Bonne(ボンヌ)のブログ

死別者ですが余生は少しでも楽しく

12月になって寒くなってきました・・後半はデメテル・・・

   気が付けばもう12月、コロナに振り回され、いろいろと考えさせられた2020年も 
  あと1ヶ月を切りました。さすがに12月に入ると関東地方も一段と冷え込んできま
  した。今日は在宅勤務でしたが、今シーズン初めて暖房を入れました。昼過ぎからは
  鉛色の空からとうとう冷たい雨がしとしとと降り出し、なんだか気が滅入ります。
   ベランダに出ると、この寒さのお蔭でレモンの実が黄色くなり始めました。今年は
  実が4個付きました。葉っぱがたくさん出て、殺虫剤を定期的に噴霧したので葉っぱ
  が落ちなかったことが奏功したのではないかと思います。数年間宮崎に居たころは、
  月に2~3回しかケアができなかったのでだいぶ弱っていましたが、かなり復活をして
  きたようです。

    

  先日、晴れた日に撮影したものですが、ベランダの植物も寒さに負けずに元気です。
  これ ↓ は、べ二ジオ・アークトチスという花です。言いにくいし、覚えにくい!
 こんな花が次々と咲きますが、曇りだったり日が落ちると花が閉じるので、なかなか
 全開のところが見られませんわ。 

  そして、切り戻した八重のペチュニアが、復活してゴージャスな花を咲かせました。
 ペチュニアとは思えない、派手な姿かたちと色ですね。もう少し生き延びそう。

    


   午後になってさらに寒くなってきたので、今日の晩御飯は温かいシチューにしよう
  と思って買い物に行きました。ブロッコリーと人参、シイタケが残っているからね。
  いつものスーパーで残りの具材と牛乳、バゲットを買い帰宅しましたが・・・
   ガーン、シチューのルゥを買い忘れました(爆)。最近こういうのが多すぎる・・・
  小雨の降る中、スーパーに戻って買い直してきました。(ついでにビールも買う・・)
  あぁ、妻がいたらこんなアホなことはないよね、つぅか晩御飯も毎日完璧に作ってく
  れていて、こんな雨の日だったら駅までクルマで迎えに来てくれていたよなぁ・・・
  こんなことを考え出すと、もういけません。妻が最後に家に帰ってきた時の事などを
  思い出してしまい、辛くなって家の前で立ち止まってしまいました。辛かったのは私
  ではなく妻の方なのにね・・・もう7年以上経つのに、ふとしたことで奈落の底?に
  落ちるから油断してはならん・・・(今日は久しぶりに死別ブログっぽいな。by妻)
   
   まぁどうにもならないことを悔やんでも仕方がない、気を取り直して晩御飯の準備
  です。まぁ今日は煮込むだけだから比較的楽かな。(イヤイヤ、甘いな・・・by妻)
  なんとか出来上がりです。

     

   ワインはオーストリアの白ワイン、グリューナー・フェルトリーナーという品種
  です。アルコールが強くて酸味の強い無骨なワインだと思っていましたが、これは
  なかなかコクもありつつ、ピュアな感じがします。確かに酸味が少し強い感じです
  が、バランスは崩れていません。ほう、2,500円でこの出来とはなかなかやるのう。
  (また上から~by妻)。
   しかし支柱ちゃうシチューの出来が今市ちゃう、いまいち。ジャガイモと人参の
  煮込みが足りず、シチューのとろみも少し足りない。まだまだ修行がタリンちゃう
  足りんのう、妻のシチューの方が美味しかった(比べてもらっちゃ困るぜ、by妻)。


   そしてこのワイン、ラベルをよく見たら・・・

     


   スミマセン、ここから先はワインオタクの世界ですので、興味のない方はスルー
  をお願いいたします。


   ”demeter” と表記があります。デメテル、ギリシャ語だとデーメーテールか?
  古代ギリシャの農業の神、オリュンポスのギリシャ12神の一人であり神々の頂点に 
  君臨するゼウスのお姉ちゃんです。(ローマに伝わると「ケレス」という名前になり、
  フランス語になると「セレス」ですね。)
   ちなみに、これ ↓ がデメテル様です。

             

   この名前を冠する団体デメテル(ちょっと秘密結社っぽい感じです)は、ワインを
  生産するにあたってビオディナミというちょっとオカルトがかった手法を採用してい
  る生産者を認定する団体です。このワインの生産者であるフリッツ・サロモンさんの
  このワインにデメテルの認証があるということは、このビオディナミ手法を使って、
  ブドウを栽培し、ワインを醸造しているということです。


   話せば長くなりますが、元々ワインの品質は原料の葡萄とそれが育つ土壌と、生育
  に影響する天候の3つの要素で決まると言われています。しかし、所詮は人間が作る
  農作物ですので、人間の関与度(積極的なものであれ消極的なものであれ)が影響を
  与えざるを得ません。
   実は(WWⅡ)戦後、化学の飛躍的発展と、栽培・醸造技術の向上に伴って、葡萄
  の生産量を安定させ、さらに飛躍的に増産することが可能になりました。つまり化学
  薬品の普及などです。さらに生産量の増加に拍車をかけたのが世界的な需要の爆発的
  増加です。雨がちで寒い気候条件のために生育不良であったり、高温多湿で病害虫が
  発生したりすることで生産量(と比例して品質)が落ちていた時代は過去のものとな
  り、化学薬品(農薬)散布により、少々の悪天候や自然条件のマイナスもカバーし、
  腐る葡萄を減らすことで生産量を確保できるようになりました。そして世界的な需要
  増により、大量に作ってもたくさん売れる時代になっていましたので、さらに生産量
  を増やすための工夫に拍車がかかることになりました。
   しかし、過ぎたるは猶及ばざるがごとし・・・生産過剰は葡萄の本来あるべき濃度
  を落とし、農薬による土壌汚染で葡萄の根が吸い上げる土壌成分が悪化し、かえって
  品質が劣化して、その多くが、味が薄くて長持ちしないワインになってしまいました。


   この反動で1980年代以降になると、化学薬品の使用を極力抑え、摘果や摘葉(余分
  な果実や葉を生育途中に落とすこと)により生産量を抑制し、葡萄や土壌本来の力を
  生かしたワイン造りに回帰する生産者が増えました。いわゆる、より自然志向の栽培
  方法の復活です。ついでに(今回は割愛しますが)醸造方法にも、より自然な手法が
  用いられるようになりました。
  この結果が、生産されるワインの劇的な品質向上(と、生産量減+手間がかかること
  によるコスト増に伴う、価格上昇)に繋がりました。そして、舌の肥えた消費者が増
  えてくると、生産量が落ちても品質が良ければ単価を上げてペイすること、どころか、
  もっと評判になればプレミア価格で売れることがわかってしまいました。後はご想像
  の通りです。 
   
   「自然な栽培、自然な醸造」というテーマは、葡萄に限らず「オーガニック」と
  いう名前で認知されており、現在の優良ワイン生産者においては絶対に何らかの形で
  その考えや手法が取り入れられているかと思いますが、その思想を過激なまでに発展
  させ、ビオディナミというかたちでルール化して仲間を募っているのが、秘密結社?
  デメテルです。そのルールとは・・・興味がある方はネットで検索願います(ケチ)。
      


  私が見る限り、そうだよね、すごいねそこまでやるんだ!と感心するところもあれば、
  え?それって正気ですか?と思わざるを得ない意味不明のところもあります。
   月の満ち欠け・・・ぐらいまではなんとかついていけますが・・・


   話が長くなりました。この2,500円のオーストリアの白ワインは、そうした厳格な?
  自然栽培方法と、醸造から瓶詰めに至るまでの管理をデメテルの規定に従って作られ
  ているということですね。この労力(コスト)をかけても2,500円で販売できるところ
  は凄いです。肝腎の品質は・・・確かに高いと思います。
   オーストリアにはニコライホーフという、デメテルの代表的生産者が居ますので、
  そこの影響を少なからず受けているのかもしれません。弟子だったりして・・・
   ちなみにこの方 ↓ がこのルール(理論)の提唱者、ルドルフ・シュタイナー博士だ
  そうです。

               

   スミマセン、後半はワインオタクの戯言以外の何物でもないですね・・・