダリも、あんなめちゃくちゃな
 絵(失礼)を描いていますが、基本的なデッサン力はものすごいものがありました。
 同様にマティスさんもテクニックは完璧です。天才的な画家の皆さん方は、絵画の基礎
 能力は完璧に習得しているのが当たり前なんでしょうね。そのうえで、そこに縛られず、
 独自の作風を追求したのだと思います。(そらオッサンの落書きとは違うわな。by妻)
  素描とか、下絵とかを一緒に展示していただくと、そのことが良くわかります。

  まぁ写真の発明・普及により、ありのままの現実を再現するという、かつての絵画に
 求められた役割は終了しましたので、近現代の絵画が新しい方向を目指していく流れに
 なったのは当然なのでしょう。(そら、いくら上手にホンモノそっくりに絵を描いても
 写真には敵わんからな・・・by妻)


  そうそう、マティスさんはじめ近現代の画家さんは、彫刻にも手を出していました。
 平面のキャンバスで勝負している方々が、立体的な造形美術にあこがれる?のもわかる
 ような気がします。ドガさんやルノワールさんも手を出していましたよね・・・
  面白いのは、女性の頭部のシリーズです。最初は普通の美女だったのに、だんだんと
 崩れていって、最後は魔法使いのおばあさんか怪物のようになっていました。😆
 作品完成後にこれを見たら、モデルさんが怒っているんじゃないかな~ 😆  


  そのようなことに感じ入っていると、あれ?なんだか皆さんスマホでパシャパシャと
 撮影をしています。なんと、この展覧会では一部の作品を除いて写真撮影がOKでした。 
 太っ腹やな~。ちゅうことで、オッサンも撮影開始です。😆
  せっかくだからマティスのイメージに合う絵画をセレクトしました。マティスさんが
 好んで描いたのは南仏のイメージ、そして窓辺の室内の情景です。

     

  これ ↓ なんかは、「いかにも!」みたいな作品ですね。「赤のオダリスク」、東洋
 風のエキゾチックな感じが漂う、マティスさんらしい作品です。 


  大胆な構図とデフォルメされた人体像がマティスさんの特徴かな?と思います。あ、
 この辺になるとキュビスムの影響も少し感じますね。この時代は、優れた芸術家同士、
 お互いに切磋琢磨して影響を与え合ったのではないかなと思います。

     

  さらに時代が下ると、もうマンガのような感じになってきますね・・・たぶんうちの
 妻はこういう絵 ↓ が大好きだと思う・・・「野獣派」と言われ出したころかな・・・

     

  静物画も、もうこんな ↓ 感じ。見た感じはかなり雑に描いている感じがするのですが、
 実は緻密な計算をして構図を決め、色合いも吟味しているのだと思われます。おそらく
 南仏の家庭の食卓をイメージしているのですが、色彩も構図もぶっとんでいますよね。  

     

  そしてマティスさんが商業的にも成功したことを示す作品がありました。シンプルな
 素材を大胆に使った絵画が好評となり、本の表紙を描く仕事が舞い込んできたのですね。

 いや、もはや絵を描くだけではなく、切り絵の作品も生み出していました。


  残念ながら、この有名な切り絵のシリーズ「ジャズ」は撮影禁止でした・・・仕方が
 ないので絵葉書を購入して・・・本当はイカルスとか、サーカスの写真が撮りたかった
 のですが、まぁしゃあない。しかし本当にデザイン的にはイケてるよな~ 
  これは芸術が商業的にも寄与することを証明した画期的な作品ではないでしょうか。
 そうか、ひょっとしたらアンディ・ウォーホルさんの先駆けなのかもしれない。

  もうここまで来ると凡人には理解不能ですが、なんだか楽しい作品です。きっと妻は
 こういう面白い作品が大好きなので、一緒に見に行ったら大喜びしていたかな・・・
  有名なサーカス(フランス語ではシルク)を題材にした絵葉書がなかったのが残念。
  
  最後に妻が喜びそうな作品を一つ。🍊(オレンジ)のあるヌード(1953年)です。
 ここまで来るとまさにポップアートだよな~ キース・へリングさんを先取りしている
 感じがする・・・(このみかん ↓ は、不知火と八朔と清見オレンジか? by妻)

     

   展覧会の最後には、南仏プロヴァンスにあるヴァンスの村の、マティスさんが室内
 装飾を手掛けた「ロザリオ礼拝堂」の作品と映像が展示されていました。1954年に亡
 くなった画家にとっては最後の仕事になりました。
  画像はネットから拝借しました。南仏ニースからバスで約一時間半、マティスさん
 渾身の力作が教会の礼拝堂となって残っているのです。ここはいつか行きたいな・・・

   

  礼拝堂の正面ファサードの窓を飾る聖母子像のコピー(下の写真右側)もありました。
 こちらも撮影禁止なのでネットから拝借しました。

 
  こんな素晴らしい作品を生み出したマティスさん。自画像はこんな感じ ↓ 
  目が吊り上がっていてちょっと気難しそうな、隣の家には住んでほしくないタイプの

 オッサンって感じ・・・😆

  いやぁなかなか楽しかったです。今月20日まで開催中です!
  
  さて帰りには、銀座で行きつけの「ハゲ天」さんで夕食です。最近、ますます愛着が
 湧いてきました。😆 (そらオッサンも「ハ●」やからな・・・by妻)


  季節のコース、ただし節約して天ぷらとご飯のみにしました。それでもランチよりは
 1,000円ほど高い・・・😩 ま、仕方ないね・・・ 

  最初に巻海老が2本出た後、季節の野菜3品の天ぷらです。海苔の上にトウモロコシ
 を乗せたもの、エビしんじょうトマト詰め、そして山芋の串揚げです。どれもさっぱり
 していて美味しかった。オッサンは野菜の天ぷらが好きなんです。


  変わり揚げは、ずんだのエビコロッケ(右)、マグロの頬肉(左)です。これは独特
 の味わい。マグロ頬肉は意外にジューシーでした。

  旬の魚介は、マトウダイの昆布〆とスズキ。あっさりした白身のスズキが抜群に美味
しかった・・・ここの天ぷらは衣が薄め、サクサクでしつこくないので好みなのです。

  最後はホタテ貝柱と長芋とモロヘイヤのかき揚げでした。うーん、これはちょっと
 凝りすぎでは? 普通のかき揚げで良かったのに・・・


  さぁて、オッサンの夏休みも残すところあと一日。泣いても笑ってもあと一日です。   
 (未練がましいな・・・by妻) 
  ちなみにタイガースは今日も勝って10連勝、16年ぶりの快挙だそうです・・・