Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

ローマ・オペラ座:プッチーニ「トスカ」を観てきました・・・

  タイガースVの余韻をそのままに、今日は横浜の山下公園近くの神奈川県民ホールまで
 出かけてきました。イタリアのローマ・オペラ座の引っ越し公演を鑑賞してきました。

  今日の関東地方南部はとても暑く、最寄駅からホールまで歩くだけで汗だくになって
 意識が朦朧としてきました。(大げさな奴っちゃな~ by妻)


  演目はローマを舞台にした、超メジャーな作品:プッチーニの「トスカ」です。
 2020年9月に来日予定だったミラノ・スカラ座が持って来る予定でしたが、あのコロナ
 のせいで中止となり、その後も日本の経済的停滞によって、日本に行っても儲からなく
 なったと見切られたためか、オッサンの愛するイタリアオペラの殿堂、ミラノ・スカラ
 座の来日公演はもはや無期限停止となっております。(中国には行っているみたい)
  そのかわりに、日本のオペラファンのために、スカラ座以外の劇場が今年はこぞって
 来日していただいております。有難いことです。その中でも最もレベルが高いと言われ
 ている首都ローマのオペラ座が、スカラ座のかわりに?「トスカ」と「椿姫」を日本の
 聴衆のために持ってきてくれました。ということで、オッサンはチケットを購入!
 (えぇカモやな・・・by妻)

     

  しかし、実はオッサン、舞台でトスカを観るのは初めてなんですよね・・・


  ローマを舞台にした名作オペラで、演出はかの有名な映画監督のフランコ・ゼッフィ
 レッリさんです。ゴージャスでいながら、わかりやすく娯楽性に富んだ演出でした。
  彼はオペラ映画の「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」も手掛けていました。


 開演は午後3時。まだ日が高いうちにスタートしました。舞台は西暦1800年頃のローマ。
 第一幕は、ローマの教会が舞台です。(写真はネットの主催者のHPから)

  歌姫トスカと、その恋人の画家カヴァラドッシが、当時の政治情勢に翻弄され、首都
 ローマを牛耳る悪辣な警視総監スカルピアに嵌められて地獄に落ちていく物語です。 
  政治犯をかくまうカヴァラドッシのことを、「女をかくまっている」と誤解して逆上
 したトスカの嫉妬心が、悪人スカルピアにまんまと利用されてしまうのです。
   1幕のフィナーレでは、スカルピアがその邪悪な心情を「テ・デウム」という宗教曲
 に載せて歌います。合唱団とフル・オーケストラがボルテージを上げ、来るべき悲劇の
 幕開けを演出します。この演出では最後にローマ法王(ローマ司教)や、ヴァチカンの
 護衛兵であるスイス兵(ミケランジェロのデザインした制服を着ています)が登場して
 盛り上がりました。いやぁスゴイ迫力だな。ローマ・オペラ座もかなりレベルが上がっ
 たように感じました。たぶんリッカルド・ムーティ様が音楽監督に就任された数年前の
 成果がまだ残っているのかもしれません。(なんや、えらい上からやな。by妻)


  そして、トスカの白眉はなんといっても第二幕。オッサンはかつて、1960年代に録画
 された貴重な映像、伝説のプリマドンナ「マリア・カラス」様の舞台をテレビで見たの
 ですが、それは実に衝撃的でした。あ、この演出もゼッフィレッリさんでした。
  カラス様は、20世紀を代表する超絶的技能を持った名歌手なのですが、彼女の才能は
 それだけではありませんでした。ちょっと長いですが、この動画を見て頂ければ、その
 理由はお分かりいただけると思います。彼女は超一流の女優でもあったのです・・・
 
   はっきり言って、これはクラシック界の世界文化遺産です。間違いありません。


  これを妻と一緒に初めて見た時、二人とも食事のことも忘れてテレビの前に座り込み
 最後までじっと見続けました。録画したので、その後も何回も妻は見ていたようです。
 おかげですっかりトスカの第二幕には詳しくなってしまい、「スカルピアがペンの羽根
 でトスカの手を撫でるところはヤラシイよな」なんて言っていました。その時のスカル
 ピアのセリフ、「チーヴィタヴェッキア~(ローマの外港の町の名前)」っていうのを
 妻は覚えてしまい、水戸黄門などの時代劇が大好きだった妻は、事あるごとに「そちも
 悪じゃのぅ」というシーンでは、「チーヴィタヴェッキア~」と言っていました。
  (妻もたいがいアホや。byオッサン)
  そうそう、妻は端役にも注目していて、このオペラではスカルピアの「パシリ?」の
 部下スポレッタに注目していました。😆 (なんや、チンチクリンやから吉本新喜劇
 のキャラみたいや思うてな。by妻)  
  
  スカルピアを刺殺した後の、ほぼ演技だけのシーンでは、妻は「早く逃げて~!ハラ
 ハラするわ~」と言っていました。ほんま、オッサンが観ても芝居が下手な女優よりも
 よっぽど大女優のようでした。ま、トスカはもともとオペラではなく演劇の作品でして、
 当時の大女優サラ・ベルナールのために書かれたと言われていたほどですから、トスカ
 を演じる女優の力量がそのまま作品の魅力になっているという感じでした。
  ちなみにこの舞台で仇役スカルピアを演じたのは、悪役をやらせたら天下一品のバリ
 トン歌手兼性格俳優?のティート・ゴッビさん。イタリアオペラのバリトン役は、善人
 も多いのですが、この人は間違いなく悪役向き。スカルピアとヤーゴには向いているが
 シモン・ボッカネグラやジェルモンには向かない。ましてやファルスタッフなんて無理。


  幕間(まくあい)には、やっぱりワインのオッサン。(たいがいにしいや。by妻)  

      

  神奈川県民ホールの3階ロビーからは、山下公園と横浜の港が一望できます。
  こちらは、みなとみらい方面。

  横浜ベイブリッジも遠くに見えました。


  さて、今日のトスカはブルガリア出身のソニア・ヨンチェヴァさん。見た目も声も、
 トスカにふさわしい素晴らしいソプラノでした。でも、女優ではなかった・・・
  ま、カラス様と比較してはいけません。オペラの舞台としては素晴らしかったです。

     


  実はトスカはこのオペラで3人の男を殺しています。直接手を下したのは、よこしま
 な欲望を抱いてトスカに近寄ったスカルピアだけですが、嫉妬に駆られてしまって我を
 忘れた言動をスカルピアに利用されることで、政治犯アンジェロッティと、それを助け
 ようとした最愛の恋人カヴァラドッシをも、間接的に死に向かわせてしまったのです。
 いわゆる、ファム・ファタル(運命の女)なんでしょうね・・・
  うちの妻は「(ご飯が)うんめー!女」・・・茶々さんには敵わないけどな (by妻) 
  
  第三幕の舞台は、監獄として使われていたローマ時代の遺跡:カステル・サン・タン
 ジェロです。古代ローマ皇帝ハドリアヌスが、皇帝一族の霊廟として築いたものらしい
 ですが、中世ではローマ法王がいざという時に避難する城塞、近代ではその堅牢さから
 監獄となっていたようです。

  ここでカヴァラドッシは銃殺され、絶望したトスカはサンタンジェロ城から身投げを
 して幕となります。登場人物がほぼ全員亡くなるというのは、「運命の力」と「トスカ」  
 くらいでしょうね・・・


  上演中は撮影禁止ですが、開演前はOKでした。😆
  オッサンの席はC席、3階席の4列目でしたが、見づらさはありませんでした。
 オーケストラ・ピットも良く見えて、金管楽器の咆哮がまともに飛び込んできましたし、
 歌手の声もよく通りました。 


  6月のパレルモ・テアトロ・マッシモの「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」に続いて、
 ローマ歌劇場で「トスカ」を鑑賞しました。でも、これで終わりではないんです。
 (何い? また行くんか? 許さん! by妻)


  ローマ・オペラ座は、1988年の卒業旅行で訪れました。演目は、ヴェルディ先生の
 「シモン・ボッカネグラ」、オッサンが考える優れた作品ベスト10に入っています。
 (そんなん、知らんがな。かなり偏ったベスト10やろ。 by妻)   


  あ、そうだ。家に「トスカ」の初演時?のポスターがありました。

     

  これは、プッチーニの誕生地である中部イタリア・トスカーナ地方の城塞都市ルッカ
 の「プッチーニの生家」の博物館で、1996年に妻が購入したものです。たぶん、カラス
 様のトスカをテレビで観た後だったと思います。妻も案外ミーハーなのかも。😆
  (オッサンと一緒にせんといて! by妻)